白いご飯の上に生卵を落とし、醤油をかけて食べる「卵かけご飯」。お米が主食かつ畜産物のレベルが高い日本ならではのシンプルなメニューで、一時期より「TKG」と親しまれ、その支持・評価が高まっている。
そのさなか、2019年には一般社団法人として「日本たまごかけごはん研究所」が設立された。同団体では「日本の生産者(米・醤油・卵)支援と応援」「地域創生」「たまごの生食文化の世界発信」など3つの理念を掲げ、「50年後、地球上どこでもたまごかけごはんが食べられる世界を創る」ことを最終目標としている。
今回は同団体の担当者に、「卵かけご飯」と「卵」についてのトリビアを聞いた。さらに、3年ぶりの実施となる「卵フェスin池袋2022」の内容もご紹介!
MサイズもLサイズも卵黄の量は同じ!?
日本人の多くが慣れ親しんでいる卵かけご飯および卵だが、同団体担当者によると、まだまだ多くの人が知らないことがたくさんあるという。まずは5つのトリビアを教えてもらった。
(1)卵はMサイズを超えると卵白だけが増えていく!
Lサイズの卵はMサイズに比べて、卵黄と卵白が均等に多いものだと思われがちだが、実際は同品種であれば卵黄はそのままで、卵白だけが多いそう。担当者は「卵かけご飯には比率が高いMサイズがベスト」と話す。
(2)団体推奨の卵かけご飯の黄金比がある!
同団体では“卵かけご飯の黄金比”を発表している。その内訳は「やや硬めに炊いたご飯(米と水を10:9の割合にしたもの)150グラム」+「日本たまごかけごはん研究所・公式醤油7グラム」+「卵Mサイズ1個(約60グラム)」。細かな数字だが、一度この比率で食べてみたくなる。日本たまごかけごはん研究所・公式醤油は通販などで購入可能。
(3)世界初の「輸出できる生食用卵」がある!
“輸出できる生食用卵”として世界初となった銘柄卵がある。「日本一こだわり卵」というもので、法律が厳しく輸出難易度が高いニューヨークでも認められたもの。同団体が実施した「第1回たまごかけごはん祭り」ではグランプリも受賞した。
(4)真っ赤な卵黄の卵がある!
“兵庫県のスーパープレミア卵”と呼ばれる「夢王」は、卵黄が真っ赤。鶏の飼料にヨモギ、海草、ニンニク、緑茶、パプリカ、唐辛子、桑、梅酢などを混ぜることで、天然由来で卵黄を赤くさせている。濃厚な旨味とコクを出す一方で、雑味のない味わいが魅力。「第2回たまごかけごはん祭り」「第3回たまごかけごはん祭り」双方でグランプリを受賞した。
(5)柚子の香りがする卵がある!
柚子の名産地・高知県にある農場が特許を取った、香り付け製法によって生まれた“フレーバー卵”で、卵からほんのり柚子の香りを感じられる。現時点では日本全国のどの業者も真似ができないもので、卵かけご飯で食べる場合は醤油ではなく塩をかけるのがおすすめだそう。
卵かけご飯の魅力を体感できるイベントが開催
同団体によれば、まだまだ卵かけご飯や卵にまつわる知られざる話があり、その世界はさらに奥深いという。こういった知識や味わいを一般消費者や生産者と共有しようというイベントが「卵フェス(または『たまごかけごはん祭り』)」だ。
同団体はこれまでに3回「たまごかけごはん祭り」を実施してきたが、コロナ禍の影響で第2回、第3回は商品のテイクアウトのみだった。2022年10月21日(金)〜23日(日)まで実施される「卵フェスin池袋2022」は、3年ぶりの集客イベントとなる。
入場は無料だが、「卵かけごはん食べ放題」に参加する場合は参加費500円が必要(小学生未満は無料)。北海道から沖縄まで全国60種類以上のブランド卵を合計約6万個に加え、およそ1トンのお米を用意し、醤油も全国の木桶造り醤油ばかり30種類以上がかけ放題。もちろん、前述の日本たまごかけごはん研究所・公式醤油もかけ放題だ。
ちょい足しトッピングとして、生胡椒の塩漬けやサクサクしょうゆアーモンドなど、卵ごかけご飯に合う商品が試しきれないほど並ぶ予定だ。
ちなみにこの食べ放題は、11:00〜13:00・13:15〜15:15・15:30〜17:30・17:45〜19:45の4部に分かれた総入れ替え制。受付は先着順で、各回のスタート90分前に整理券が配られる。特にお昼や夕方の時間帯は混雑が予想されるため、時間に余裕を持って来場しよう。
また食べ放題以外にも、場内ブースには普段は入手しにくい卵や醤油、卵関連の惣菜やスイーツやグッズも販売される。
寿司に次ぐジャパンブランドを目指して
「卵フェス」は言わば“世界最大級の卵かけご飯イベント”と言え、同団体の取り組みがそのまま具現化された催しとなっている。最後に担当者に「卵フェスin池袋2022」にかける思いを聞いた。
「『卵フェスin池袋2022』では、とにかく卵の食べ比べをしていただきたいです。全国各地のおいしい卵を同時に食べ比べする機会はなかなかないので、『こんなに違うんだ』という感動を味わっていただけるはずです。スイーツやドリンクなどの販売もありますので、卵や卵かけご飯が得意じゃない方も楽しめると思います。
生食のジャパンブランドとして、卵かけご飯が寿司の次にポピュラーになるよう取り組んでいます。ぜひこの思いと、卵かけご飯の奥深さを『卵フェスin池袋2022』で感じていただき、楽しんでいただければうれしいですね」
取材・文=松田義人(deco)
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