ハワイ発祥のスウィートロールで“料理”がさらに楽しくなる!「KING’S HAWAIIAN」マーク・タイラ会長に日本出展の狙いを聞いた

2025年10月29日

2025年10月23日~11月3日(祝)にかけて、東京・表参道の「OMOTESANDO CROSSING PARK」で開催中の「KING’S ORANGE ISLAND」。こちらは1950年にハワイで創業したKing’s Hawaiian Holding Co, Inc.の、日本への本格上陸を記念したポップアップイベントで、同社の人気商品「スウィートロール」(オリジナルハワイアンスウィートブレッドの名称)の魅力を大々的に紹介する催しになっている。

ウォーカープラスでは、そんな同社のマーク・タイラ会長にインタビューを実施。KING’S HAWAIIAN 戦略・新規事業担当ディレクターの糟谷怜央さんにも同席してもらい、「KING’S HAWAIIAN」のルーツや、日本における今後の展開について、意見を聞かせてもらった。

「KING’S HAWAIIAN」のマーク・タイラ会長撮影:ソムタム田井


日本への進出計画は2015年からスタートしていた


――創業者ロバート・R・タイラさんが日系人であるというルーツは、ブランドにとってどのような意味を持ちますか?

【マーク・タイラ】 父は第二次世界大戦の後、一時的に日本に帰ってきて、そこで子どもたちがベーカリーのデザート、いわゆる菓子パンを喜んで食べているところを見たそうです。そこから「大勢の方に食べてもらって、喜んでもらえる、菓子パンづくりのビジネスにチャレンジしたい」と思うようになり、ベーカリーショップの開業にいたるわけですが、その当時から、「いつか日本にも出展したい」という思いはあったようです。

実際にこれまで、私自身も日本人の友人であったり、日本から来られた方から「日本にも出展したらいいのに」と言ってもらってはいたのですが、そのときは「まだ時期尚早かな」と思い、踏みとどまりました。

館内施設には、マーク・タイラ会長からのメッセージも掲載されている撮影:ソムタム田井


――その理由を詳しくお聞きしたいです。

【マーク・タイラ】 日本を含め、海外で展開していくには、まず自社のブランドというものを確立する必要がありまして。ですが、お話をいただいた時点では、まだその域に達していないな…と感じたので、見送ることにしたんです。また、海外に進出するからには、いつでも万全の状態で、きちんと商品を供給できる体制を整える必要もあったので、まずはそうした準備にじっくり時間をかけて取り組んで。そうしていよいよ、海外を視野に入れた動きに乗り出せたのは、2015年ごろからですね。

――10年前から、日本進出に向けての準備をされていたと?

【マーク・タイラ】 「KING’S HAWAIIAN」として、インターナショナルビジネスを推進していこうとなったのは、ちょうどそのころです。それから数年で体制自体は整いましたが、日本で展開するうえで最適なスタイルを実現するにはさらに年月がかかり、創業75周年のこのタイミングで、ようやく実現できた次第です。

「KING’S ORANGE ISLAND」にて、スピーチを行うマーク・タイラ会長(左)撮影:ソムタム田井


――そうして2025年5月に、満を持して日本に進出。スウィートロールの販売がスタートしたわけですが、この数カ月の展開について、思うところがありましたらお聞かせください。

【糟谷怜央】 まずは5月に東京で、「ALOHA TOKYO 2025」というイベントがあって。その後、大阪で行われた「ハワイフェア2025」を経て、今回、「KING’S ORANGE ISLAND」を実施することになったわけですが、立て続けに大勢の方に「KING’S HAWAIIAN」を知っていただく、いい機会をいただけたと思っています。これで一段落…とはせずに、今後もさらにエクスパンションといいますか、日本の皆さんにスウィートロールを知っていただいて。楽しい思い出を作りつつ、実際に商品を食べていただける機会を増やしていきたいと考えています。

【マーク・タイラ】 日本では、長期的な視野でビジネスを展開していきたいと思っているので、一気に流通させるというより、じっくり時間をかけて、認知していただいて。大勢の方に愛してもらえるブランドを目指していきたいですね。そうしてユーザーさんと、相思相愛の関係を築くことを目標にしています。

2025年5月に日本に上陸した「KING’S HAWAIIAN」のスウィートロール撮影:ソムタム田井


――「KING'S ORANGE ISLAND」の会場は、オレンジ色が多く使われていましたが、これには何か理由があるのでしょうか?

【マーク・タイラ】 アメリカでは、オレンジ色はあんまり食べ物と結びつかなくて。どちらかというと、飲食とは相性の悪いカラーなんです。ですが、父の一番好きな色がオレンジで、しかも父は昔から「皆と同じことはしたくない」という性格だったため、それらも反映する形で「KING’S HAWAIIAN」のイメージカラーはオレンジになった…というわけです。まわりから何と言われようと、自分がいいと思ったらとことんやる、父の信念が反映されたカラーですね。

――「KING'S ORANGE ISLAND」を表参道で開催された理由、狙いをお聞きしたいです。

【糟谷怜央】イベント開催の理由としては、ひとりでも多くの方に「スウィートロール」を知っていただき、実際に味わっていただきたいという思いが一番にあります。同時に、「KING’S HAWAIIAN」はおいしいパンをつくるだけでなく、皆さんのライフスタイルにも寄り添うブランドであることを伝えたいという意図も込めています。そうした場所でイベントを実施することには意味があると思い、開催させていただきました。<br /><br />開催場所に表参道を選んだのは、トレンドを生み出す街でありながらも、落ち着きと品格を兼ね備えた “classy” なエリアである点がブランドイメージに合っていたためです。また、会場となった「表参道クロッシングパーク」は、開放的な屋外空間で、南の島・ハワイの世界観を再現するのに最適なロケーションでした。このような場所でイベントを実施することにより、「KING’S HAWAIIAN」が持つ“ハワイの温かさ”と“上質さ”の両立を、より多くの方に体感していただけると考えました。<br /><br />ちなみに、会場の「OMOTESANDO CROSSING PARK」では、飲食関係の会社がイベントを行うのは今回が初めてだそうで、先陣を切ってそうした展開ができたことも、「KING’S HAWAIIAN」にとっておもしろいストーリーになりそうだなと感じています。<br />

【写真を見る】ハワイの雰囲気を堪能できるイベント「KING’S ORANGE ISLAND」が、東京・表参道で開催中撮影:ソムタム田井


――スウィートロールをバンズに使った「スライダー」という食文化を、日本の消費者にどのように楽しんでもらいたいとお考えですか?

【マーク・タイラ】 スウィートロールの食べ方はいろいろありまして、「スライダー」はその中の一つなんですけど、いちばん作りやすくて、作る過程も楽しめる食べ方なんじゃないかなと思い、「KING'S ORANGE ISLAND」でも大々的にご紹介させていただいています。

――おいしいだけでなく、楽しさも重要なポイントであると?

【マーク・タイラ】 そうですね。たとえるなら、真っ白なキャンバスに絵を描くみたいな感じで、皆さんの「こんな料理を作りたい」だったり、「家族や友達をもてなしたい」といった思いを実現することができる食べ方といいますか。そうやって試行錯誤する時間も含めて、スウィートロールに親しんでいただけますと幸いです。

イベント会場では、7種類のメニューが日替わりで注文できる撮影:ソムタム田井


――今回のイベントを通じて、どのような人にブランドの魅力を知ってほしいですか?

【マーク・タイラ】 先ほどの話にもつながりますが、やはりファミリーで過ごす楽しい時間のお供として、スウィートロールを重宝していただけますとうれしいですね。小さいお子さんから、おじいちゃん、おばあちゃんまで、「スライダー」は年齢を問わず、幅広い層の皆さんに楽しんでいただける食べ方になっていますので。アメリカではクリスマスだったり、ハロウィンやサンクスギビングといった、親族で集まって楽しい時間を過ごすイベントがたくさんありますが、そういった楽しい時間の使い方を、弊社の商品を通して、日本でも定着させられたらいいな…と思っています。

取材・文=ソムタム田井

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