コンセプトトラック「VCCC」や「エルガEV 自動運転バス」を初公開!「ジャパンモビリティショー2025」いすゞグループの注目展示

2025年11月1日

2025年10月30日から11月9日(日)までの11日間、東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー2025」。東京モーターショーの後継として、自動車をはじめモビリティの最新技術や情報、車両を展示する大規模イベントだ。

プレスデーの10月29日、いすゞ自動車ととUDトラックスによるいすゞグループブースでは、プレスカンファレンスや展示の公開が行われた。本記事ではカンファレンスの内容や、「『運ぶ』で描こう、みんなの未来。」をテーマにしたいすゞグループブースの注目展示を紹介する。

初公開のコンセプトトラック「VCCC」(バーチカル・コア・サイクル・コンセプト)


形を変えるトラック「VCCC」で物流に対応

プレスカンファレンスには、いすゞ自動車の代表取締役社長兼CCOである南真介さんと、UDトラックスの代表取締役社長兼CEO・伊藤公一さんが登壇。いすゞグループが取り組む物流課題へのアプローチや、初公開の「VCCC」のコンセプトを語った。

伊藤さんは「Eコマースの拡大などにより、輸送需要は増え続けています。国交省は『2030年には輸送力が34%不足する』と予測しています」と物流が直面する課題を挙げ、両氏は人手不足、荷待ち時間の解消、ラストワンマイルなど、都市・地方それぞれ異なる解決策が求められていると話す。

こうした課題解決の糸口として「コネクテッド・自動運転の取り組み」を掲げ、いすゞグループは2027年度以降の自動運転実用化に向けて北海道で新たなテストコースの稼働準備を進めるという。また、いすゞの商用車情報基盤「GATEX」(ゲーテックス)のコネクテッド技術を組み合わせ、車両の故障、積み荷の状態管理など、さまざまな情報をスムーズに連携させる技術開発の促進にも取り組んでいくようだ。

左から、いすゞ自動車の代表取締役社長兼CCO・南真介さん、UDトラックスの代表取締役社長兼CEO・伊藤公一さん


さらに「物流のあり方が大きく変わっていくなか、いすゞグループとして商用車のあり方も変えていくことが物流の可能性を広げることにつながる」として、コンセプトトラック「VCCC」(バーチカル・コア・サイクル・コンセプト)」を初公開した。

縦型の車両フレームを組み合わせて運用する「VCCC」


「VCCC」は、縦型の車両フレームにより車両サイズや輸送シーンにとらわれない、新たな輸送の形を目指したコンセプトトラック。前輪側と後輪側が分離しており、従来のトラックにおける荷台部分のサイズ変更や、「VCCC」の側に荷物のコンテナなどの挟みこみができるため、荷下ろしや荷物の積み替えの省略が可能だ。また、隊列走行した「VCCC」が目的地ごとに分散することで、物流センターから各配送先へワンストップでの輸送もイメージしている。同様に、人員輸送と貨物輸送も同時に可能だ。

最後に「『VCCC』が走ると、街に彩りを与えたり、人々の気持ちを変えることができたりするかもしれません。未来では、運ぶ人も運ばれるものも、運ぶに触れるみんなが心踊る。そんなウェルビーイングなシーンが増えると思っています」(伊藤さん)、「私たちは、皆さんとともに新しいモビリティの姿を形にして、誰にとってもウェルビーイングな社会を実現していきたいと考えています」(南さん)と締めくくり、「VCCC」をはじめ、商用車の形を変えることで輸送の形を変える未来への可能性に意気込んだ。

「運ぶ」の未来を体感!いすゞグループブースの注目展示

いすゞグループブースでは、新しい「運ぶ」のイメージや技術を体感できる展示が数多く登場している。入り口付近の「はじまりのターミナル」ゾーンでは、人や物を運ぶことに新たな価値を付与する未来のあり方を提案する映像を展示。

いすゞグループブース(東京ビッグサイト 東展示棟 東4~6ホール EC03)

いすゞグループが考える「運ぶ」の未来に触れられる映像展示


続く「みんなの未来バス」では、バス型のブースの中で「動くオフィス」「美術館」「旅館」という3つのシーンをイメージした映像を鑑賞できる。

体験展示「みんなの未来バス」

「みんなの未来バス」体験中の様子


また、すでに具体化・実用化が進む新技術を搭載した、いすゞグループの車両も紹介。「エルガEV 自動運転バス」は、大阪・関西万博のシャトルバスとして採用されたバッテリーEVバス「エルガEV」に自動運転機能を搭載した最新モデル。神奈川県平塚市と神奈川中央交通において、既存バス路線での実証運行の実施が決定している。いすゞグループブースでは、展示中の車両内に乗り込むことが可能だ。

【写真】「エルガEV 自動運転バス」が初公開されたいすゞグループブース


さらに、センサーや安全性について学べる、VRゴーグルを用いた自動運転バスのVR体験も。VRを通して、遠くの物体の認識や死角の危険察知など、複数のセンサーを持つ自動運転バスだからこそ可能な走行を体験できる。

VRゴーグルを通して自動運転バスの運行を体験できるスペース


ほかにも、いすゞ独自開発の「電動PTOユニット」を採用したバッテリー式ゴミ収集車「エルフEV塵芥車」の実車展示や、多様なカーボンニュートラル燃料に対応できるマルチフューエルエンジンの参考展示、カーボンニュートラル、コネクテッド技術、自動運転についてパネルやジオラマで紹介するブースなど、いすゞの持つ技術や取り組みをさまざまな形で紹介している。

バッテリー式ゴミ収集車「エルフEV塵芥車」

いすゞグループの技術や取組みを紹介するパネル・ジオラマ展示。「マルチフューエルエンジン」も参考出品されている


出展車両には、約10年ぶりにキャブインテリアを一新した新型「ギガ」や、新興国を対象とした大型トラック「Quester」のEU排出ガス規制・ユーロ6対応モデルを初公開。さらに、UDトラックス創立90周年を記念した特別ラッピングをあしらった大型トラック「Quon GW 6×4」も展示される。

新型「ギガ」

大型トラック「Quester」

大型トラック「Quon GW 6×4」


普段はなかなか知る機会のない商用車の最新事情や、自動車単体に留まらない物流の未来を体感できるいすゞグループブースに注目だ。

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

ウォーカープラス編集部 Twitter