2025年11月25日、アディダス ジャパンは駅伝シーズンに合わせた体験型メディア発表会「ADIDAS EKIDEN DAY」を開催。最新ランニングコレクション「ADIZERO EKIDEN COLLECTION(アディゼロ エキデン コレクション)」の発表や、「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」をメッセージに掲げるブランドキャンペーンの新章ローンチ、パートナーシップを結ぶチームや選手によるトークセッションなど、アディダスが展開するさまざまな施策が、体験コンテンツも交えて包括的に紹介された。
「ADIZERO EVO SL WOVEN」など最新モデルを発表
新モデル「ADIZERO EVO SL WOVEN(アディゼロ エヴォ エスエル ウーブン)」のラインナップに加えて2025年11月28日より発売中の「ADIZERO EKIDEN COLLECTION」を紹介。また、駅伝シーズンに向けたアディダス ランニングカテゴリーの戦略についての説明もあった。
「ADIZERO(アディゼロ)」とは、2005年、シューズ・クリエイターの大森敏明さんの協力により、“日本人を速くするために”を目的に開発されたランニングシリーズの総称。0.01ミリ単位までこだわって生み出されたマイクロフィットラスト(足型)による優れたフィット感で、数々の受賞歴や結果と共に歴史を積み重ねてきた。2023年9月には、アディダス ランニング史上最軽量となる革新的レーシングモデル「ADIZERO ADIOS PRO EVO 1(アディゼロ アディオス プロ エヴォ1)」を発表。こちらはすでに3つの世界記録更新に貢献している。
そんな「ADIZERO」より、駅伝シーズンに向けた包括的なランニングコレクションとして発表されたのが「ADIZERO EKIDEN COLLECTION」だ。
今回のコレクションでは「ADIZERO ADIOS PRO EVO 1」から生まれた、アディゼロ内最軽量トレーニングシューズ「ADIZERO EVO SL(アディゼロ エヴォ エスエル)」のアップデートモデル「ADIZERO EVO SL WOVEN」が新たに登場。
ほかにも世界の主要レースや、国内駅伝での勝利と記録更新に貢献してきたレーシングモデル「ADIZERO ADIOS PRO 4(アディゼロ アディオス プロ4)」、スピードに乗りやすいショートレース用モデル「ADIZERO TAKUMI SEN 11(アディゼロ タクミ セン11)」など、日々のトレーニングからレース本番まで、速さに挑戦し続けるランナーを支える全9種のシューズをラインナップしている。
また今回のコレクションは、晴れの日の青々した富士山カラーからインスパイアされたソーラーブルーを基調としたカラーリングを採用しているのも特徴で、箱根伝統細工からインスパイアされたピクトグラムデザインをあしらい、駅伝を戦ううえで必要な「団結心・忍耐力・ラストの全力疾走」も表現している。
ここで「ADIZERO EKIDEN COLLECTION」の中でも特に注目される、アディゼロ内最軽量トレーニングシューズ「ADIZERO EVO SL WOVEN」について詳しく解説しよう。こちらに搭載されている特徴的なテクノロジーは以下の通り。
■快適なフィット感と伸縮性を提供するアッパー
新たに開発されたウーブン素材に変更されたことで、伸縮性がアップ。サポート性の必要な部分には補強を施し、足のブレを抑えて安定した走りをサポートする。
■ホールド力とフィット感が向上したヒール構造
ヒールクッションの構造を変更したことで、薄くなりながらもフィット感が向上。ヒール部分のTPUの補強も強度が高まり、踵のホールド力も向上している。
■厚みを増したシュータン
シュータンのクッションの面積と厚みが増し、足ブレを防いでフィット性が向上。また、着用時の快適性も向上している。
ブランドキャンペーン新章&SNS施策がスタート
続いて壇上では、「ADIZERO EKIDEN COLLECTION」の発売に伴い、アディダスが駅伝をテーマに展開する新たなブランドキャンペーンについての説明も行われた。
もともと同社では「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」をメッセージに、アスリートがプレッシャーから解放され、純粋にスポーツに向き合うことで広がる可能性をテーマとしたキャンペーンを2024年より継続的に実施している。2年目となる2025年からは、困難やプレッシャーに直面したときに「YOU GOT THIS」と信じさせてくれる“もうひとり”の存在にフォーカス。部活が始まる新学期や陸上世界選手権大会など、さまざまなスポーツモーメントに合わせて、それぞれの選手が仲間やコーチとともに目標に向かう姿を通して、自分の可能性を信じさせてくれる存在の大切さを伝えてきた。
2025年11月25日からは、上記の通り、新年の一大スポーツイベントである「駅伝」をテーマとしたキャンペーン新章をスタート。青山学院大学陸上競技部の黒田朝日選手と塩出翔太選手、國學院大學陸上競技部の上原琉翔選手と野中恒亨選手を起用し、日々の練習や練習終わりの何気ない時間の中で、それぞれの形で切磋琢磨し、支え合い、目標に向かって進む仲間同士の関係性を切り取ったキャンペーンフィルムが、YouTubeおよび特設サイトで公開されている。
また、アディダスがパートナーシップ契約を結ぶ青山学院大学および國學院大學のキャンパスが位置する渋谷エリアや、新年の駅伝を盛り上げる東京・大手町エリアにも、本キャンペーンビジュアルを使用した各種屋外広告を展開予定。来たる駅伝モーメントに向け、アディダスは本キャンペーンを通じて新年のスポーツシーンを盛り上げていく……という旨が語られた。
さらに壇上では、こちらの展開に加え、SNSを活用した新たなプロモーション施策として「adidas TASUKI PROJECT」も発表。
アディダスによると「“自分の可能性を信じさせてくれる存在”とは、決して自分の周りにいる人々だけではなく、さまざまな応援の声もその存在のひとつだと考えています。弊社は今回のブランドキャンペーンの一環として、11月25日より、新年の駅伝に出場するアディダスの契約校である青山学院大学、國學院大學、創価大学、大東文化大学への応援の声を、駅伝の象徴であるタスキに乗せ、出場する選手に届けていく新プロジェクトも開始いたします」とのことで、こちらの企画はアディダスの公式X(@adidasJP)にて実施中。
Xをチェックすると各大学の応援ページに飛び、そちらでメッセージを書き込むことで、駅伝に臨む選手たちに応援の声が届く取り組みになっている。こちらも気になる人は、さっそくチェックしてみてはいかがだろう。
國學院大學の監督&選手陣によるトークセッションも実施
イベントの後半では、スペシャルゲストとして國學院大學陸上競技部の前田康弘監督と上原琉翔選手、野中恒亨選手が登壇。レースに向けた意気込みや、ブランドキャンペーンに関連した“仲間”や“自信”にまつわるエピソードを語るトークセッションが行われた。
登壇早々、「ADIZERO EKIDEN COLLECTION」についての感想を聞かれた上原選手、野中選手は以下のように答えた。
【上原琉翔選手】「『ADIZERO ADIOS PRO 4』は足にしっかりフィットしてブレにくく、安定感を感じました。そうした安定感があるにもかかわらず、軽いところが気に入っています。『ADIZERO TAKUMI SEN 11』は、地面をしっかり捉えられる印象があって、スピードが上がった際も自分の走りに集中できました」
【野中恒亨選手】「『ADIZERO ADIOS PRO 4』も『ADIZERO TAKUMI SEN 11』も、ほかのシリーズに比べて柔らかさと反発があるように感じます。走りやすくて個人的に好みのシューズです」
そんな両選手のシューズの選び方には、それぞれこだわりがあるようだ。
【上原琉翔選手】「参加するレースや走る距離によって、最適なクッション性は違ってくるので。自分の場合はそれらに合わせて、いくつかのシューズを使い分けています。そういった履き方をしているので、アディダスの商品ラインナップの多さは本当に魅力的で。毎回、お世話になっています」
【野中恒亨選手】「僕がシューズを選ぶうえで気をつけているのは、硬さと反発力、あと重心の位置ですね。いまは『ADIZERO EVO SL』が一番体に合っていて、自分のやりたい走りを最大限に引き出してくれているので、箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)にはこのまま行こうと思っています」
ちなみに野中選手は、シューズを選ぶ際に「シューズ自身と会話する」ことがよくあるそうで、その辺りについて詳しく聞いてみることに。
【野中恒亨選手】「シューズには接地のスイートスポットがいくつかあるので、まずは実際に履いて、一歩ずつ試しながら、“(スイートスポットは)ここ?”、“違う”といったやり取りをする感じです。そうしてスイートスポットがわかったら、今度は“これだけ体重をかけて、この蹴りの強さならどう?”、“それじゃダメ”みたいな会話をして。新しいシューズとは、毎回そうやって話をして最適解を導き出す……ということをしていますね」
さらに終盤では、MCより「國學院大學の強さの秘訣を教えてください」と聞かれ、三者がそれぞれ漢字一文字で答えるコーナーも実施。前田康弘監督は「愛」、野中恒亨選手は「芯」、上原琉翔選手は「想」と書き、その理由を語った。
【前田康弘監督】「今年のチームの強さをひと言で表すなら、やっぱり“愛”なんですよ。上原は主将として、厳しさの中に優しさのあるリーダーシップを発揮していて。それがあるからこそ、チーム間での信頼感、互いを信じる気持ちは非常に強く、それがそのままチームとしての強さにもつながっていると確信しています。キャンペーンフィルムでも描かれていましたが、野中の上原に対するリスペクトは本物で、ここまで強固な先輩後輩のつながりは、他校にはない、うちならではの強みだと思うんですね。これはもう“愛”といいますか。選手たちはもちろん、我々スタッフもこのチームのことが大好きで、愛に満ち溢れているからこそ、風通しがよく、互いに意見を言い合える、そんな体制が築けているんだと考えています。本当に伸びしろのある、強いチームになっているのでご期待ください」
【野中恒亨選手】「僕は、チームの軸である上原さんを意味する“芯”と、走るうえで最も重要な体幹という意味での“芯”を掛け合わせて、こちらの一文字を選びました。メンタル、フィジカルのどちらにおいても“芯”は大事だと思っているので。やっぱり、そこがしっかりしているチームは強いと思います。あと“愛”、“芯”、“想”で、3人とも選んだ一文字に“心”が入っているのが、なんかいい感じですね(笑)」
【上原琉翔選手】「今年のスローガンである“想い出継承”にちなんで……というのもあるんですけど、自分たちは箱根駅伝の第101回大会で3位という悔しい思いをして。2025年は箱根駅伝での総合優勝を目標に掲げて、1年間取り組んできました。自分や野中をはじめ、部員全員がこの目標に向けて頑張ってこられたのは、“先輩方の想いを継承する”という思いがあったからこそですし、それこそがこのチームの強さの秘訣だと思うので、こちらの一文字を選びました」
今回のトークセッションで語られた國學院大學陸上競技部の絆の強さが垣間見えるキャンペーンフィルムは、現在、YouTubeおよび特設サイトにて公開中。そんな選手たちに直接、メッセージを届けられる「adidas TASUKI PROJECT」もXにて展開中なので、気になる人はこれらもチェックして、箱根駅伝に出場する各校の選手たちを応援しよう。
取材・文=ソムタム田井
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。