キャンプ場徹底解剖!勝山温泉センター「水芭蕉」(福井県勝山市)|気軽に貸し切り実現!便利な温泉敷地内で初めてでも安心なキャンプ場!ワンちゃんもOK

2024年8月10日

福井県・岐阜県・石川県の三県にまたがる「日本三霊山・白山」のふもとに位置する福井県勝山市は、恐竜の化石が多く発掘され、世界三大恐竜博物館のひとつ「福井恐竜博物館」を擁する“恐竜のまち”として有名だ。そこから程近い山間部で市民からも親しまれている温泉施設「勝山温泉センター『水芭蕉』」(以下、「水芭蕉」)の敷地内に、ビギナーでも安全安心にキャンプを楽しめて、気軽に貸し切り利用まで可能でキャンプ場がある。周囲は山に囲まれた静かな景色ながら便利な設備がそろい、思う存分アウトドア活動を満喫できるキャンプ場を紹介しよう。

温泉併設のキャンプ場「勝山温泉センター『水芭蕉』」


【アクセス】関西から約3時間。東京から約6時間。“恐竜のまち“の天然温泉敷地内

関東からは中央自動車道経由、岐阜県の東海北陸自動車道・白鳥ICで降りて、国道158号を九頭竜川沿いに西へ向かい、県境を越えて約90分。関西からは北陸自動車道・福井北JCTより中部縦貫自動車道・勝山ICで降りて市内経由で約10分。見通しのよい郊外の町なので市内でも道はわかりやすい。

道路沿いにある「水芭蕉」の看板

市内に入ると、「水芭蕉」と書かれた看板をいくつか見ることができる。市街地を抜けて石川県への県境へ向かう国道157号に入ってすぐ右手に「水芭蕉」がある。

写真右手に写る建物を目印に、左の道路を進む

「水芭蕉」の敷地内に入って、駐車場へつながる通路の左手に見える林の中がキャンプ場。桜並木や広葉樹に囲まれた広いスペースにテントサイトが2つある。まずは駐車場へ車を停めて、温泉施設の受付でキャンプ予約の旨を伝えると、スタッフがテントサイトや設備をひと通り案内してくれる。広々とした敷地に2サイトのみなので、静かにキャンプしたい人には最高だ。

駐車場の先には、平屋の温泉施設がある

広葉樹が目隠しになってキャンプ場らしい空間を演出

温泉施設の入口には恐竜画がデザインされている


【テントサイト】雨や風でも安心!全2サイトは貸し切りも可能

テントサイト1区画7.5×5.5メートル。1サイトは5名まで

サイトには細かい砂利を敷き詰めてあるので、雨天時でも水はけがよく、ぬかるむ心配は無用。さらに四隅にはアンカー用のコンクリートブロックや、丸太などいろいろと気の利いた物も置かれていて自由に利用できる。

カラビナをアンカーに引っかけるなどすれば、ペグ打ち不要でテントが風で飛ばされる心配もない

「実はスタッフの予想を超える人気具合で、関東や関西の方がよく利用してくださいます。この前、2サイトを貸し切りされたお客様で、広葉樹の幹にイルミネーションをくくりつけて、夜には素敵な光が灯されているグループもありました。あんな使い方もできるんだな、とお客様からいろんなことを学ばせていただいています」と話してくれたのは、ベテランスタッフの百足(むかで)直子さん。

「テント道具のレンタルなどはありませんので、自慢のテントギヤをお持ちいただき、存分に使ってください」(百足さん)

全2サイトが両方空いていた場合は、1組でも2サイト分の予約が可能。つまりキャンプ場全体を貸し切ることができる。貸し切りにした場合に限り、ワンちゃんも同伴OK!

取材したこの日も貸切されたサイトにはワンちゃんたちが!


春は桜並木、秋には紅葉に囲まれた静かな環境で、ぼーっと山を眺めて過ごすだけでも四季が移ろう自然の息吹を感じることができる。愛犬同伴なら野原や林を散歩したりして、飼い主共々ゆったりと過ごすことができるだろう。

テントサイトの目の前には広場が広がる


【ユーティリティ】エアコンや大型冷蔵庫完備の自炊棟が超便利!

このキャンプ場の特徴のひとつが、サイト横に自炊棟が設置されていること。内部には大きいシンクの洗い場、鏡の付いた洗面台、ゴミ箱などがあり、ゴミは回収もしてもらえる。さらに家庭サイズの大容量冷凍庫も完備!これを利用するならクーラーボックスはもはや不要というわけだ。

プレハブの自炊棟

炊事棟の中の様子

コンセントももちろん備わっていて、携帯電話やバッテリーの充電などにも使用可能。エアコンもあるので、夏や冬にも快適に調理の準備などを行うことができる。炊事棟の窓をあければ外にいるテント仲間と会話を楽しむことも。キャンプサイトの敷地から用水路の橋を渡ってすぐのところにトイレもあり、脱衣所も備えているので便利。

洗い物をしながらキャンプ場の様子を眺めることができる

夜には街灯がつくが、トイレに行く際は懐中電灯やランプを持っていくのが◎

トイレの前には自動販売機の設置も

写真の左側が更衣室、右側が手洗い場、奥にトイレがある


【おすすめポイント】アウトドアを満喫したあとは天然温泉でリフレッシュ

お肌がつるつるになる美肌効果の高い天然温泉で癒されよう

テントサイトの隣には温泉施設があり、8部屋ある宿泊棟にはリーズナブルな価格で素泊まりも可能。利用者の中には、家族でキャンプ場と宿泊施設を両方予約し、焚き火料理で家族団らんをしたあとは、お父さんはそのままテント泊、家族は宿泊棟へ…という使い方をする人もいるとか。寝袋などが苦手でベッドで寝たいという仲間とも気軽にキャンプが楽しめるのだ。「空室があれば、急な悪天候で宿泊に切り替えることも可能です」と百足さん。キャンプで一番困るのは急な天候の悪化なので、宿泊への切り替えができるというのはなんとも心強いポイントだ。

琉球畳のモダンな和室タイプ

温泉施設には、カフェ・売店・休憩所・自動販売機・トイレがありキャンパーも利用可能。越前そば・ソースカツ丼などのご当地メニューが提供されているカフェや、お土産・お菓子類・飲み物・軽食などがそろう売店もある。また、一角にはハンズのサテライトショップもあり化粧品なども購入できる。

温泉センター内観。フリーWi-Fiも完備

カフェは窓から光が差し、開放感もバッチリ

カフェは食券スタイル

入浴後にひと休みしたい時は、こちらの畳の休憩スペースで


【楽しみ方】便利かつ高い自由度が魅力!何度も利用したくなるキャンプ場

これだけ便利な設備が充実しているキャンプ場ながら、静かな広いスペースを存分に使いつつ自由なスタイルでキャンプできるのがこちらの魅力。今回貸し切りで滞在していた利用者の方に「水芭蕉」の楽しみ方を伺った。

愛犬たちと初めてのキャンプに来たという清水さん

「犬を飼っていると、ペット可のキャンプ場でも周囲に気を遣ってしまって、なかなか落ち着かないんです。そのため、デイキャンプ利用がほとんどで慌ただしく過ごすことが多いんですよね。ここなら仲のよいワンちゃん仲間同士で貸し切り利用にして楽しめそう」と話してくれたのは、石川県加賀市からお越しの清水真紀さん。愛犬は全員トイプードルでみんな仲良し姉妹弟だという。「今回はベテランキャンパーの友人と一緒に来ました。彼女のサポートのおかげで交代で温泉に入ることができたり、自分の時間と愛犬との時間を過ごすことができたりして、焚き火や星空、憧れのコットンテントキャンプを体験!明日からの仕事も頑張れそう」と笑顔で語ってくれた。

自然の中のお散歩も楽しそう ※テントサイト内では、ワンコは要オムツ着用

友人のキャンパーが設置してくれたテントは憧れのティピータイプ

テント設営の後は、焚き火の準備。火の用意ができたら、リンゴやサツマイモをぬれたキッチンペーパーで包みアルミホイルを巻いて火の中へ。続いて、冷凍ピザの上に好きな具材を追加してのせたピザを焼いていく。火加減は難しいが、上手にマキの位置を動かしたり、フライパンを動かしたりして火力調整。

最初は火がつきやすいスギなどの針葉樹から着火

冷凍ピザも焚き火で焼けば、こんがりホカホカ、いい香り!

持ち寄った食材で、野外ならではのスモークや焚き火料理を堪能

ワンコを湯たんぽがわりに抱っこしながら、夕食を楽しむおふたり

夕食後はワンちゃんたちを交代で見ながら、天然温泉を利用。作業の疲れもすっかり癒やされて、湯冷めしないようにしっかり防寒をしながら星空を見ながら就寝までまったりと過ごしたそう。普段より飼い主さんたちとピッタリくっついて一緒に寝られて、ワンちゃんたちも幸せそうにグッスリだったとか。

焚火を囲みながら語らう時間も幸せなひととき

空には満天の星空が美しく輝いている

翌朝テントを撤収したあと、温泉施設が開館したらもう一度入ったり、カフェで福井名物のソースカツ丼や越前そばを堪能したりと、いろいろな楽しみ方がある「水芭蕉」。周辺には恐竜博物館のほか、少し足を伸ばせば永平寺など、観光資源も豊富だ。“行きつけのキャンプ場”にしたくなる便利さと自由さ、自然の絶妙なバランスが最大の魅力といえるだろう。

福井に来たら、地元名物の「越前そば」はぜひ!


【早見表】施設の基本情報

取材・文・撮影=清水梅子、上腰正也(Lacofilms)