『Shadowverse』大学生リーグの舞台裏、運営統括を務めた学生スタッフが語る“大会運営の難しさ”そして“成長”

2023年3月12日

『Shadowverse』の大学生チーム対抗戦「Shadowverse University League」年間王者決定戦「GRAND FINALS」撮影:ソムタム田井

2023年2月4日、デジタルカードゲーム『Shadowverse(シャドウバース)』の大学生向けリーグ「Shadowverse University League(シャドウバース大学生リーグ)」の年間王者決定戦「シャドウバース大学生リーグ 22-23 GRAND FINALS」が都内にて開催。22-23 Seasonにて優秀な戦績を収めた4校が会場に集結し、激戦をくり広げた。

そんな同イベントは、出場選手だけでなく、運営するスタッフにも大勢の学生が参加している…という点も、特徴的なポイントのひとつ。本記事では「GRAND FINALS」において制作のリーダーを務めた法政大学・3年生の真木拓海さんにインタビューを実施。運営を体験したことで得られた「気づき」や、さまざまな問題をどのようにして解決したのか?など、各種質問に答えてもらった。

優勝を果たした、京都大学シャドバサークル(京都大学)撮影:ソムタム田井


大会運営を通して、さまざまなスキルが身につきました


――真木さんの『Shadowverse』原体験を教えてください。

2019年に開催された「Shadowverse World Grand Prix 2019」という大会を現地観戦したことです。実際に会場の熱気や規模感に触れ、自分も『Shadowverse』を盛り上げることに貢献したいと思うようになりました。

――大学生リーグの運営に関わろうと思った理由は?

元メンバーの先輩から勧誘されたことがきっかけでした。『Shadowverse』が好きなことと、学園祭の実行委員など学生主体で動くプロジェクトが好きなことから、大学生リーグの実行委員に応募しました。

――大学生リーグ運営のどの部分を担われたのでしょう?

「GRAND FINALS」の企画・運営統括を担当しました。学生全体で企画を立案し、Cygamesや外部の企業の方々と連携を取りながら企画を実現させていって。制作物の進行管理や参加のフックとなる来場者特典の考案、学生の交流の場となるアフターパーティーの運営も主導しました。また当日は、学生ジャッジ対応を含む学生のシフト管理も行いました。

「GRAND FINALS」の大会現場でジャッジの対応をしている学生実行委員

大会現場で実際に対応をしている学生実行委員撮影:ソムタム田井


――大学生リーグ運営には、何名ほどの学生さんが関わられているのでしょう?

学生実行委員会のメンバーは10名になります。

――大学生リーグの運営に関わった期間は?

2022年6月~2023年2月なので、約9カ月間ですね。

――大学生リーグの運営を体験し、どのような「気づき」がありましたか?

『Shadowverse』競技シーンに対する選手たちの熱量が想像以上でした。それぞれが「趣味」という表現では収まりきらないくらい熱い思いを持っていることと、その熱量を持った選手がこんなにも大勢いるんだ…ということに気づかされました。

また、選手間の交流の場を用意することができれば、積極的にコミュニケーションを取ってもらえることも、今回、運営に携わったことで気づけたポイントの一つです。アフターパーティーの会場では、違うチームの人と交流している選手が多く、今後も交流の機会を提供する必要があると認識しました。

社会人チームと打ち合わせをする大学生の姿も撮影:ソムタム田井


――大学生リーグの運営を経験し、自身がいちばん成長したと感じる部分は?

仕事をするうえで必須となるスキルが身についたと感じます。具体的には、他メンバーへの情報周知と確認を徹底し、スケジュールと進捗を確認しながらタスクを進めること。イレギュラーが起きたらすぐに報告し、相談したうえで対応策を考えること。目に見える部分ではないですが、これらが大学生リーグに関わる前の自分と比べて、新しく身についたスキルだと思います。

――大学生リーグの運営でどのような「難しさ」がありましたか?

初めてのオフライン開催となり、過去事例を参考にできないなか企画を立て、そしてそれを実現することが難しかったです。

――上記の「難しさ」をどのようにして突破・解決したのでしょう?

ほかのeスポーツタイトルのオフライン大会を参考に、いい部分をピックアップして解決しました。企画段階はもちろん、実際に動き始めてからもCygamesの方からのフィードバックをいただけたのはありがたかったですね。それを自分のなかで噛み砕いて考え方を吸収することで自己成長し、企画と運営に役立たせることができたと思っています。

高度なプレイが披露されるたびに、客席からは歓声が上がった撮影:ソムタム田井


――今大会の運営を終えての感想は?

自分で考えた企画をこれほどの規模感で実現できたことと、それを選手や観客の方に楽しんでいただけたことに達成感を覚えています。来年以降も大学生リーグの1年の集大成として「GRAND FINALS」をオフライン開催し、学生間交流の場を作っていきたいです。

――今後、『Shadowverse』とはどのように関わっていきたいですか?

コミュニケーションを取りやすいという『Shadowverse』の特性を活かして、コミュニティを作っていきたいです。実行委員会としての活動を続けることで、大学生リーグの参戦チームを増やし認知度を上げ、『Shadowverse』を共通の趣味とする学生が集うきっかけ作りができれば嬉しいです。

取材・文=ソムタム田井

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