【スト6のマスターリーグ最下層をエンタメ化】格ゲー配信者・修行僧さんと巡った格ゲーマーの“文化祭”「EVO Japan 2024」振り返りレポ!

2024年5月19日

熱気に包まれる対戦会場。試合後に拍手や歓声が起きる場面も

2024年4月27日から29日までの3日間、東京・有明GYM-EXで開催された国内最大規模の格闘ゲーム大会「EVO Japan 2024 presented by ROHTO」(以下、EVO Japan 2024)。メインタイトル7作品でし烈な戦いが繰り広げられたのはもちろん、企業ブースや有志によるサイドイベントが会場を盛り上げ、さながら“格ゲーファンの文化祭”の様相を呈していた。

最終日の29日は「GUILTY GEAR -STRIVE-」「TEKKEN 8」「ストリートファイター6」(以下、スト6)の3タイトルでFINALSを実施。3日間の大トリを飾った「スト6」部門では、エントリー数5089人の中から勝ち上がったKakeru選手(JP)とMenaRD選手(ブランカ)がグランドファイナルを戦い、MenaRD選手が3-0で勝利。栄えある優勝を飾った。

今回、「EVO Japan 2024」でスト6のメイントーナメントにプレイヤーとしても参戦した人気ユーチューバー・修行僧さんと巡った初日を振り返るととも「EVO」への思いを聞いた。

YouTubeチャンネル登録者数3.7万人(2024年5月19日現在)の修行僧さん。「スト6」を愛し、マスターリーグの“最下層”という魔窟で死闘を繰り広げている


プロとの対戦・サイン会や新作ゲームの試遊、ファン同士の交流で大盛り上がり


初日となった4月27日、編集スタッフとの合流前に「EVO Japan 2024」の会場内を散策したという修行僧さん。オン・オフを含めて格ゲーの大会に出るのも初めとのことで「他の方の対戦を見ているだけで本当に楽しいです」と、格ゲーファンとして興奮を隠せない様子だった。

そんな修行僧さんが注目していたブースの一つが、キディヤ・ レジェンド・ラウンジ。初日は梅原大吾選手、ときど選手をはじめとするトッププレイヤーのサイン会や、プロとの対戦会が催され、ギャラリー席はもちろん満席。ブースの外にも黒山の人だかりで、修行僧さんは「梅原さんのサインがほしかったんですが間に合いませんでした」と残念がっていた。

格ゲー界のリビングレジェンド・梅原大吾さんのサイン会も実施されていた

キディヤ・ レジェンド・ラウンジ


次に向かったのはSNKブース。「餓狼伝説シリーズにはすごい思い入れがあるんです」と話す修行僧さんにとって、初試遊ができる「餓狼伝説 City of the Wolves」は見逃せない。しかし、根強い人気を誇るタイトルだけに、ブース前には行列とともに“試遊120分待ち”の掲示が。この後にメイントーナメントの出場を控える修行僧さんは「くーー!しまったぁ!」と、がっくりと肩を落とすのだった。

「しまったぁ!」試遊の人気ぶりに涙を呑む修行僧さん


リアルでは初めて出会う人も……交流の場としての「EVO Japan」

会場となる有明GYM-EX。朝8時30分の時点で入場待ちをする長蛇の列ができていた


また、お目当てのブースへ移動する途中にプロ格闘ゲーマー・立川さんと遭遇。立川さんは修行僧さんの配信も見ているそうで、修行僧さんは「プロが目の前に普通にいるんですよね。こんな機会があるなんて」と驚きを隠せない様子だった。

会場内でプロ格闘ゲーマーの立川さんに遭遇


会場内には格ゲーキャラのコスプレイヤーもいて、大会を盛り上げていた。スト6の新キャラクター・A.K.I.に扮していた新人声優のひろと ひろさんはそのクオリティの高さで周囲を魅了。すれ違う人からは「完成度高い」「気合入ってる」との声も聞かれた。

A.K.I.のコスチュームに身を包んだ新人声優・ひろと ひろさんと記念撮影!ファン同士の交流の場に

「ストリートファイター」ブランカの見事なコスプレを披露した千葉如水さん


一方の修行僧さんは、来場者から「修行僧さんですか…?」「サインください!」と声をかけられる場面も。格ゲー文化を愛する人たちが一堂に会するイベントだけに、ファン同士のコミュニケーションの場としても盛り上がりを見せていた。

そして、主役は会場のいたるところで繰り広げられる対戦だ。メイントーナメントはもちろんサイドイベントとして有志のコミュニティが主催する対戦会や大会にも多くの参加者が集まり、ギャラリーが取り囲む様は超巨大なゲームセンター。修行僧さんもあちこちで足を止めては、格ゲーマーに伝わる観戦作法「ベガ立ち」で試合の趨勢を見守っていた。

【名場面】古より格闘ゲーマーに伝わる観戦作法「ベガ立ち」で試合の趨勢を見守る修行僧さん


修行僧さんに聞く!「EVO Japan 2024」インタビュー

ゲーム筐体を取り囲む人、人、人

各タイトルの対戦用の筐体が並ぶ会場内の風景

メインステージに映し出される白熱の戦い


――「EVO Japan」に参加した理由を教えてください。

【修行僧】格ゲー民にとって「EVO」は、「CAPCOM CUP」に並ぶ憧れの大会です。これまでは配信を見るだけでしたが、「スト6がおもしろすぎた」こと、「初めてオフライン大会に参加してみよう」と思ったこと、「自分がストリーマーとして認知されはじめた」こと、これらのタイミングが合致したのが一番の理由です。

――参加してみての感想は?

【修行僧】正直、ちょっと泣きかけました。ラストの3日目に豪鬼の新トレーラーが発表されましたが、そのときの会場の盛り上がりが地鳴りのように凄かったんです。自分も興奮しましたが、このワクワクとドキドキを同じように感じている人が周りにいるという“連帯感”と“共感”に触れ、「同じ思いを持った人がこんなにいるんだ」と思うとウルっときちゃって…。これって、一人で配信しているだけでは絶対に味わえない、格ゲーイベントならではの“熱狂の共感”だと思いました。

――修行層さんといえば、“地獄の一丁目”と言われる「マスターリーグの最下層」をエンタメ化した功績があると思います。

【修行僧】格ゲーって負けると落ち込んじゃうし、ストレスで辞めちゃう人もいます。でも視聴者からの「最下層でマッチングするのが目標」というコメントも増えていて、みなさんのモチベーションになれていてうれしいです。

――配信では「最下層カップ」のお話も出ていますね。

【修行僧】以前から声をかけている人もいたり、最近になって配信を見て声をかけてくれている人もいたりするので、近いうちに実現したいと思っています。レート的には1200以下が基準になるとは思います。マスターリーグがちょっとつらくなっている人に向けて、プレイするモチベーションになれたらなと思います。

取材協力:修行僧さん