アメリカ・ラスベガスで7月20日から22日まで開催された格闘ゲームの世界大会「EVO 2024」。メインの競技種目8タイトルの中で、「ストリートファイター6」部門ではアメリカのPunk選手が優勝し、日本勢ではももち選手(4位)、ネモ選手(5位タイ)の2人がTOP6まで勝ち残った。
ウォーカープラスでは7月24日の午後、帰国直後のネモ選手に独占インタビューを実施。大会を終えての思いや、熱戦となったEVO 2024を振り返ってもらった。
「TOP6で唯一の3キャラ使用」その理由とは?EVO 2024を振り返る
――EVO 2024お疲れ様でした。まずは、5位タイで壇上に登ったという結果への率直な感想をお聞かせください。
【ネモ】ここまで勝ち上がることができると思っていなかったので、素直にうれしいですね。2023年は壇上前(TOP8)で終わって、今回が久々の壇上だったので単純にうれしいって感じです。
――壇上にはももち選手も残りました。X(旧Twitter)では「EVO TOP8いる時に大体ももちがいる」と投稿されていました。
【ネモ】それはもうたまたまでしかなくて。「ももちが壇上いる時に自分もいることが多いね」というだけで、あんまり深い意味はないです(笑)。
――今回のEVOではJP、ブランカ、ベガの3キャラを使用されていました。
【ネモ】EVO Japan 2024でも3キャラだったんですけど、ブランカもベガもシーズンが変わってから使い出して。ブランカは前回のCAPCOM CUPが終わってからなので大体3カ月、ベガは実装されて1カ月くらい。結局、ベガ一本だと練度の部分でまだ足りていなかったので、そういう意味で「こういう相手が来たらJPを使う」と、状況や相手キャラに応じて今まで使っていたキャラを使うことを決めていました。
――「スト6」の現状では、全キャラに対応できる“超万能キャラ”はいないとされています。今後、複数キャラを使いわけることが重要になってくるのでしょうか。
【ネモ】そうでもなくて、ある程度万能なキャラであれば1つのキャラでいけると思います。実際、今回のEVOを見ても、TOP6で複数キャラを使っていたのは自分だけかな?自分の使っているキャラは結構尖った性能のキャラが多いので、複数キャラを使用するしかなかった感じです。
Menaには「大会」でも「野試合」でも一回も勝てなかった
――EVO Japan 2024で優勝したMena選手をネモ選手が撃破し、SNSも大盛り上がりでした。
【ネモ】前作のストリートファイターVから今まで、Menaには大会でも野試合でも1回も勝ったことがなかったんです。「本当にこの人には勝てないんだろうな」という思いがある中でMenaとぶつかることになって、「ここで終わったかな」と思っていたところを勝てたので、それで勢いに乗って壇上(TOP6)まで行けたのかもしれません。
――勝因となったと思う部分は?
【ネモ】Menaには新キャラクターのベガで挑んだので、向こうの対戦経験が浅かったんじゃないかと思います。本来なら、今Menaが練習しているザンギエフを被せてきたりしたと思うので、そういう意味では出始めのキャラクター(ベガ)だからこそ、対策不足をつけたかなと思います。
チームで臨むSFL、個人で臨むサウジ、それぞれの意気込み
――今回のEVOで苦しかった場面は?
【ネモ】そういうのはまったくありませんでした。逆に、今回携帯用枕を持ち込んでいて、すごく快眠できたんです。今まで枕が変わって眠れないというのが結構あったので、それが解消されて結果につながったかなとは思いました。今後もeスポーツ選手として、枕はいいもの持っていこうと思います(笑)。
――Saishunkan Sol 熊本のメンバーは、ネモ選手(5位)とふ~ど選手(9位)が一桁順位、ウメハラ選手(33位)、ひぐち選手(65位)も二桁順位とチームとしても好成績だったと思います。この結果への感想は?
【ネモ】試合内容を見ていないのでまだ何とも言えないんですけど、勝った、負けたという成績自体はたまたまなところもあったりするので。みんな一生懸命取り組んでやっているので、成績だけでどうこうというのはまったくないですね。
――個人としては5位ということで、8月からのSFLへ弾みがつくものになりましたか?
【ネモ】個人的には、“自分に自信を持てていなかった”タイミングでこうやって結果を残すことができて、それは素直にうれしいです。周りからの信頼も得られた気がするので、今後はチームメイトとSFLにどう挑んでいくかを取り組んでいきたいです。
――先日熊本県で開催された「SS熊本ファンミューティング」では、勝つことで自信や信頼が生まれていくとお話しされていて、まさに有言実行だと思いました。
【ネモ】それに関しては、個人ではなくチームとして「SFLでの勝つ」ことが大事だと思っています。EVOは個人戦なので、SFLでは“チームとして勝つこと”を目標にしたいなと。
――個人戦という点では、サウジアラビアでの「Esports World Cup 2024」の LCQ(※当日予選枠)に出場されると聞きました。
【ネモ】LCQでは4人が通過できるということで、このまま勢いに乗れればいいなと思います。予選通過を目指して頑張ります!
取材協力:SS熊本 ネモ選手