いぶし銀・翔選手「6節のSS熊本戦に0-40で敗れ、チームも自分も変わった」【ストリートファイターリーグ・プレイオフ直前インタビュー】

2024年12月21日

「FUKUSHIMA IBUSHIGIN」の翔選手に決戦直前インタビュー

現在開催中の『ストリートファイター6』トッププレイヤーたちによるチーム制のリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」(以下、SFL)。2024年12月21日、22日(日)には、リーグ優勝を決めるプレイオフが開催予定。これに先駆けてファンダムプラスでは、リーグSで2位となり、プレイオフに出場するチーム「FUKUSHIMA IBUSHIGIN」(以下、いぶし銀)の翔選手にインタビュー取材を実施。


本日(12月21日)行われる、リーグS・3位「Saishunkan Sol 熊本」(以下、SS熊本)戦への意気込みや、今シーズンのターニングポイントになった出来事などを聞いた。

SS熊本の“チーム力の強さ”から多くのことを学んだ


――プレイオフに向けての意気込みを教えてください。

【翔】いぶし銀としてリーグ参戦が決まったときから言っていることなんですけど、「初出場で初優勝」を目標に掲げているので。プレイオフはその通過点として乗り越えていきたいと思っています。

――いぶし銀の強みや特徴をどのように考えていますか?

【翔】メンバー全員の年齢が近いということもあって、上下関係がなくて。なんでもフラットに意見を言い合えるチームだと思います。

「FUKUSHIMA IBUSHIGIN」の4人(右からヤナイ選手、翔選手、ササモ選手、cosa選手)


――対戦相手のSS熊本で注目している相手はいますか?

【翔】どなたも強い選手なので、特定の一人を挙げるのは難しいですね。チーム全体に対しての意見になりますが、以前、SS熊本と戦って感じたのは「チーム力の強さ」でした。インターバルの使い方がうまいといいますか、メンバー全員が結束して、プレイしている選手をほかの3人でしっかり支えるという。SFLならではの戦い方を編み出して、それがうまく機能していたのが印象的でした。

――プレイオフを今回初めて観る人に向けて、自分のプレイスタイルの特徴をわかりやすく説明すると?

【翔】ひと言でいうと「制圧する戦い方」だと思っています。昨年の大会でJPを使いながら、そのスタイルが自分にはいちばんしっくりくるなと感じました。自分でも自信のある“対応力”を活かして、「何を仕掛けても対応される。何もできなくなる……」という心理に追い込むプレイスタイルですね。

――2024シーズンの中で、自身の成長を感じたターニングポイントはありますか?

FUKUSHIMA IBUSHIGINのホーム・飯坂温泉から世界を狙う翔さん


【翔】第1節と第6節、つまり前半節と後半節のいちばん最初の試合ですね。そこでSS熊本と対戦したことがターニングポイントだと思っています。先ほども触れましたが、SS熊本の「チーム力の強さ」を、身をもって体験できたことが本当に大きくて。その節以降の戦い方、戦略の立て方においてもすごく影響を受けたので、あのタイミングでSS熊本と当たれたことは幸運でした。

――吸収できる部分、参考になる部分が多かったと?

【翔】そうなります。

――ササモ選手にインタビューした際、SS熊本に6節で敗れたあと、チーム内で意見をぶつけ合って「そこがターニングポイントになった」と言っていました。

【翔】いぶし銀のメンバーはなんでも言い合える仲ではあるんですが、仲が良いからこそ「遠慮する」部分もあったんだと思います。6節でSS熊本に0-40で敗れ、もう後がないというなかで「みんなの本音をぶつけあった」のはシーズンを通したターニングポイントのひとつだと思います。

――翔選手にとっても、チームとしても6節のSS熊本戦が「節目」だったことがよくわかりました。そのSS熊本とプレイオフで当たるというのも因縁めいていて、見る側としてもその点に注目したいと思います。

対戦相手の使用キャラを使って立ち回りを学習


――プレイオフに向けてどのような練習や準備を行ってきましたか?

【翔】幸か不幸か、今回は「CAPCOM Pro Tour 2024 ワールドウォリアー」の開催が延期になったことが非常に大きいですね。そのぶん、SFLの練習に時間を割けたので、これまで試したことのない新しい練習方法にも取り組んでいます。

――それはどのような練習なのでしょう?

【翔】僕はもともとキャラクター選びにこだわりがなく、どのキャラでもスムーズに使えるところが強みだと思っているので。対戦相手の使用キャラを使い、とことん練習することで、そのキャラの癖や得意な立ち回りを理解する練習をしています。実際に自分で操作することで、「何をされたら嫌か?」や、「どういう立ち回りをしたいか?」が具体的にわかってきたので、試合で活かしたいですね。

――試合前のルーティンやジンクスはありますか?

【翔】食事を意識していて。数日前から油ものなどを減らして、炭水化物メインの食事をするようにしています。大会当日までエネルギーを蓄えて、試合で一気に出しきる感じですね。メンバーのcosaがアスリート出身なので、そこから影響を受けているんだと思います。スポーツの考え方なので、それがゲームにも通じるのかはわからないんですけど、自分としてはそれがしっくり来ていて。今年に入ってからですけど、ルーティンとして取り入れています。

――プロプレイヤーとしての今後の目標や、挑戦したいことを教えてください。

【翔】SFL以外の大会では、「CAPCOM CUP」に出場したいですね。そちらでの優勝が目標です。それ以外では、今年はSFL初参戦ということで試合に専念していて、あまり海外に行けなかったので、来年は海外遠征をどんどんこなしたいですね。あと、個人配信も定期的に行いたいなと考えています。

――最後に、ファンの皆さんに向けてのメッセージをお願いします。

【翔】2025年はさらに精力的に活動していきたいと思っていますので、引き続き応援していただけると嬉しいです。

文=ソムタム田井

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