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近年「記録的猛暑」や「過去最高の猛暑」という言葉をよく耳にするようになってきた。特に2023年は「統計開始以降、最も暑かった夏」と呼ばれたが、2024年はさらに昨年を上回るとさえ言われている。気象庁によると全国の真夏日(気温30度以上)の年間日数は年々増加しており、1910年の統計当初の30年間と、近年の30年間を比較すると真夏日は約1.2倍に増加。同じく猛暑日(気温35度以上)は約3.8倍に増加している。暑すぎる夏は困りものだが、イベントや外遊びが楽しいシーズンでもあるので、熱中症対策をしっかりして楽しい夏を過ごしたい!
そもそも熱中症とは…?
熱中症とは気温や湿度が高い環境下で体温の調整がうまくいかなくなり、どんどん体内に熱を溜めこんでしまうことで起きる症状である。汗腺が発達していない子どもは体温調節が難しく、熱中症になりやすい。乳幼児には特に注意が必要だ。同様に高齢者も加齢により体温調節が難しくなっている。若年者よりももともとの体内の水分量が少なく、温度に対して感覚が弱くなっているため、自覚しないうちに熱中症に陥りやすい。
熱中症とは具体的にどんな症状なのか?
熱中症は体内の水分が減少し、血流も低下することで筋肉や脳、内臓に十分な血液が行きわたらなくなることで、さまざまな症状が出てくる。熱中症で見られる主な症状は以下の通りである。
【軽度の症状/第1段階】
・めまい、たちくらみ
・足がつる
・顔のほてり
・大量の発汗
【中度の症状/第2段階】
・頭痛
・不快感、倦怠感
・吐き気、嘔吐
・筋肉のけいれん
【重度の症状/第3段階】
・まっすぐに歩けない
・倒れる
・意識障害、けいれん
熱中症を疑う症状が出たらどうしたらいい?
外出先の場合はなるべく涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて安静な体勢をとること。うちわや扇子で体に風を送ったり、水分や塩分の補給も行おう。その際、水は一気に飲まずに、少しずつ飲むようにして。体を冷やす保冷剤や氷、濡れたタオル、冷却スプレーなどがあれば、脇の下や首元に当てて冷やそう。自分で水が飲めなかったり、倦怠感が強くて動けなかった場合、また上記の重度の症状に当てはまる場合は、迷いなく救急車を呼ぶようにしよう。
最近の猛暑対策グッズってどんなものがある?
熱中症は炎天下で起こるものとは限らない。直射日光は当たらない室内や就寝中の夜間にも起こりうる症状だ。そこで、前半では室内で活躍しそうなアイテムを紹介!さまざまなグッズを駆使して、涼しい快適空間を作り上げよう。後半では、おでかけ時に活躍すること間違いなしの猛暑対策グッズやひんやりグッズが登場。キャンプやバーベキューなどのイベント時に活躍しそうなアイテムまでそろっているのでぜひご覧あれ!
【快適空間で過ごそう!室内グッズ編】
温湿度計/熱中症アラーム/アラートバンド
室内で熱中症になるという話をよく聞く。冷房の効いた部屋で過ごしていたにも関わらず熱中症になるのは湿度が原因と言われている。湿度が65%を超えると熱中症への警戒が必要となるため、室内には温度計だけでなく湿度計も置いておこう。また近年は、腕時計型のアラートバンドも登場し、音・色・振動で危険を通知してくれる。屋外での作業時に便利なアイテムだが、温度や湿度に対して感覚が弱くなっている高齢者はいつでも身につけておくと安心だろう。
サーキュレーター/扇風機
冷たい空気は下にたまりやすいため、冷房を適温に設定していても足元ばかりに冷気が行ってしまう。電気代の節約でサーキュレーターや扇風機の併用が注目されているが、熱中症対策としても有効なので併用しよう。特に冷気が行き届きにくく熱中症を起こしやすいキッチンなどへ風を送るように配置すると効果的だ。
クール入浴剤
発汗には「体の温度を下げる」という大切な役割があるため、日ごろから適度な運動で汗を流しておくと熱中症にかかりにくい。しかし毎日の運動はなかなかハードルが高い…という人におすすめなのが入浴。熱いお湯につかる必要はなく、38度くらいのぬるめのお湯にゆっくりつかればOK!ひんやり冷感を感じられる入浴剤を使えば、入浴中だけでなく湯上がりもクールに!
ハッカ油
「ハッカ油?何ソレ?」という人も多いだろう。ハッカ油とは「ハッカソウ」というミントを乾燥させて抽出した植物油のこと。このハッカ油で手軽に清涼スプレーを作り、体にシュッとひと吹きしてみよう。ハッカ油は蒸発するときに周囲の熱を奪う性質もあるため体感温度をすっと下げてくれる。また、マスクに吹きかけたり、ルームスプレーとして使ったり、お風呂に垂らしたり…と活用範囲も広く、夏のイヤ~な虫除けとしても有効的!