【星野リゾート】重要文化財「旧奈良監獄」が「奈良監獄ミュージアム」として2026年4月27日に開館!コンセプトは“美しき監獄からの問いかけ”

2025年12月1日

「旅を楽しくする」をテーマに、旅の目的や過ごし方に合わせた滞在を提案する星野リゾートは、重要文化財「旧奈良監獄」の保存活用事業として、2026年4月27日(月)に奈良県奈良市で「奈良監獄ミュージアム」を開館する。

旧奈良監獄 表門


旧奈良監獄は、明治政府によって計画された五大監獄(※1)のうち、唯一現存する貴重な建築物。奈良監獄ミュージアムは、この歴史的建造物の保存を担うとともに、その建築美や歴史的価値を未来へと継承していくための拠点となることを目指す。コンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」。訪れる人が、自らと対話し、生き方を見つめ直すきっかけを提供する、新たなミュージアムのあり方を目指している。

※1:明治五大監獄とは、明治期に竣工された五つの監獄のこと。1901年に建築がスタートした旧奈良監獄を皮切りに、「長崎監獄」「金沢監獄」「千葉監獄」「鹿児島監獄」が次々と竣工された

旧奈良監獄とは

旧奈良監獄は、1908年(明治41年)に近代化を目指した国の一大プロジェクトとして誕生。設計者は、数多くの裁判所や監獄の建設に関与した山下啓次郎(けいじろう)さん。1946年(昭和21年)には「奈良少年刑務所」と改名し、社会復帰と更生教育を重視する矯正施設として貢献した。その後、歴史的価値と美しい建築の意匠が高く評価され、2017年(平成29年)に、国の重要文化財に指定されている。

【写真】旧奈良監獄の上空写真(平成31年時点)


敷地内における事業展開について

旧奈良監獄の敷地内では、奈良監獄ミュージアムと付帯のホテル事業を展開。ミュージアムは、第三寮や看守所など、当時の状態を残した「保存エリア」に加え、3つの展示棟、またカフェとショップが併設された「展示エリア」に分かれている。

コンセプト「美しき監獄からの問いかけ」について

奈良監獄ミュージアムでは、明治時代における近代化の背景と美しい建築とともに、監獄という「規律」が支配する空間での「問いかけ」を受けて、自由について考えを巡らす体験を提供したいという思いから、コンセプトが「美しき監獄からの問いかけ」に決定した。

展示エリア(イメージ)

外観


奈良監獄ミュージアム、3つの特徴

(1)建築そのものが最大の展示物

旧奈良監獄の最大の特徴は、西洋の装飾様式を取り入れた建築。そのたたずまいには、重厚さと美しさが際立つ。敷地内の赤レンガは、当時の被収容者が刑務作業の一環として職人とともに作り上げ、室内は天井から光を取り入れた明るい空間で、人権を配慮したデザインが実現されている。奈良監獄ミュージアムに訪れる人は、建物美とともに、空間の中に刻まれた歴史の息遣いを感じることができる。

外観

中央看守所


(2)世界的クリエイターが監修、アートディレクションを担当

星野リゾート初のミュージアム事業の展開、また、監獄というテーマを深く掘り下げる施設の設立にあたり、世界で活躍するクリエイターに参画を依頼。「旅を楽しくする」をテーマにした星野リゾートとクリエーター、それぞれの専門性を活かした表現により、この場所が持つ本質的な価値を伝える、唯一無二のミュージアムが誕生。

アートディレクター:佐藤卓さん/TSDO
東京藝術大学デザイン科卒業、同大学院修了。「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」のパッケージデザインをはじめ、ポスターなどのグラフィック、商品や施設のブランディング、企業のCIを中心に活動。NHK Eテレ「デザインあ」「デザインあneo」の総合指導、21_21 DESIGN SIGHTディレクター兼館長を務め、展覧会も多数企画・開催。京都芸術大学学長を務める。毎日デザイン賞、芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章ほか受賞。

佐藤卓さん


【制作にあたって メッセージ】
魅力的で貴重な建築として残る奈良監獄をミュージアムにするという企画のおもしろさにまずひき込まれました。私が長年取り組んできたデザインの視点で物事を解剖する手法も取り入れながら、時間を掛けて内容を詰めてきました。罪と罰を考察すると、自由とは何かという深い世界にも触れることになり、さまざまな角度から試行錯誤を繰り返してきました。そして現代の刑務所もあるべき姿を模索し続けていることをこの仕事で知りました。来館者の皆様に、さまざまな問い掛けをする展示になっていれば幸いです。

奈良監獄ミュージアム シンボルマーク

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