地獄の主のイメージが強い閻魔大王。実際は地獄と極楽の間にいて、死後の行き先を決める裁判官の一人。地蔵菩薩と同一の存在とも言われ、話に聞くような恐ろしいだけの存在ではない(諸説あり)閻魔大王に会いに行こう。
※本記事は、2023年5月1日発売のムック
「異界Walker」
の転載記事です。
人生をよき方向に導く日本最大級の閻魔大王さま「賢臺山 法乗院(深川ゑんま堂)」(東京都江東区)
1629年(寛永6年)に開創された賢臺山は、江戸時代から地域の人々に「深川ゑんま堂」として親しまれてきた。安置されているのは日本最大級の巨大さを誇る閻魔大王座像。祈願の際にお賽銭を入れると、さまざまな説法が流れるハイテク仕様。本堂1階には「地獄極楽絵」の展示もある。
<閻魔さまDATA 高さ:3.5メートル/幅:4.5メートル/造り:寄木造り>
目を大きく見開いた威厳にあふれる法王像「千本ゑんま堂 引接寺」(京都府京都市)
閻魔法王にも仕えていたと言われる小野篁が開祖の寺院。両隣に「司録尊」と「司命尊」を従えた閻魔法王像が祀られている。普段は扉越しでしか拝めないが、1日数回の昇殿時間には、説明を受けながら間近で拝むこともできる。
<閻魔さまDATA 高さ:2.4メートル/幅:2.4メートル/造り:木彫り>
肩を怒らせたりりしい姿が印象的「六道珍皇寺」(京都府京都市)
「六道」とは地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅(阿修羅)、人道、天道の6種の冥界を指し、人は死後、この六道を輪廻転生。この地が平安時代の鳥辺野葬場への入口に当たることから冥界との接点と信じられてきた。
<閻魔さまDATA 高さ:4尺9寸/幅:5尺8寸/造り:檜造り>
閻魔大王が従える地獄の面々が総出演「海元寺」(福岡県福岡市)
1396年(応永3年)に開山された浄土宗の寺。境内には閻魔大王を祀る「閻魔堂」と、西国三十三所観世音菩薩を祀る「観音堂」の2つのお堂が隣り合っていて地獄と極楽の世界を同時に参拝することができる。
<閻魔さまDATA 高さ:1.2メートル/幅:1.2メートル/造り:木彫り>
江戸庶民に親しまれてきた閻魔像「太宗寺」(東京都新宿区)
正式には「霞関山本覚院太宗寺」という浄土宗の寺院。境内では閻魔像や奪衣婆像が祀られる「焔魔堂」のほか、江戸六地蔵のひとつである「銅造地蔵菩薩坐像」(都指定有形文化財)などが見学できる。
<閻魔さまDATA 高さ:約5.5メートル/幅:約4メートル/造り:漆喰造り>
川中島合戦の戦死者たちを弔う「典厩寺」(長野県長野市)
1561年(永禄4年)、川中島合戦で戦死した武田信玄の弟・典厩信繁と両軍の戦死者を弔った寺院。境内には典厩の墓や川中島合戦記念館など、戦死した武者たちの功績をしのぶ史跡が数多く残る。
<閻魔さまDATA 高さ:約5メートル/幅:約5メートル/造り:顔・木彫り、体・漆喰造り>
極楽往生へと導く宝珠を持つ閻魔大王「紀三井寺」(和歌山県和歌山市)
救世観音宗の総本山で、西国三十三所の第2番札所。2020年2月に観音巡礼道を開く33個の宝珠を持った閻魔大王像が建立された。境内への入口となる楼門横に鎮座し、巡礼者を出迎えている。
<閻魔さまDATA 高さ:3.9メートル/幅:2.8メートル/造り:赤御影石>
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