【マンガでわかる!お金超入門】今さら聞けない!“お金の3つの機能”とは?

2021年8月13日

「お金のことをもっと勉強しなきゃ」「お金の使い方を見直したい」と思いながら、何から手をつければよいかわからない――。そんな“お金超初心者”に、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんが “お金の基本のキ”を教える連載がスタート。アベナオミさんのマンガとともに、これからの時代に知っておきたい「お金の知識」をわかりやすく楽しくガイドします!今回は第2回です。

お金の誕生で生活がスムーズに

毎日の暮らしにはお金が欠かせません。お金を使って、必要なモノ、欲しいモノを手に入れることで生活が成り立っています。そして、モノやサービスには値段が付いています。「そんなのあたり前!」と思うかもしれませんが、改めて客観的に考えてみると、お金があるからこそできることです。もし、お金がなかったら?そもそもモノの売り買いができないし、そのモノやサービスにどれくらいの価値があるのかを示すことができません。


お金ついて、すこし理屈っぽく考察してみると、「価値を測る」という機能があります。「お金にすればいくら」と価値を測って示してあるから、その金額を払うことで、お金との交換でモノやサービスを手に入れることができます。つまりお金には「価値を測る」機能に加えて、「交換の手段」という機能もあるということです。

さらに、特に現代では大事な機能をお金は持っています。貯めることです。お金には「価値を貯める」機能があります。


お金が誕生したことで、様々なことがスムーズに行くようになったんですね。お金は社会を動かす血液とも言われています。

目に見える「モノ」としてのお金から、カタチのないお金へ

暮らしとお金の動きを追ってみましょう。「働いて会社から給料(お金)をもらう」「給料(お金)で税金を払う」「自分のお金を使ってモノやサービスを買って暮らす」「保険料(お金)を払ってイザというときに備える」「給料(お金)の一部を将来のために貯める」「困ったことが起きて国や保険会社から給付金(お金)や保険金(お金)をもらう」「高齢になって国から年金(お金)をもらう」など。イヤらしいほど何度も「お金」「お金」って出てきますが、お金は個人、企業、国や地方自治体の間をぐるぐると回りながら暮らしや社会において様々な役割を果たしています。

それだけ重要なものなので、目に見えないのは不安だし、お互いにお金のやり取りができません。というわけで、お金という概念が始まったころは、貝殻や稲、布などのモノがお金のような役割を果たしていました。その後、硬貨や紙幣が生れました。お金を目に見える形にしたのが、硬貨や紙幣だったのです。そして、いわば紙切れでしかない紙幣の信用度を高めるために、紙幣の発行には価値の裏付けとして国が「金」を保有していた時代がありました。かつてはお金も、目に見える「モノ」として存在していたのです。

ところが現在はどうでしょうか?現金以外にも、電子マネーがあり、クレジットカードでの買い物や、銀行口座を使ったやり取りには現金のお金は必要ありません。インターネット上では暗号資産(仮想通貨)というものまで登場しています。第1回でも書いた通り、キャッシュレス決済がどんどん増えて、数字だけでやり取りするお金の量が膨大になってきています。

100円の価値はどうやって決まるのか?

また、先ほどのお金の機能の説明を読んで、「そもそもリンゴ1個とミカン2個が同じ価値なんて、誰が決めたの? 大きくて味もいいリンゴならミカン3個分の価値があるのでは?」と思った人もいそうですね。お金は価値を測る尺度だけれど、その価値は誰がどう決めるのか? 

実は、お金と、お金で測って決める価値は、とても「相対的」なものなのです。あなたが今100円を持っているとして、その100円の価値は、モノやサービスとの対比、時間の経過などにより変化します。国が発行する紙幣は、現在では金の裏付けは必要なく、刷ろうと思えばいくらでも印刷して発行することができます。お金の価値は、意外と不安定なのです。だからこそ、お金に振り回されず、自分のお金を自分でコントロールするには、自分がしっかりしなければなりません。

毎日使って、使い慣れていると思いがちなお金ですが、まだ知らなかった側面があるかもしれませんね。ということで次回は、お金の価値と種類について紹介します。


【著者 プロフィール】
坂本綾子/ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所代表。 20年を超える取材記者経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナーを行っている。 著書に「年収200万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!」(SBクリエイティブ)など。

【イラストレーター プロフィール】
アベナオミ/宮城県生まれ、宮城県在住。地元情報誌のデザイナーをしながらイラストレーターとしても活動。2016年にフリーランスに。著書に「マンガでわかる!妊娠・出産はじめてBOOK」(KADOKAWA)など。

ウォーカープラス編集部 Twitter