知らないと損する!?一般NISAと積立NISAの違いとは?2024年から始まる新NISAも紹介

2021年8月19日

株式投資や投資信託で利益が発生すると課税の対象となり、税金を納めなくてはなりません。そのため、実際に得られる利益は少なくなります。

NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。株式や投資信託で利益が発生しても、申告したり、税金を納めたりする必要がありません。しかし、NISA制度には「一般NISA」と「積立NISA」の2種類があり、内容に違いがあります。この違いを知らないまま始めてしまうと、かえって損してしまう場合も。

そこで今回は、一般NISAと積立NISAの違いについて詳しく解説します。2024年から始まる予定の新NISAについても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

一般NISAと積立NISAの違いを知らないと損する場合も。きちんとチェックしたうえで始めよう


一般NISAと積立NISAの違いをチェック

NISA制度は一般NISAと積立NISAの2種類があり、内容は以下になります。

【一般NISA】
利用できる方/日本に住んでいる20歳以上の方
非課税対象/投資から得られる配当金や分配金、譲渡益
口座開設可能数/1人1口座
非課税投資枠/年間120万円
非課税投資期間/5年間
投資期間/2014年~2023年
購入できる金融商品/株式投資・投資信託・ETF・REIT(不動産投資)など
購入するタイミング/自分の好きなタイミング

【積立NISA】
利用できる方/日本に住んでいる20歳以上の方
非課税対象/投資から得られる配当金や分配金、譲渡益
口座開設可能数/1人1口座
非課税投資枠/年間40万円
非課税投資期間/20年間
投資期間/2018年~2037年
購入できる金融商品/投資信託・ETF
購入するタイミング/設定したタイミングで自動的に購入

NISA口座は1人1つまでしか持てないので、最初に一般NISAか積立NISAのどちらかを選択する必要があります。一般NISAと積立NISAの違いは主に次の4つです。

●非課税投資枠
●非課税期間
●対象の金融商品
●購入するタイミング

それぞれ順番に解説しましょう。

一般NISAと積立NISAの違い(1)非課税投資枠

一般NISAや積立NISAを利用した投資で得た利益は非課税になります。ただし非課税になるのは、非課税投資枠の範囲で行った投資に限定されます。一般NISAの場合は年間120万円まで、積立NISAの場合は年間40万円までが非課税投資枠となり、枠内で行った投資で得た利益は全て非課税になるのです。

一般NISAと積立NISAの非課税投資枠を1年間で比較すると年間80万円の差になります。 使い切れなかった非課税投資枠は翌年に繰り越せないので、なるべく使い切るのが望ましいです。NISA制度を選ぶ時は、自分の収入や予算に合った方を選択しましょう。

一般NISAと積立NISAの違い(2)非課税投資期間

NISA制度で購入した金融商品には非課税期間があり、一般NISAの場合は5年間、積立NISAの場合は20年間非課税になります。つまり、最終的な非課税投資総額は一般NISAだと5年間で合計600万円、積立NISAだと20年間で合計800万円になります。

なお、一般NISAは5年間の非課税期間が終了すると、次の選択肢のどれかを選びます。
●翌年の非課税口座に移す(ロールオーバー)
●課税口座に移す
●非課税のうちに売却する

例えば、2021年に株式を購入すると2025年までは非課税ですが、2026年になると課税対象になります。

終了時にロールオーバーを選択すると、2026年分の非課税投資枠を使い切って新たに5年間の非課税期間に入ります。つまりロールオーバーをすれば、非課税期間を最大10年まで伸ばせるのです。なお積立NISAはロールオーバーができないので、非課税期間が終了したら課税口座に移すか、売却するかどちらかを選択します。

一般NISAと積立NISAの違い(3)購入できる金融商品

一般NISAは株式や投資信託、REIT(不動産投資)といったリスクのある金融商品を購入できますが、積立NISAは金融庁が指定した一部の投資信託やETFが対象となっています。

つまり、一般NISAは購入できる金融商品の選択肢が豊富で、積立NISAは厳選された金融商品の中から選ぶことになります。

NISAと積立NISAの違い(4)購入するタイミング

一般NISAは非課税投資枠を1年の内で自由に消費できるので、一度に使い切ったり、12ヵ月で分散したりして購入できます。

一方、積立NISAは金融商品を継続して購入する制度のため、設定したタイミングで自動的に購入されます。一般NISAに比べて自由度は少ないですが、毎月コツコツと投資をしたい人に向いています。

一般NISAと積立NISAのどちらが良いの?

メリット・デメリットが異なる一般NISAと積立NISA。どちらが良いのか気になる人も多いと思いますが、はっきりと断言はできません。なぜなら、一般NISAがおすすめの人もいれば、積立NISAの方がおすすめの人もいるからです。

一般NISAがおすすめの人

以下に当てはまる人には、一般NISAがおすすめです。

●多少リスクはあっても投資したお金を増やしたい
●毎年40万円以上を投資に運用できる
●株式投資に興味がある

一般NISAは購入できる金融商品の選択肢が幅広く、積立NISAと異なり株式投資も非課税の対象となります。

また、積立NISAに比べてリスクはありますが、リターンを期待できる金融商品を購入できるので、多少のリスクはあっても投資したお金を増やしたい人にピッタリです。 非課税投資枠を必ず使い切るというルールも無いので、年間40万円以上を投資できる人におすすめです。

積立NISAがおすすめの人

一方次のような人には、積立NISAがおすすめです。

●投資したお金を減らしたくない
●少額から始めたい
●長期の積立投資をしてみたい

積立NISAは金融庁が厳選した、安定性の高い金融資産に対して長期間の積立投資ができます。投資したお金を極力減らしたくない、長期間の積立投資をしてみたいという人に向いています。 また、非課税投資枠が年間40万円までなので、1万円など少額から投資を始めたい人にもおすすめです。

2024年から新NISAがスタート

現在のNISA制度は2023年までで、2024年からは新NISA制度がスタートします。 一般NISAが2階建てになり、年間非課税投資枠は122万円に増額されます。 1階部分は20万円まで、2階部分は102万円までの非課税投資枠となっており、投資できる金融商品が異なることと、1階部分を購入してからでないと2階部分の投資ができないことが大きな変更点です。

●1階部分…金融庁が厳選した金融商品を積立購入
●2階部分…自分である程度自由に決められる

なお、積立NISAは口座開設可能期間が延長されただけで、制度内容に大きな変更はありません。

2021年に一般NISAを始めた人は、2021年~2023年までは現行のNISA制度を利用できますが、2024年以降は新NISA制度に従って金融商品を購入します。 2021年~2023年までに購入した金融商品は非課税期間(5年間)が終了したら、新NISAの非課税投資枠にロールオーバーできます。ロールオーバー時に非課税投資枠が余っていれば、新NISA制度のルールに従って金融商品を追加で購入できます。

新NISAを待ってから始めるべき?

2021年の時点で一般NISAを始められるなら、新NISAを待つ必要はありません。 新NISAは現在の一般NISAに比べて購入できる金融商品の種類が少なくなるので、自由に投資をするのが難しくなります。

また、本記事で解説した新NISA制度は、現時点で発表されている内容のため、将来的に変更になる可能性もあります。制度内容が不確かな新NISAを待つよりも、今から一般NISAを始めるのがおすすめです。

一般NISAと積立NISAの違いのまとめ

一般NISAは自分の興味がある金融商品を好きなタイミングで購入できる資産運用で、積立NISAはリスクを抑えて長期投資が可能な資産運用です。 年間40万円以上を資産運用に使える人は一般NISAを、投資の知識や資産運用に使えるお金が少ない人は積立NISAがおすすめです。

なお、一般NISAは2024年から新NISA制度に切り替わり、内容が大きく変わります。一般NISAに興味がある人は、2021年の内に開始することも検討してみましょう。

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