投資初心者がやってはいけない4つの行動と、おすすめ投資方法とは?

2021年8月23日

投資を始めたばかりだと、どのように向き合えばいいのか、どんな事をやってはいけないのか判断が付きにくいもの。そこで今回は、投資を始める際に知っておきたい心構えや初心者におすすめの投資方法、気を付けてほしいNG行動について解説します。


そもそも投資とは?

投資は結婚やマイホーム購入、老後など将来のライフプランに備えて資産を増やすために、中長期的に自分のお金を金融商品や資産運用に投じる行為です。ただし投資は需給バランスによって価格が決定するため、利益を得ることもあれば投じたお金が戻ってこない場合も。投じたお金の総額が少なくなってしまうことを「元本割れ」と呼びます。


一般的に「投資は短期ではなく中長期的に行うべき」だと言われているのは、得た利益をさらに運用して増えていく「複利効果」を期待できるからです。複利は投資期間が長いほど将来的に得られる利益が大きくなる傾向があるので、若い時から始めておくと安定した収益が期待できます。

投資初心者に必要な心構え

初めての投資に必要な心構えを3つ紹介します。これから始めたい人や投資が気になる人は、ぜひ参考にしてください。

投資と一緒に貯蓄も行う

初心者は投資と同時に貯蓄も行うのがおすすめです。なぜなら元本割れを起こすリスクもあるため、投資だけでは失敗した時の損失をカバーできません。貯蓄も同時に行っておけば、万が一失敗した場合でも貯蓄分で補うことができます。

なお貯蓄は、すぐに引き出せる形で蓄えるのが望ましいです。銀行の預金やタンス預金は自由に引き出せるので、家族の入院費など急な出費にもすぐに対応できます。

リスク分散を心がける

投資の世界には、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。資産を一カ所に集中していると暴落した時に一気に減ってしまう危険性があるので、「有事に備えて投資は分散するべきだ」という意味です。例えば、株式投資だけでなく債券や金などの金融商品にも投資をしていれば、仮に株式市場が暴落しても、他の金融商品の値上がりで損失をカバーできます。

投資対象を複数に分散するだけでなく、買い方を工夫することで価格リスクをコントロールする「ドルコスト平均法」という方法もあります。ドルコスト平均法は価格が変動する金融商品を毎月同じ額で購入することで、値下がり時の損失を回復できる効果が期待できます。

投資は元本割れのように、リスクが付きまとうもの。初心者は分散投資やドルコスト平均法などを実行し、リスクをある程度自分でコントロールすることを覚えましょう。

最初は少額投資からスタート

投資を始めたばかりの人は、1万円程度で始められる少額投資からスタートすることを検討してみましょう。

投資額が大きくなるほど利益は増えますが、同時に損失が発生した時の規模も大きくなります。損失を出すとショックを受けてしまい、金額によってはそのまま投資を止めてしまうケースもあるため、まずは少額投資から始めて知識や経験を深めることも大切です。

投資初心者におすすめの投資方法

短期で高いリターンを目指そうとすると、リスクが高くなる傾向があります。そのため初心者は、ローリスク・ローリターンの長期投資から始めましょう。


ローリスク・ローリターンの投資は実際の運用をプロに任せることができ、少額からでも行えます。また、仕事や家事が忙しくて投資の勉強をできない場合や、運用のチェックが難しい人にもピッタリです。

初心者におすすめの投資方法(1)投資信託

投資信託とは、運用のプロが複数の投資家から募った資産を元に運用を行い、利益を還元する方法です。専門的な知識が無い人でも始めやすく、金融商品によっては100円からでも購入可能なので、投資に使えるお金が少ない人でも参加しやすいです。また投資信託はNISA制度の対象なので、利益は非課税になります。

ただし投資信託は、運用結果次第で元本が割れが起きる、商品によっては手数料が発生するなどのデメリットがあります。

初心者におすすめの投資方法(2)ロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは、ロボット(AI)が投資家に代わって自分の判断で資産運用を行う投資です。事前にアンケートを行い、投資家の希望を叶えるようなプランを立ててロボットが売買を行います。投資に関する専門知識が無く、金融商品を比較したり分析したりする時間がない人でも始めやすいです。また、管理や売買はロボットなので、手数料が非常に安いのも魅力です。

おすすめの投資方法(3)日本国債

日本国債とは日本が発行する国債を購入し、償還期限(満期)を迎えた時に利息と共に元本が返ってくる投資になります。投資信託やロボアドバイザーとは異なり満期を迎えれば元本が保証されているうえ、発行しているのが国のため信頼性は高い債券になります。

ただし他の投資方法に比べると金利が低く、原則として償還期限まで債券をお金に戻せません。

初心者におすすめの投資方法(4)iDeCo

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことで、長期運用を前提とした投資です。老後にもらえる厚生年金のような公的年金とは別の私的年金で、自分で運用方法を選んで掛金を設定し、将来的に掛金と運用益が年金として貰えます。税制上の優遇措置があり、正社員でも始めることが可能です。

ただし、運用結果次第では元本割れが起きる、60歳まで引き出すことはできないなどのデメリットがあります。

投資初心者がやってはいけない行動

初心者が気を付けるべき4つの行動を紹介します。運用の際は注意してください。

投資初心者に気を付けてほしいNG行動とは?


相場が急変し、慌てて売却する

投資初心者がやってはいけない最大の行動が、相場が暴落したためすぐに売却してしまうことです。

株式投資や株式を対象とした投資信託は、相場が急変すると資産価値が一気に目減りしてしまう恐れがあります。暴落時に損失を最小限に抑える損切り(※)というテクニックはありますが、初心者が損失を最小限に抑えることは困難です。そのため相場が急落しても大丈夫なよう、あらかじめリスクをコントロールできるような投資を行っておくことが重要になります。

また、今回紹介している投資で損切りをしてしまうと、将来得られるはずだった利益を手放す可能性も。なぜなら底値まで落ちた金融商品を買う投資家によって、再び価格が上昇することもあるからです。金融商品の値動きに一喜一憂していると仕事や生活に影響を及ぼしかねないので、プロに任せられる投資を検討しましょう。

(※)株価の下がっている株式を売却することで、それ以上損失が増えないように防ぐ手法

生活や老後に必要なお金も投資してしまう

投資初心者がやってしまいがちな行動が、食費や光熱費といった日々の生活や、入院や子どもの入学費に必要なお金までも投資してしまうことです。投資は、存在しなくても現在の生活に影響しない余剰金の範囲で行うべきです。そうすると仮に失敗したとしても、日常生活や急な出費に影響を与えません。

自分の収入と毎月の支出、将来のライフプランに必要な支出などを簡単に計算し、無理のない範囲で続けることが大事です。

結果が出ないから投資を止めてしまう

すぐに結果が出ないと止めてしまう場合もありますが、投資は中長期的に続けることで利益を得られる可能性が上がります。また初心者におすすめのローリスク・ローリターンの投資は、長期運用が前提です。需給バランスの変動により損失と利益が打ち消し合い、最終的なリターンが安定しやすくなるため、長期運用の投資を短期で止めた場合、発生した損失を打ち消せるほどの利益を期待できません。

また、長期運用は獲得した利益を次の投資に回すことで複利効果を期待できるため、更に安定しやすいというメリットも。つまり、結果が出ないからといって投資をすぐに止めてしまうと、将来的に得られる可能性のあった利益を手放してしまう可能性があるのです。

売る時の手数料を計算していない

初心者の見落としがちな行動として多いのが、売る時の手数料を計算していないことです。金融商品は種類によって、売却手数料や保有手数料など様々なコストが発生します。利益が出ても売却時のコストが利益を上回っていれば、結果的には損をしてしまいます。

投資を始める時は、売却時にコストがいくら必要なのか、どのタイミングで売却すれば利益が確保できるのかといったシミュレーションを行っておくことも重要になります。

投資初心者に必要な心構えのまとめ

貯蓄やリスク分散、少額投資の3つを心がけて、ローリスク・ローリターンの長期投資からスタート。投資の知識や経験を徐々に身に付けるのがおすすめです。

また、長期運用が前提の投資は短期間だと結果が出にくく、暴落時に慌てて売却をすると将来得られるはずだったリターンを手放すことになります。投資は無理なく続けられる範囲でコツコツと積み立てていくのが望ましいでしょう。

ウォーカープラス編集部 Twitter