一人暮らしの食費平均額と節約方法5選をチェック!

2021年9月10日

一人暮らしをしていると、想像以上にお金がかかるもの。当初想定していたような貯金ができている方は、少ないのではないでしょうか?手軽にできる節約方法を探している方も多いことでしょう。今回は、私たちの身近な出費である「食費」の節約方法を、厳選して5つ紹介します。


一人暮らしの食費の平均・適正をチェック

まずは国のデータを参考に、食費の平均値を見てみましょう。比較して自分は使いすぎていないか、確認してみてください。

1ヶ月あたりの食費、使いすぎていませんか?


1ヶ月あたりの食費の平均

総務省統計局が公開している2022年の「 家計調査結果 」(※政府統計の総合窓口「e-Stat」の家計調査より)を見てみると、一人暮らしの食費の平均は1ヶ月あたり39069円(男性41595円、女性36860円)となっています。また34歳以下の平均は、34385円(男性37587円、女性30035円)でした。

平均して男性の食費が高くなっているのは、会社の付き合いやお酒、食べる量の多さが原因です。若い世代は収入が低い割に付き合いで外食をする機会が多いため、食費の負担が高くなる傾向があります。「外食の頻度=食費が高くなる原因」と考えて良いでしょう。

理想の食費はいくら?

一人暮らしの食費は、手取りの約15%が理想だと言われています。

手取り額/理想の食費額
15万円/22500円
20万円/3万円
25万円/37500円
30万円/45000円

ただし、住んでいる場所や他の支出によっても適正な食費は変わります。手取りが少ない場合は生活費がなくなってしまうため、工夫して食費を減らすことが必要です。

一人暮らしで食費を節約する5つの方法

食費の節約方法はいくつもありますが、今回はその中でも実践しやすい方法を5つ紹介していきます。うまく生活の中に取り入れてみてください。


(1)献立は事前に決めない

献立を事前に決めず、買い物に行くことをおすすめします。もしも先に決めてしまった場合、献立に沿った食材を買わなければいけないでしょう。しかしその日の安い食材は、スーパーに行ってみないとわかりません。欲しい食材がいつもより高く、結果として食費が高くなってしまうこともあります。

まずはその日安い食材を購入し、それから献立を考えるのがおすすめです。

(2)買い物の日を決める

買い物に行く回数が増えれば増えるほど、余計な支出が増える可能性が高くなります。

例えば買い物の日以外に週3回お店に行き、毎回100円のお菓子とジュースを買うとしましょう。すると、それだけで1ヶ月あたり2400円の出費に。特にコンビニは財布の紐がつい緩んでしまうので、事前に決めた日以外は立ち寄らないことをおすすめします。

(3)キャッシュレスで決済する

買い物をする際はポイントが貯まる、キャッシュレス決済がおすすめです。


クレジットカードやスマホ決済の場合、利用した金額に対してポイントが貯まります。キャンペーン時には、いつもの倍以上還元される場合があります。1回の買い物で貯まるポイントはわずかかもしれませんが、積み重なっていくとかなりの節約になるでしょう。

例えば100円で1ポイント貯まるのであれば、月に2万円買い物をしたら200ポイントが貯まります。年間にすると、2400ポイントです。現金よりも手間がかからずお得に買い物ができるため、ぜひキャッシュレス決済は取り入れていきましょう。節約は短期的に考えるのではなく、長期的に見ていくこともポイントです。

(4)作り置きをする

毎日仕事で忙しく、自炊がなかなかできない方もいるでしょう。時間のある時に作り置きをしておけば、外食の頻度が減り、食費を節約することができます。

1週間分をまとめて作ると、食材を無駄なく使うことができます。作り置きしたものに少しだけ手を加えれば、バリエーションも増えるでしょう。1度に一気に作ることでガス代や水道代の節約にもつながります。作り置きに慣れていない方は、冷凍保存できるメニューから始めることをおすすめします。

(5)節約食材を中心に買う

買い物の際には、節約食材(値段が安くて、保存期間が長い食材のこと)を積極的に取り入れることが大切です。


主な節約食材を紹介します。値段が安いだけでなく、ヘルシーなところも魅力的です。
・豚こま肉
・鶏むね肉
・人参
・玉ねぎ
・じゃがいも
・豆腐
・もやし

もしも食材を使い切れない場合は、早めに冷凍保存しましょう。

ファイナンシャルプランナーが語る食費節約のポイントとは?

ここまで5つの食費節約方法を紹介してきましたが、専門家からのアドバイスも聞いてみましょう。今回は、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんに話を伺いました。

一人暮らしには上手な「中食」利用が有効

1か月の食費は一人当たり3万円前後が平均的であると、さまざまなデータや実際の家計相談から実感しています。家計調査結果では、一人暮らしの場合3万円より多めの金額になっています。これは、「買った食材を使いきれず無駄にしやすい」「自炊が面倒でつい外食しがち」という、一人暮らし特有の事情が原因ではないでしょうか。

食費は、外食、中食(弁当や総菜の購入)、自炊の順に安くなります。食費を節約したいなら、外食を減らし、中食や自炊を増やすのが効果的です。二人以上の世帯よりも1回あたりの食材が少なくて済む一人暮らしは、中食も上手に活用しましょう。

例えば、おかずは仕事帰りのスーパーで、その日の目玉商品を買う、夕食の買い物客がピークを過ぎた時間帯(店舗により異なるが19時以降など)に値引きされた商品を買うなどし、ご飯だけを家で炊く。メニューによっては自炊と変わらない費用で済むこともあります。主食は、パンやパスタよりご飯が安く済みます。

レシピサイトは一人暮らしの味方!

なるべく安く、栄養価もあり、自分が食べたいものを食べるにはやはり自炊ですが、食材を使いこなす料理の腕が必要になります。「料理上手な人は、おいしく食べられて食費も節約できる」と言えますが、料理が得意でなくても、やり方次第では節約に繋げられます。

ぜひ活用したいのが、レシピサイトと冷凍庫。食材を入力するとさまざまなレシピを検索できて、動画で作り方が紹介されているものもあるレシピサイトは強い味方。料理初心者にも作りやすい簡単レシピもたくさん見つかります。

旬の新鮮な食材が安く売られているけれど、量が多すぎる…。そんな時は、まとめ作りをして冷凍保存を。ご飯はまとめて炊いて、1回分ずつ冷凍保存。電子レンジ解凍で十分おいしく食べられます。食事をしっかり取れば、間食が減って健康にも良いし、節約にもなります。

ただし、「作る」「食べる」「保存する」「食べる」というサイクルをうまく回転させていくには、試行錯誤の期間も必要となるでしょう。

食費の節約は無理し過ぎずに!

今回は、一人暮らしの食費の目安や食費を節約する方法を解説しました。しかし、一番大切なのは「節約は無理のない範囲で行うこと」です。

食事は生きていく上で重要な要素。節約したいからといって食べる量を減らしたり、栄養価の低いものばかり食べたりしていては、体を壊して逆にお金がかかる可能性もあります。たまには気分転換に外食日を設定するのも良いでしょう。

坂本さんも「 まずは『1カ月3万円』を目安に取り組んでみましょう。その上で、食生活の満足度と健康維持の観点から、自分にとっての適正な食費の予算と、料理法を決めましょう。今後収入が増えても、食費を一定水準に収められれば食費が占める割合が下がり、貯蓄や投資やほかの支出に回せる余裕が生まれます 」と、金言を授けてくれました。

紹介した方法を試しながら、自分の生活に合った食費節約術を見つけてみてください。

【監修者プロフィール】

坂本綾子さん

坂本綾子(さかもと あやこ)
生活経済ジャーナリスト、ファイナンシャルプランナー(CFP(r))。
わかりやすくお金について解説する記事の執筆やセミナー講師を行う。家計相談にも対応。著書に『お金に好かれる人になるための35の習慣』(KADOKAWA)、『「投資をしたことがないけれど、このままで本当に大丈夫?」と思ったら読む 絶対に損をしないお金の増やし方』(CCCメディアハウス)、『子どもにかかるお金の超基本』(河出書房新社)など。

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