「企業に勤めているだけでは不安定」とも言われる時代。時代の流れが早くなり、次々に新しい概念が生まれています。そこで今回は、近年よく使われるようになった用語を紹介しましょう。これからきっと必要になるものも多いので、ぜひチェックしてください。
FIRE
FIREとは、「Financial Independence」と「Retire Early」の2つを組み合わせてつくられた言葉。「経済的に自立した早期退職」を指し、生きていくための経済的基盤を構築したら、あとは悠々自適に暮らしていくというライフスタイルです。アメリカの若者の間でブームとなり、日本でもFIREを目指す人が増えてきています。
FIREに必要な金額は、年間支出の25倍と言われています。総務省による家計調査報告の消費支出を見ると、1世帯(総世帯)あたりの平均支出は、月23万5450円です。年間平均支出を約300万円と見立て、25倍をかけた約7500万円あればFIREできる計算です。なお7500万円は貯金を切り崩すわけではなく、「投資元本」として株やインデックス投資などに使い、安定的に運用することで配当金の収入で生活できるようになります。
副業
副業は、本業以外から収入を得るために行う行為のことです。主に会社勤めをしている人が、休日や就業時間外に副業をしています。厚生労働省は2018年1月に「働き方改革」の一環として、モデル就業規則の中の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除しました。これにより多くの会社で副業が解禁され、始める人が急速に増えています。
副業と言ってもその種類はさまざまです。例えばアルバイトや内職、Webライター、投資、フリマアプリでの販売、個人での起業など。副業が普及している背景にはリモートワークで個人の時間ができたことや、終身雇用がなくなった影響も大きいです。なお副業での収入が年間20万円を超えた場合は、確定申告が義務付けられているので注意してください。
ベーシックインカム
ベーシックインカムとは政府が国民に最低限の生活を送れるように現金を給付する仕組みのこと。日本では高齢者や所得の低い人、働けない人への社会保障があります。一方でベーシックインカムは、分け隔てなくすべての国民に生活に必要な一定金額を支給するのが特徴です。
ベーシックインカムは少子化対策や貧困層への対策、地方活性化などのメリットがある反面、膨大な財源の確保が必要だったり、「労働意欲の低下に繋がるのではないか」と懸念されていたりと幅広い議論が繰り広げられています。現在、フィンランドやスペイン、ドイツなどの一部では、実験的にベーシックインカムが行われています。
シェアリングエコノミー
個人が保有する物や場所、スキルなどの資産を人に貸し出したり、シェアしたりすること(サービス)を、シェアリングエコノミーといいます。貸主は使っていない資産の貸し出しによる収入を得られ、借主は所有することなく安い料金で利用ができるため、お互いにメリットがあります。
シェアリングエコノミーの主な事例は、以下のとおりです。
●住居の空き部屋を貸し出す「Airbnb」
●自動車の相乗りができる「Uber」
●物をシェアするサービス「メルカリ」
●スキルをシェアしている「ランサーズ」「クラウドワークス」
●お金のシェアをする「クラウドファンディング」
近年ではインターネットを通じたやりとりが一般的になり抵抗感が低くなったことや、SNSの普及によって広く使われるようになりました。
カーシェア
会員登録を行った会員間で車を共有できるカーシェア(カーシェアリング)。従来のレンタカーとは異なり、店舗での手続きは必要ありません。スマホで予約し車のある駐車場まで行くと、スマホや会員カードで解錠ができるようになっています。
レンタカーが数時間からのレンタルを想定しているのに対し、カーシェアは15分から利用できます。短い時間であればレンタカーよりも安価に設定されていることが多いため、家族や友人の送迎や買い物など、気軽に車を使うことができるでしょう。なお、カーシェアの利用には月額料金がかかるため、短時間・高頻度で利用する方に向いています。
ミニマリスト
ミニマリストとは、所有する持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人のこと。「ミニマル」には「最小限の」という意味があります。 「自分にとって本当に必要な物だけを持つことで大切なものがわかり、豊かに生きられる」という考え方で、大量生産・大量消費の現代において、新しく生まれたライフスタイルです。
ミニマリストの特徴は、部屋をスッキリさせることで視界に入る情報量が少なくなるため、行動がシンプルになること。物をなくしたり探したりする行為も少なくなるので、ストレスの軽減にも繋がるでしょう。また必要最低限の物しか買わないため、生活コストが抑えられるようになります。
移り変わる時代を生き抜くために
今回紹介した用語は現在、新しい概念として注目を集めていますが、今後は日常的になる可能性も高いでしょう。移り変わりの早い時代を生き抜くために、順応することが必須となる日が来るのかもしれません。興味の湧いたものがあれば、ぜひ詳しく調べてみてください。