仮想通貨(暗号資産)とは?初心者にもわかりやすく種類や特徴を解説

2021年9月25日

仮想通貨(暗号資産)は種類によって特徴や将来性が異なります。そのため売買に参加してみたいと思っても、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。

そこで今回は、日本国内で代表的な仮想通貨(暗号資産)の種類と特徴について解説します。売買に参加できる取引所も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。


仮想通貨(暗号資産)とは?

仮想通貨とは、インターネット上に存在する通貨のことです。日本円やドルといった法定通貨と交換(売買)でき、モノやサービスの決済や送金が可能です。ただし電子的に存在する通貨のため、100円玉や1万円札のような手に取れる貨幣はありません。

また、仮想通貨(暗号資産)は法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカードや交通系ICカード)でもありません。そのため仮想通貨を税金の支払いに使えません(本記事執筆時点)。仮想通貨(暗号資産)に関する詐欺などの事例も数多く報告されているので、売買をしようとしている方は注意が必要です。

なお2020年5月に施行された資金決済法・金融商品取引法等の改正により、法令上の呼称が仮想通貨から暗号資産になりました。本記事では理解のしやすさを優先して、仮想通貨(暗号資産)という表記を用います。


【仮想通貨(暗号資産)の仕組み】
最大の特徴は、「ブロックチェーン技術」を用いていることです。ブロックチェーン技術とは一つひとつの取引(トラザクション)が鎖の輪のように繋がっている技術のことで、全ての取引が記録され、全ユーザーに公開されています。つまり、理論的には仮想通貨(暗号資産)が誰の手に渡り、誰の物になっているのか追跡が可能です。仮想通貨(暗号資産)を用いた取引は、不正や改ざんが困難なのです。

誰でも追跡できる点と不正取引が困難な点により、仮想通貨(暗号資産)の価値が保証されています。

仮想通貨(暗号資産)の種類と特徴

記事執筆時点で、仮想通貨は数千種類以上もあります。日本円やドルと違い、仮想通貨(暗号資産)はブロックチェーン技術を理解している方なら誰でも発行できるため、爆発的に数を増やしています。

そのため、全種類の仮想通貨(暗号資産)を把握するのは不可能です。今回は、日本国内で売買されている代表的な仮想通貨を紹介します。

数千種類の仮想通貨(暗号資産)の中から、日本国内で代表的なものをピックアップ


【知名度や人気がトップクラスの「ビットコイン」】
ビットコインは世界で最初に作られた仮想通貨(暗号資産)です。通貨単位はBTCです。2008年10月にサトシ・ナカモトがネット上に公開した論文がきっかけで開発され、ビットコインを基礎に様々な仮想通貨(暗号資産)が誕生しています。

ビットコインの知名度は他の仮想通貨(暗号資産)に比べて非常に高く、コカ・コーラやテスラといった企業が決済方法として採用しています。知名度と将来性の高さもあって、ビットコインの価格は2017年より上昇傾向にあり、時価総額1位となっています。

【時価総額上位に入っている「ビットコインキャッシュ」】
ビットコインキャッシュは、ビットコインのハードフォークによって誕生した仮想通貨(暗号資産)です。通貨単位はBCHです。ハードフォークとは仮想通貨(暗号資産)のアップグレードのことで、ルール変更に伴ってアップグレードを行った仮想通貨(暗号資産)と、行わなかった仮想通貨(暗号資産)に分裂します。ビットコインキャッシュはアップグレードを行った方の仮想通貨(暗号資産)です。

2017年8月、ビットコインが抱えていた技術的な問題解決のために誕生し、現在は仮想通貨(暗号資産)の時価総額上位に入るほどの人気を有しています。

【企業が管理・運営をしている「リップル」】
リップルは仮想通貨(暗号資産)としては珍しく、特定の団体が管理・運営を行っています。通貨単位はXRPです。

ビットコインは特定の団体が管理・運営を行わない非中央集権型です。取引に参加している全員がブロックチェーンによって記録を付けているため、特定の管理者を必要としていません。一方、リップルは企業が専用の分散型台帳管理システムを用いる中央集権型の仮想通貨(暗号資産)です。責任や方針は運営・管理している特定の団体に委ねられるため、既存の金融システムに今後代わるのではないか?と注目されています。

【不正や改ざんがされにくい「イーサリアム」】
イーサリアムは2021年8月時点で、仮想通貨(暗号資産)の時価総額2位にランクインしています。通貨単位はETHです。

ビットコインに次いで時価総額と知名度が高い仮想通貨(暗号資産)で、最大の特徴はスマートコントラクト機能を有していることです。スマートコントラクト機能があると、あらかじめ設定した契約(行動)に反応して決済が行えます。つまりイーサリアムはビットコインよりも複雑な取引や契約を行うことができる仮想通貨(暗号資産)だと言えるでしょう。ブロックチェーン上でスマートコントラクトを管理するため、誰かが不正や改ざんをしようとしても、他の参加者が拒否すると失敗する仕組みになっています。

【ハッキング事件を経て誕生した「イーサリアムクラシック」】
イーサリアムクラシックは、イーサリアムから分裂して誕生した仮想通貨(暗号資産)です。通貨単位はETCです。

2016年に起きたイーサリムへのハッキング事件がきっかけで誕生したため、基本的な構造は同じです。ただし、イーサリアムが中央集権型なのに対して、イーサリアムクラシックは非中央集権型の仮想通貨(暗号資産)です。

また、イーサリアムと違いイーサリアムクラシックには約2億1000万枚という発行枚数上限が定められています。上限がある資産のため、需給バランスによって価格が変動しやすくなっています。

【日本生まれの仮想通貨「モナコイン」】
モナコインは日本で誕生した仮想通貨(暗号資産)です。通貨単位はMONAです。

日本の巨大掲示板のコミュニティ内で誕生した仮想通貨(暗号資産)で、コミュニティ内での投げ銭として利用されています。他の仮想通貨(暗号資産)に比べるとユニークな誕生経緯や使い方が可能なこともあって、日本での知名度や人気が高く、多くの取引所で売買されています。

【保有しているだけで利子が貰える「リスク」】
リスクは仮想通貨(暗号資産)とブロックチェーンプラットフォームの両方を指します。通貨単位はLSKです。プログラミング言語にJavaScriptというメジャーな言語を用いた、現在も開発中の未完成な仮想通貨(暗号資産)です。将来的には処理能力の向上や機能拡張を果たせるサイドチェーンや、スマートコントラクトの採用を目指しています。

他の仮想通貨(暗号資産)に無い特徴として、一部の取引所でステーキングサービスを行っていることが挙げられます。ステーキングとは仮想通貨(暗号資産)を保有(参加)すると対価が発生することで、リスクを保有していると利子や配当金といったインカムゲインが貰えます。

【決済完了までがスピーディーな「ライトコイン」】
ライトコインはビットコインよりも決済完了までのスピードが速く、決済手数料が安い仮想通貨(暗号資産)です。通貨単位はLTCです。2020年10月にはオンライン決済サービス「PayPal(ペイパル)」が、ライトコインを取り扱うことを決定しました。

また、公式より暗号化されたウォレットが利用可能となっています。ウォレットはインターネット上にある仮想通貨(暗号資産)の口座で、暗号化することで盗まれたり流出したりする心配は少なくなり、取引や残高をいつでも確認できます。

仮想通貨(暗号資産)を比較するときのポイント

仮想通貨(暗号資産)を比較するときのポイントは、仮想通貨(暗号資産)の将来性や流動性、取引所に上場しているかなどのポイントを比較することが重要です。


仮想通貨(暗号資産)は将来性が未知数な部分が多い通貨であり技術だと言えます。技術の進歩により大きく成長することもあれば、10年、20年経っても成長していない場合もあるでしょう。また、仮想通貨(暗号資産)は供給量や流動性の少なさから需給バランスが変動しやすく、ちょっとしたニュースで価格が暴落することがあります。そのため、投資目的での購入は、リスクが高くなります。

仮想通貨(暗号資産)を比較するときは、将来性や流動性などの要素をしっかりと確認しましょう。

仮想通貨(暗号資産)を購入する方法は?

日本国内で仮想通貨を購入するなら、「仮想通貨取引所」に登録する方法が簡単です。アプリで口座開設から売買まで操作可能となっており、24時間いつでもどこでも取引できます。

代表的な国内仮想通貨(暗号資産)取引所の取扱暗号資産数・取引所の手数料・特徴を見てみましょう。


Coincheck(コインチェック)
16種類/0%/東証一部上場企業が運営

bitFlyer(ビットフライヤー)
13種類/0.01%~0.15%/国内最大規模

GMOコイン
14種類/Maker-0.01%・Taker0.05%/仮想通貨(暗号資産)でつみたて投資が可能

ただし、取引所によって扱っている仮想通貨の種類やサービスが異なるので注意しましょう。

仮想通貨(暗号資産)の種類に関するまとめ

仮想通貨(暗号資産)はインターネット上に存在する通貨で、日本円と交換(売買)したり、モノやサービスの支払いに使用したりできます。その種類は現時点で数千以上あり、日本で活発に取引されている仮想通貨(暗号資産)だけでも10種類以上あります。今回紹介しているのは、仮想通貨(暗号資産)のほんの一部にすぎません。

比較するときは、仮想通貨(暗号資産)の持つ将来性や流動性など、様々な要素を比べることが大事です。なお、売買できる取引所では、扱っている仮想通貨(暗号資産)に違いがあるので注意しましょう。

また、仮想通貨(暗号資産)はちょっとしたニュースで需給バランスが大きく崩れ、価格が乱高下しやすいです。投資対象としてはリスクが高いので、売買に参加する際は失っても生活に問題ない余剰資金の範囲に止めておきましょう。

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