副業を始めるなら資格の取得を検討してみましょう。なぜなら、副業を始めるときに資格があるとメリットがあるからです。しかし、世の中に資格は幾つもあり、どれを勉強すればいいのか迷ってしまいます。
そこで今回は、副業におすすめの資格について解説します。資格取得に必要な試験の内容や勉強方法も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
副業に資格は必要なの?
種類にもよりますが、資格が無くても副業を始めることは可能です。しかし資格があると、大変有利になる場合があります。
まず、資格を取得する過程で副業に必要な知識や技術を身に付けることができます。仕事のクオリティが上がれば依頼単価も上昇し、収入アップに繋がります。またクライアント側からすると、資格を持っていることで「仕事を依頼するだけの知識や技術がある」とみなされて、信頼されるようになります。
副業におすすめの資格3選
一口に資格と言っても、「取得していると仕事の依頼を受けられる資格」と、「取得していると本業にも役立つ資格」の2種類に分けられます。
まずは「取得していると仕事の依頼を受けやすい資格」を3つ紹介しましょう。
金融関係の副業におすすめ!「ファイナンシャルプランナー(FP)」
ファイナンシャルプランナーとはライフイベントに必要な資金計画を組みたて、アドバイスできる資格です。資格習得には家計に関する金融や税制、不動産、保険、住宅ローンなど様々な分野の幅広い知識が必要になるため、取得していると副業の幅が広がります。
取得した場合のおすすめの副業として、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)があります。各証券会社と業務提携を結ぶことにより、提携会社の商品を販売(仲介)する仕事です。独立した立場で働けてノルマが無く、土日だけ募集している企業も多く、副業として安定した収入を得られるチャンスがあります。
試験は年3回行われ、1級、2級、3級の等級がある国家資格です。大きく分けて6つの科目で構成されており、試験に合格するには2級だと合計200時間以上、3級でも合計100時間以上かかると言われています。
他の資格試験に比べて難易度は低いと言われています。独学で合格できる場合もありますが、金融関係の知識が無い方はユーキャンやTACなどの資格講座を受講することも検討してみましょう。
なお1級を受ける際は実務経験が必要で、2級の受験にはファイナンシャルプランナー3級に合格する必要があります。これから副業を始めたい方は、まずは3級から取得しましょう。
経理関係の副業を始めるなら「日商簿記」
日商簿記とは、企業の経理事務に必要な会計知識や、財務諸表を読み解く力を持っていることを示す資格です。
おすすめの副業には、在宅経理や経理業務の外注スタッフなどがあります。クライアントや案件次第では、企業や事務所に行かずに自宅で作業できるので、在宅で可能な副業を探している方におすすめです。
試験は年3回行われ、1級、2級、3級の3つの等級がある公的資格です。試験に合格するには3級だと約100時間以上、2級だと350~500時間以上、1級は1000~2000時間以上かかると言われています。
日商簿記3級は商業簿記が試験範囲で、足し算・引き算といった基本的な計算が中心。会計学を学んでいない方でも独学で受かるケースがあり、過去10回の合格者率は48%前後と高い数値です。副業が目的で日商簿記を目指すなら、まずは3級から始めましょう。
不動産関係の副業に強い「宅地建物取引士(宅建士)」
宅地建物取引士とは、不動産取引の専門家を指す資格です。宅地業法により、不動産の売買や賃貸物件の重要事項の説明、記名・押印の作業は宅地物件取引士が行なうと定めてあります。これらの作業を独占業務と呼び、宅地建物取引士にしかできません。
おすすめの副業は、週末宅建士やIT重説になります。IT重説とは、賃貸借契約における重要事項の説明をテレビ会議などを活用して行う副業。2017年に運用を開始してから実施件数を増やしており、重要事項説明の業務だけを委託されて土日に行うケースが増えています。
また宅地建物取引士の資格を取得していると、不動産関係の記事の募集に応募できるようになるので、不動産ライターの副業を始めることも。IT重説や不動産ライターは自宅でも行えるので、在宅で始められる副業を探している方におすすめの資格です。
年1回試験が行われる国家資格ですが、受験に必要な資格はありません。毎年10月の第3日曜日に実施され、合格率は15%前後と低い数値です。試験内容は大きく4科目に分かれており、宅建業法や権利関係など、主に法律関係の内容が出題されます。
法律や不動産業の知識が無いとつまずきやすく、必要な勉強時間は350~500時間と言われています。独学だとなかなか難しいため、資格講座の受講がおすすめです。
副業だけでなく本業にも役立つ資格3選
次に、取得していると副業だけでなく本業にも役立つ可能性のある資格を3つ紹介します。なお資格取得にかかる費用や勉強時間の目安は、資格学校や通信講座で学んだ場合になります。
「TOEIC」が高得点だと副業に繋がるチャンス!
TOEICとは、英語を聞く力と読む力を測る試験のこと。点数が高いと、TOEIC講師のアルバイトや塾講師、家庭教師、英文の翻訳や添削、TOEIC試験対策の相談などの副業が行えます。
試験はほぼ毎月1回行われており、リスニング45分・リーディング75分の計2時間で、200問に答えるマーキング形式です。勉強方法は英単語を覚え、文法問題の対策を行い、リスニング力を鍛えることが重要になります。
TOEICは資格というよりも、英語のスキルを数値化した試験です。そのため、副業に繋げるなら少なくとも700~800点以上は目指さなければなりません。なおスコアを100点上げるのに必要な時間は、約200~300時間と言われています。
「MOSエキスパート」は会社員の本業にも役立つ資格
MOSエキスパート(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト・エキスパート)は、wordやExcelを上級レベルで扱えることを示す資格です。より効率的にアプリケーションを使用できるようになるため、副業だけでなく、会社での事務作業や書類作成、資料作成にも役立ちます。
この資格があると、副業として企業の事務作業の外注スタッフとして仕事を受けやすくなります。また、上記で紹介したFPや日商簿記の資格と一緒に取得していると、アプリを用いた仕事を依頼されやすくなるメリットも。
試験は、アプリの種類とバージョンごとに科目が分かれています。毎月1~2回以上の頻度で実施しているので、受験できるチャンスは他の資格に比べると圧倒的に多いです。
アプリケーションの高度な機能を理解することを求められているので、パソコンに不慣れな方だと50時間程度の勉強が必要です。勉強方法としては独学か、パソコンスクールの対策講座があります。
会社員なら使う機会の多いアプリケーション操作の勉強になるため、副業だけでなく本業のスキルアップを考えている方にもおすすめです。
副業でライターを始めるなら取っておきたい「日本語検定」
日本語検定とは、日本語の正しい知識と使い方を測定する資格です。資格取得の過程で、日常生活やビジネスシーンでの正しい言葉の使い方を学べます。副業としてはWEBライターや、外国人にオンラインで日本語を教える仕事などに役立ちます。
試験は年2回行われ、漢字や表記、敬語など6つの科目と総合問題が出題されます。1~7級まであり、3級が平均レベルと言われています。勉強時間の目安は10時間程度で、勉強方法は3級以下なら独学、2級以上を目指すなら対策講座に通いましょう。
他の資格と比べて副業に繋がりやすいとは言えませんが、取得することで日本語の正しい知識と使い方を学べるため、様々なシーンで活用できる資格です。
国家資格と民間資格の違い
「国家資格」は法律で定められた資格で、取得していると社会的な信頼性や信用性が高く、仕事を依頼されやすくなります。
一方「民間資格」は、団体や企業が独自で試験を行い認定している資格です。資格によって難易度や知名度が異なるため、取得しても仕事が依頼されやすくなるとは限りません。また、国家資格と民間資格の中間にあたる「公的資格」もあります。
国家資格の受験には学歴や経歴が必要な場合があるので、取得を目指す際は受験に必要な条件もきちんと確認しましょう。
副業におすすめの資格のまとめ
副業に資格が必要とは限りませんが、取得していると仕事が依頼されやすくなる可能性があります。ただし取得には、一定の費用と勉強時間が必要です。自分がこれまで学んでいない分野の資格について独学だと難しいと感じた場合は、資格講座や通信講座を検討するのもおすすめです。また、試験内容や受験資格をしっかりと確認してからトライしましょう。