コロナ禍をきっかけに、住まいについて考え直す機会が増えた人も多いのでは。そこで、住宅購入を検討する際に必要になる「住宅ローン」や税金に関連のある用語を解説。「住宅ローン」「フラット35」「住宅ローン控除」「住宅ローン減税」「固定資産税」の5つの基本的な用語の意味とそれぞれに関連する言葉を再確認してみましょう。
住宅ローン
「住宅ローン」とは、戸建てを建築する際や、マンションや建売などの新築・中古物件を購入するための資金を金融機関から借り入れる「住宅取得専用ローン」のことを指します。
住宅ローンの種類
現在利用している住宅ローンより有利なものへの「借り換え」ローン、新しい住宅への「住み換え」ローン、「建て替え」ローンなど、新規購入以外の住宅ローンも用意されています。
現在の住宅の「リフォーム」や、住宅購入の際に必要な手数料、消費税、火災保険、登記料などといった「諸費用」に対するローンもあります。
銀行以外の住宅ローン
財形貯蓄を一定額以上保有している人向けの「財形住宅融資」は、5年ごとに見直される固定金利の住宅ローン。融資の利用条件は、1年以上の貯蓄歴、融資の申込日より2年以内に財形貯蓄を預入、申込時の預入額50万円以上とされています。
ほかにも、勤務先の企業から融資が受けられる「社内住宅融資」や、不動産業界団体など金融機関以外が取り扱う住宅ローンもあります。
フラット35
「フラット35」は、返済期間が最長35年、借入期間中の金利が変動しない「フラット(平ら)」な住宅ローンです。民間金融機関が貸し出した資金を住宅金融支援機構が買い取る、もしくは債権を保証する仕組みになっています。
「フラット35」のメリット
主に4つのメリットがあります。固定金利なので返済金額が変わらない点、地方移住者向けやリフォームのための商品などメニューが豊富、保証人や繰り上げ返済の手数料が不要、団体信用生命保険への加入や返済方法変更などサポートの充実があげられます。
「フラット35」のデメリット
勤務先など民間の住宅ローンを利用する方が、金利が安いことがあります。「フラット35」は住宅価格に占める融資率が9割以上になると金利が高くなるので、諸費用は準備しておくか、金利が安い別のローン商品の検討も視野に入れましょう。
「フラット35」の利用条件
申込時の年齢が70歳未満(親子リレー返済はこの限りではない)で、日本国籍もしくは永住許可を得ている人。年収に占める年間返済額の割合が一定の基準を満たしていることなど、いくつかの利用条件があります。
住宅金融支援機構
民間金融機関による貸付資金の証券化支援や住宅融資保険などの業務を行っている独立行政法人機構。住宅の質の向上を目指し、省エネ住宅などの普及を推進している機関です。
住宅ローン控除
「住宅ローン控除」制度、正式名称「住宅借入金等特別控除」は、個人が住宅を建築もしくは購入、リフォームの際に要件を満たせば、借入金の年末時点の残高に応じて所得税から控除が受けられる制度です。
住宅ローン控除の適用条件「新築」
手続き者自身である本人が6ヵ月以上居住していること、控除を受ける年の収入合算が3000万以下、対象とする住宅の床面積が50平方メートル以上で1/2以上が居住用、10年以上のローンがあり既定の期間中に課税の特例を受けていない、などが適用の条件です。
住宅ローン控除の適用条件「中古」
耐震等級1以上を取得している、耐震基準適合証明書を取得している、既存住宅売買瑕疵保険への加入、築年数が一定年数以下であること、などが適用条件です。
リフォーム・増築の適用条件
法律の規定に則した大規模な修繕や模様替えであること、マンションの専有部分の広範囲に対して行う修繕や模様替えであること、基準への適合のための耐震工事やバリアフリー・省エネに関わる改修工事であることが適用条件となっています。
住宅ローン減税
「住宅ローン控除」とも呼ばれる、住宅ローンの金利負担を緩和する制度。年末時点の住宅ローン残高の1%が、最長で10年間所得税等から還付されます。所得税で控除しきれなかった部分は、住民税から控除を受けることができます。
控除期間の延長
令和元年10月の消費税率引き上げにあわせて、住宅ローン控除が受けられる期間が10年から13年に延長。令和3年も13年の延長期間が継続になっています。
床面積条件の緩和
住宅の床面積の条件が、50平方メートルから40平方メートルに緩和されています。所得が1000万円以下の人が対象。床面積の1/2を居住スペースとして使用していることも条件となっています。
固定資産税
「固定資産税」は土地や建物を所有していて、固定資産課税台帳に登録されている人が納める税金です。
土地の評価
総務大臣が定める基準に基づいて、不正常な状況を除いた土地の価格を求め、それを基準に決められた方法によって評価されます。
納税方法
自治体によって時期は異なりますが、基本は年4回、もしくは一括で納付します。
住宅購入に関わる負担を軽減するしくみを用語で確認
住宅は、人生においてもっとも大きな買い物になる人も多いでしょう。すべての人が快適な住環境で生活を送れるようにと、購入の負担を軽減するための制度や商品が用意されています。住宅購入に関わる制度やしくみを知ることで、よりベストな選択肢を検討しましょう。