「捨ててはるとこ、ちょうだい!」から生まれた0円レシピ!【♡さゆりの超節約ごはん】

2021年12月4日

ボヨヨン漫才師としてお馴染みの「かつみ♡さゆり」のさゆりさん。夫のかつみさんが財テクのために始めた投資で大損をしてしまい、結婚当初から1億7000万円もの借金を背負っていた話は有名だ。現在も返済を続けているが、新婚当時は想像を超える極貧生活を送っていた。

その借金返済生活から生まれたさゆりさんの節約レシピと、お金にまつわるちょっと笑えて、ちょっと泣けるエピソードをお届け。記念すべき1回目の今回は、節約を超える“0円レシピ”をご紹介します!

おいしい炒め物と煮物が、材料費0円で完成!


料理のイメージがない!?だからこそうれしい今回の企画

今回はお料理の企画をよく振ってくれはったなって、うれしく思います。皆さん、さゆりが料理をするイメージが全くないらしくて。芸人の男の子にも「さゆりさん、料理されるんですか?」と言われ、食べたら「おいしいじゃないですか?」って。「みんな私のこと、どう見てるの?」って思います(笑)。なので今回お料理のお話をいただけて、新鮮でうれしいです!

大根のかつらむきもお手の物。なお写真はすべて、かつみさんが撮影!


節約なんて生温い!本当にお金がない時の“0円レシピ”

本当に困っていた時は節約どころか、0円でやってました。スーパーでは、主婦の方がラクなように大根の上の部分を切って捨ててはるんですね。それで本当にお金に困っていた頃、スーパーのおじさまやおばさまに「捨ててはるとこ、ちょうだい」とお願いしたら、「さゆりちゃん、取っといたで!」とくれはるようになったんです。

当時はまだかつみ♡さゆりではなく普通の女の子だったんですけど、大阪の人たちは本当に優しいんです。次に行った時は「いるかー?」って言ってくれて、かわいがってもらってました。ほかにもお肉屋さんで肉の切れ端をもらったり、かつみさんとの同棲時代はいろんなお店の店主さんに支えてもらいました。実は今も、近所にある大手のスーパーのいろんな売り場の皆さんと仲良しなので、捨てるところをもらっているんです(笑)。

お店でもらった「大根の捨てるところ」で、驚異の0円レシピを披露してくれたさゆりさん


でも、本当に何で捨てはるんやろ?と思います。大根の葉っぱだけでなく、身の部分も結構ついてるんですよ。大根って、この葉っぱの付け根の身のところが1番甘いんです!それでこの葉っぱをごま油で炒めて、砂糖とか醤油とかごまをかけるだけで、すごくおいしくなるんですよ。ごはんのお供に最高です!身の部分も煮物にするとすごくおいしいんですよ。昔は大根だけだったけど、今回は見栄を張って、ゆで卵と冷凍したもらいもののアスパラガスを付けました(笑)。

葉っぱをみじん切り。捨てられるはずの部位なのに、食べられる部分は意外と多い


ブロッコリーとか、サヤエンドウとか、お料理がパパパッとできるようにいろんな食材を茹でて冷凍してます。ちなみに冷凍は昔から活用しています。ごはんも今みたいな解凍専用の容器がないときからしてました。もったいないから(笑)。

それから、どんな状況の時でもお料理に彩りがあると、お金をかけなくても食卓が華やぐ気がするので、昔からちょっとでも色を入れるようにしています。それに色のある食材が入ると、何も考えなくても栄養素のバランスが整うんですよ。ビタミンAからDまで整ったりするので、余裕がある時は彩りを良くすることを心がけています。ただ、色のある食材は高いので、新婚当時はない時も多々ありましたけどね。

彩り要因のゆで卵とアスパラガスもスタンバイ


明治、大正、昭和――♡さゆりの料理には三世代の女性の知恵が詰まっている

お料理の知識は、元々あった訳ではないです。かつみさんとの同棲生活も思わぬ形で始まったので、心構えもなく、おうちでお手伝いをしていた延長ぐらい。お金がなくて、料理本を買うこともできなかったですし。でも私、明治生まれのひいおばあちゃん、大正生まれのおばあちゃん、昭和生まれのお母さんと、三世代の女性のなかで育ち、見よう見真似でお手伝いしていたんです。この大根の葉っぱのやつも、ひいおばあちゃんから教えてもらったもののアレンジ。だから私が作る味って、若い人向けじゃないんですけどね(笑)。

でも、大根の葉っぱは、皆さんももらいはったらいいと思いますよ!一番驚いたのは、捨てるところが「こんなにおいしいんだ!」ということ。よく考えたらお刺身のトロだって、昔は捨ててたっていうじゃないですか!?きっと捨てるところにおいしい部分が隠れていることは、いまだにあるんだと思います。

ごま油で炒めて、砂糖や醤油を加えるだけで立派な一品に


これは芸人にも言えるかもしれないです。昔、吉本に「ビールスセブン」というお笑い集団がいて、「お前らなんか、吉本のバイキンじゃ。捨てたいわ!」ぐらいに言われていたんですけど、そこにいたのはB&Bや(明石家)さんま兄さんですからね。会社から除外したいと思われていたメンバーたちが、お笑いブームを作ったんです。だから、捨てようとしているところにこそ、すごいものが埋まっているんやと思います!

もう一回、捨てるところに注目しないとダメですよね。私、大根やニンジンの皮もきんぴらに入れるんです。食感もいいし、一番栄養価も高かったりして、これを捨てるなんて本当にもったいない。宝は捨てるところにこそあるよ!って思います。だから、業界の皆さま!もし私のことを捨てようと思っていたら、“捨てないでね”と言いたいです!まだ私の中にも何かが埋もれているはずです!知らんけど(笑)。

♡さゆりの節約レシピ/「菜〜んと!ゴマッた!捨てるとこで炊いたん」

私はお料理する時、小さじや大さじを使いません。ぜ~んぶ目分量!なので、それぞれのご家庭の味にお好みで仕上げてくださいね♡

1.葉っぱと身を分ける
お野菜売り場さんで大根の捨てるところをもらえたら 、葉っぱと実を切り分けて。葉っぱと皮はみじん切り、身は普通に。

2.身を煮る
おダシに砂糖と醤油を入れて、身は煮物にします。ゆで卵も一緒に煮て。

3.葉っぱと皮を炒める
葉っぱと皮はごま油、砂糖と醤油で炒めるだけ〜!七味唐辛子もパラっと。あればたっぷりのすりゴマをふりかけて、できあがり~♡

捨てられるはずだった大根が、優しいお味の煮物に。色合いも美しい

シャキシャキの歯ごたえもクセになる!「今まで当たり前のようのに捨ててゴメン」と謝りたくなるおいしさ

かつみさんに「あ~ん♡」仲睦まじい姿、ごちそうさまです!


取材・文=及川静