かつみ♡さゆり家のソウルフード「もやしのせいろ蒸し」誕生秘話【♡さゆりの超節約ごはん】

2022年1月1日

ボヨヨン夫婦漫才師としてお馴染みの「かつみ♡さゆり」のさゆりさん。夫のかつみさんが財テクのために始めた投資で大損し、新婚時代には1億7000万円の借金を背負っていたことでも有名。その後、借金を返すつもりで始めた事業に立て続けに失敗し、現在も返済生活は続いているが、新婚当時は想像を超える極貧生活に耐え忍んでいたそう。

その借金返済生活から生まれたさゆりさんの節約レシピと、お金にまつわるちょっと笑えて、ちょっと泣けるエピソードをお届け。第3回目の今回は、かつみ♡さゆり家のソウルフード“もやしのせいろ蒸し”の登場です!

お肉の量は、その時のふところ具合次第(笑)。今回は豪華版です!


ちょっと高そうな名前を付けるだけで、ただのもやしが特別に!

皆さんにも「そうそう!」と思ってもらえると思うんですけど、もやしって安いし、お料理のかさ増しもできるし、食感を残すと食べた感覚も得られる。最強じゃないですか?ただ、“もやしのせいろ蒸し”なんて、かっこいい名前付けてますけど、塩、こしょうを振って、ポン酢で食べるだけなんですけどね(笑)。それをポンと出すだけだと、だたのもやしを蒸したやつなんですけど、「今日は“もやしのせいろ蒸し”よ〜」と言って出すと、気分が変わる。名前がすごく大事で、ほかのメニューでもちょっと高そうに感じる名前を付けています(笑)。

今回も撮影はかつみさん。楽しそうな雰囲気が伝わってきます♡


ルーツはなんと、昭和の大スター・松田優作!

この“もやしのせいろ蒸し”は、かつみさん発のネーミングです。かつみさんが、どんきほ~てというコンビを組んでいた時代に、大阪の空堀商店街にある「冨紗家」さんで松田優作さんの大好物で“優作鍋”と呼ばれている“豚もやしセイロむし鍋”を紹介するロケをしたんですね。それで、その時に食べたやつがすごくおいしかったと話してくれたんです。もやしやしいたけ、豚肉が三段構えになっていて、それをポン酢で食べると。そう聞いて作ったのが我が家の“もやしのせいろ蒸し”なので、実はルーツは松田優作さんにあるんです!まあ、そのひもじい版というか…(笑)。昭和の大スターにあやかりながら、いろんな具を引いてもやしだけになり、ポン酢に付けるとこだけが生き残りました。

さゆりさんいわく、「私の一番のソウルフードです」


うちのソウルフードになっているということで、「冨紗家」さんにロケにも行かせていただきました。松田優作さんは本当に“豚もやしセイロむし鍋”が大好きで、おうちに郵送までしてもらって食べてはったそうです。

ただ我が家の場合、写真を見てもわかる通り、全然せいろで蒸していません(笑)。でも、せいろ蒸しと聞くとニュアンスが変わる。だから、寂しい感じにならずに食卓も楽しくやってきました。基本、私はノー天気で、かつみさんは私に輪をかけての“超”ノー天気。かつみさんは人生で出会ったことのないぐらい、ネガティブのかけらもない人なんです。マネージャーさんに聞いたら、きっと「ヤバい」って答えるぐらい、ヤバいんです(笑)。もう少し見極めるところがあってもいいと思うんですけどね。だから失敗するんですよね。でも、失敗しても何でもないんです(苦笑)。

2人の思い出の鍋で食べることで、さらに特別感がUP!

今回撮影したのは、“もやしのせいろ蒸し”の豪華版です!豚肉が上にのってます。そしてこの土鍋は、かつみさんとロケに行かせてもらった時に焼いたものです。だから、一部欠けてるんですけど、愛着があるのでずっと使ってます。

私は、ここにもやしを洗わずにそのまま入れちゃいます。どうせ蒸すのにお水を入れますから、洗うつもりで上から水をかけるんです。そこに塩、こしょうをかけて、豚肉をのせられる日はのせる。この豚肉の量も、日によって違います。

2人の思い出の鍋で作る、豪華版“もやしのせいろ蒸し”。鍋の“欠け”もご愛嬌


飴ちゃんで空腹をごまかし、50円玉だけを握ってもやし売り場へ直行

新婚当時はお腹がすごく減っていて、そのままスーパーに行ってしまうとあれもほしい、これもほしいとなってしまうことがわかっていたので、行く前に飴ちゃんを舐めて食欲をごまかし、50円だけ握りしめてもやし売り場に直行していました。

日によってはもやしが安く、2袋買えることも。その日は贅沢食卓でした!当時はかつみさんがお仕事に行くとどれぐらい食事できるのかわからなかったので、かつみさんにちょっとでも多く食べさせてあげたかったんです。だから朝、バイトを終えて帰ってきたら、「もう食べたよ」と言って、ほとんどかつみさんにあげてたんですね。

でも、それで私、20歳の時に救急車で運ばれて、栄養失調と診断されたんです(笑)。平成の世に栄養失調ですよ!でも、そりゃそうですよね。かつみさんに食べたってウソをついて、食べてなかったんですから。一時期、新喜劇に在籍させていただいたことがあるんですけど、その当時も出番が終わってソデに下がったところで倒れて、救急車で運ばれたことが何回かありました。私はすっかり忘れていたんですけど、いまだに内場(勝則)兄さんとかに言われます。今こうやって元気にやってるのが、「信じられへん」って。「あの姿を見てたのにボヨヨーンとか言い出して、ホンマにびっくりしてんねん」と言われます(笑)。

かつみさんは本当に私が食べていると思っていたので、ケンカにはならなかったです。ただ、その後、「かつみ♡さゆり」として2人でお仕事をするようになったら、ロケに行けばロケ弁が出て、テレビ局に行けば、楽屋にお弁当とかお菓子があって、仕事先でいろいろ食べ物が出てくることを知ったんです!…食べといたら良かったなと思いました(笑)。

♡さゆりの節約レシピ/「もやしのせいろ蒸し」

私はお料理する時、小さじや大さじを使いません。ぜ~んぶ目分量!なので、それぞれのご家庭の味にお好みで仕上げてくださいね♡

1.鍋の準備
お鍋にお水をはって、蒸し器を入れて、もやしをほおりこんで、豚肉をのせる。

2.味付け
塩、コショウ振って、蒸すだけ〜!

3.できあがり
もやしの歯ごたえを残す感じに蒸して、ラストにおネギ。ポン酢をつけて食べます。その時のお財布の具合により、豚肉が多かったり、もやしだけ2袋バージョンになったり…と、変わります♡

味付けはいたってシンプル。塩とコショウをかけるだけ!

もやしの食感を残すぐらいのところで、蓋をぱかっ

おいしそうに出来上がり。これをポン酢につけて食べます


取材・文=及川静