【マンガでわかる!お金超入門】家は購入か賃貸か?メリットデメリットを徹底比較!

2021年12月3日

「お金のことをもっと勉強しなきゃ」「お金の使い方を見直したい」と思いながら、何から手をつければよいかわからない――。そんな“お金超初心者”に、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんが “お金の基本のキ”を教える連載がスタート。アベナオミさんのマンガとともに、これからの時代に知っておきたい「お金の知識」をわかりやすく楽しくガイドします!今回は第18回です。


賃貸と購入の費用を正確に比較するのは不可能

家は賃貸か購入か、永遠のテーマですね。住宅にかかる費用が、例えば50年間の総額で賃貸ならいくら、購入ならいくらという試算をすることがあります。試算して比較する際には、なるべく似たような物件の購入と賃貸で条件を設定するのですが、現実にはありえないことなのです。

なぜなら不動産は同じものが2つないからです。例えば車なら同じメーカーの同じ車種が複数、存在します。しかし不動産は、賃貸も購入も、マンションも戸建も、そこに存在するのはその物件だけ。だから、比べること自体が不可能です。

とはいえ、賃貸の人はこのまま家賃を払い続けるよりも買った方がいいのでは?と一度は疑問を抱き、これが購入の動機になったりします。

そこで、比べるというよりも、どちらかが得になるとしたらどんなケースか、賃貸と購入それぞれのメリットとデメリットについて考えてみます。

こだわり派や戸建て希望、土地が安い地域では購入がお得?

家は、土地と建物から成り立っています。

まずは土地から考えてみましょう。土地を自分で持つかどうか。複数で土地を共有するマンションの場合も、敷地のうち権利として持つことができる土地の持ち分がそれぞれにあります。土地が安い地域ほど、購入の方がお得かもしれません。土地の価格は、高いところと安いところでは、10倍以上の開きがあります。

しかし、最も土地が高い東京と比較して、価格が10分の1の場所の家賃が10分の1かというと、もちろん安くはなるけれど家賃の差はそこまで大きくはなりません。つまり、土地が安い地域で家を借りると家賃が割高になる可能性があります。また、そもそも土地の価格が安ければ、購入の際の負担が減り買いやすくなります。参考までに、2021年の地価調査(基準地価、7月1日現在)による都道府県別の価格指数の一部を紹介します。東京を100とした場合の指数です。


次に建物を考えてみましょう。建物は土地ほど地域差がありません。物価や、建築の際の人件費が都心よりも地方は安めのケースが多く、それが建物の価格に多少の影響を与えたとしても、それほど大きくはありません。ただし、購入と賃貸では建物部分の仕様が違ってきます。購入用に作られた物件の方が、内装や設備に最新の材料が使われてバリエーションが多いようです。これは、ちょっと想像してみればわかります。自分が住宅を貸す側の大家さんだと思って考えてみてください。なるべく費用をかけずに造った方が利益が大きくなります。

一方、購入の場合、一生に一度かもしれない高い買い物ですから、買い手は理想を求めていろいろとこだわりたくなります。買い手が付きやすい物件価格でなおかつ内装なども買いたくなるような工夫がなされます。つまり、建物にこだわりたいなら購入するか、あるいは注文住宅を建てればとことん自分の趣味を反映することができます。ただし、建物部分が相場よりも高くなれば当然ですが、土地と建物を合わせた住宅価格も高くなります。建物にこだわりたければ購入が適していますが、どっちが得かという金額で言えば、建物にこだわりすぎると購入は高くなってしまいます。

ライフスタイルや土地価格の変化、維持費など比較要素は様々

もうひとつ忘れてならないのが、建物の維持費です。賃貸なら維持費は大家さんが持つので不要です。購入の場合は、自分の資産ですから維持費は自分持ち、さらに将来の建て替え費用が発生するかもしれません。固定資産税もかかります。

住宅の種類で考えると、戸建に住みたければ購入の方が選択肢が増えます。戸建の賃貸は数か少ないからです。土地が安めの地域の中古の戸建なら、都心の賃貸マンションよりも安く住めるケースがあります。

さらに、比較する際の要素として、賃貸なら家族構成の変化に合わせて引っ越しをするか、途中で家賃が上がるか、更新料や敷金・礼金はどれくらいか。購入なら住宅ローンの金利、返済期間、今後の土地価格の変化、マンションの管理費や修繕積立金がいくらかなどが加わります。これらをどう設定するかによっても、どちらが得かは違ってきます。

賃貸・購入それぞれにある老後のメリット、デメリット

寿命が伸びて老後が長くなった現在、購入して住宅ローンを払い終えているなら老後は家賃を払わなくてよいメリットがあります。しかし、高すぎる住宅を買って家計が圧迫されたり、老後も年金から住宅ローンを返さなければいけなかったりすると購入のメリットを活かせません。購入の際の資金計画は重要です。

賃貸は、払った家賃は戻ってこず、ずっと払い続ける必要はあるけれど、建物を維持したり固定資産税を払ったりする義務はなく、家計管理も単純ですみます。また、収入によっては公的な住宅に入居する権利をもてたり、家賃補助を受けられたりします。そういった制度を利用することでトータルでの支払額を減らせる可能性があります。おおまかにまとめると次の通りです。


生きている限り、自分の場所つまり家を確保する費用がかかります。賃貸と購入の違いを把握した上で、どちらの場合も、その金額が自分にとって適正か、その金額で手に入れた家の住み心地はどうかという視点で考えるのがよさそうです。


【著者 プロフィール】
坂本綾子/ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所代表。 20年を超える取材記者経験を生かして、生活者向けの金融・経済記事の執筆、家計相談、セミナーを行っている。 著書に「年収200万円の私でも心おだやかに毎日暮らせるお金の貯め方を教えてください!」(SBクリエイティブ)など。

【イラストレーター プロフィール】
アベナオミ/宮城県生まれ、宮城県在住。地元情報誌のデザイナーをしながらイラストレーターとしても活動。2016年にフリーランスに。著書に「マンガでわかる!妊娠・出産はじめてBOOK」(KADOKAWA)など。