マネー系YouTuberが教える「節約するためにやめたこと5選」 手取り17万円でも月5万円の貯金は可能

2022年1月17日

YouTubeで「一人暮らしと貯金」をテーマに、少ないお金でも豊かな暮らしをするための節約術や貯金術を配信しているKentaro.さん。20代後半にして、効率的な貯金の仕方や自分なりのコスパの良いお金の使い方を習得。動画で公開したところ、登録者数が2021年8月から5倍近くに急増するなど人気を博している。そんなKentaro.さんに、お金に対する考え方や、今年こそ身につけたい節約の心構えなどを聞いてみた。

Kentaro.さんの節約術を紹介


その支出は自分にとって本当に価値があるか徹底的に考える

20代の前半までは、何も考えずに散財したり、見栄を張るためにお金を使うこともあったというKentaro.さん。しかし節約や貯金を実践する中で、その奥深さや本当のメリットを実感。2021年2月、マネー系のYouTubeチャンネルを開設した。

「以前からYouTubeに挑戦したいと思っており、節約・貯金系のジャンルに注目していました」。ただ、投資系や主婦の節約系、ストイックな貯金系など既存のチャンネルの多くは、同世代の人にとってやや取っつきにくく、ハードルが高い印象を受けたという。「僕は、節約することで幸福度が上がる、貯金は人生を豊かにしてくれるということを身をもって感じています。自分なら視聴者の目線に立った動画で既存のチャンネルにはない価値を提供できると思い、開設を決めました」

テーマは「貯金したい人が買ってはいけないもの10選」「一人暮らし社会人の平日5日間の自炊と買い物記録」などさまざま。その中でも特に、繰り返し話している「お金の使い方を都度本気で考える重要性」が、多くの視聴者から共感を呼んでいる。単にお金を使わないのではなく、その買い物や支出が自分にとって本当に価値があるのかを徹底的に考え抜く。このスタンスは、後半で紹介する「節約するためにやめたこと」で改めて詳しく取り上げる。

「お金の使い方をしっかり考えることで、貯金も自然とできるのに加え、心から満足できる買い物につながると僕は考えます。視聴者からは『考え方を取り入れたら支出がかなり減った』『貯金と同時に価値がある買い物ができるようになった』とのコメントをよくいただきます」

「貯金はつまらない」と思っている人にこそ動画を見てほしい

YouTube動画の投稿を始めてからは「以前にも増して、お金の使い方がシビアになりました(笑)」とKentaro.さん。実は毎月「家計簿公開」として、その月の支出を紹介している。節約家として支出金額を発表する以上、視聴者の人に言っても恥ずかしくないお金の使い方をする必要があると考えている。

「もちろん旅行などの価値ある経験や本当に欲しいものなどにはお金を出しますが、すべてが今まで以上に本気で考えた上での支出です。YouTubeを始める前に比べ、一段と無駄遣いが減ったのに加え、より良いお金の使い方ができるようになったと感じています」

また、今のチャンネルは、年代問わず貯金に関する悩みを抱えている人に見てもらいたいという。「節約や貯金と聞くと、やらないといけないと思いつつ、正直つまらないなどのネガティブな印象を抱く人も少なくないはず。僕のチャンネルでは、節約・貯金のメリットを含むマインド的な部分から、具体的な資産形成の方法まで紹介。楽しく暮らしながら着実に貯金ができるので、より不安の少ない将来につながると思います」

手取り17万円でも月5万円の貯金ができる節約法とは

月に5万円貯めようと思ったのを機に節約に目覚めたKentaro.さん。今回は、節約をしようと思った時にやめた習慣を5つ紹介してもらった。今年こそ貯金したいけど何から始めればいいか分からない、という人はぜひ参考にしてみてほしい。

「最初に結論を言うと、節約のためにやめたのは、自分の中でコストパフォーマンスが悪い=金額以上の価値がないお金の使い方。日常的に使いがちだけど、実はコスパの悪い出費や習慣が必ずあります。それをやめたことで、当時手取り17万円でも月5万円の貯金ができました。今から紹介する5つを実践してみてください」

節約するためにやめたこと(1)「見栄を張ること」

「見栄は、コスパの悪い出費を生む最大の要因です。具体的には、高級ブランド品やインスタ映えのための旅行、周り(の知人など)に合わせた買い物などです」。つまり人からいいなと思われたい、自慢したいなど、人目を気にしたお金の使い方=見栄と定義する。「人は多少なりとも承認欲求があるので、見栄でお金を使いがち。僕もかつてはそういった買い物がありました。でも節約のために捨てました。というのも、見栄には終わりがないからです」

例えば、ヴィトンの財布を見栄で買って周りの人にうらやましがられても、ほかの人がエルメスのバッグを持っていたらそれも欲しくなる。このように周りを気にしていたら、お金がいくらあっても足りない。「人からの評価・見え方を軸にしていると、自分の心が本当の意味で満たされることは絶対にないんです」。しかも、人は他人にはそこまで興味がない。「自分ではブランド物を買って自慢した気になれるかもしれませんが、周りは意外となんとも思っていないものです」

他人に関係なく、自分自身が心から満足できるなどの理由でブランド物を買う、資産価値を考えて高級腕時計を買う、などは非常にいいお金の使い方だという。「考えるべきなのは、自分がなぜそれにお金を使うのか、という点。言い換えれば、モノ自体に必要性や価値を見出しているのか、それとも、その高級品やブランド物を持って周りからカッコいいと思われたいのか。後者であれば、それは見栄なので自分は買いません」

節約するためにやめたこと(2)「1人での外食」

1人で外食するくらいなら、多少手間がかかっても自炊をした方が得

「以前は自炊が面倒な時に一人で外食していたのですが、やめました。理由は単純に値段が高いのと、得られるメリットが手軽さだけだからです」とKentaro.さん。

「ほかの人との外食なら、例えば1000円の外食をするにしても、その人と過ごす時間や会話の内容も価値になります。一方、1人の外食は手間を省いておなかを満たすだけ。同じお金を使っていると考えた時に、1人の外食はコスパが悪いと判断したので僕はやめました」。1人でも料理の時間や片付けの時間を省けるメリットがあるではないかという反論もあるが…。「でも実際のところ、時間を得てどうしていますか?ということです。1人の外食で得た時間でスキルアップや副業、仕事をしていれば収入アップにつながるのでいい。外食も1つの『投資』と言えるためです。でも大半の人は外食で時間を得てもスマホをいじる、テレビを見るなど特に目的なくダラダラ過ごしていませんか。少なくとも僕はそうでした」

結局時間を無駄にするくらいなら、自炊して支出を抑えるほうがいいという。「自炊といっても料理は20分くらい、片付けも5〜10分で終わります。スマホをいじる時間が30分くらい減ってもデメリットはないと思いませんか?」

節約するためにやめたこと(3)「広い人付き合い」

人脈が大事、知り合いを増やすのが重要とよく言われる。「僕も以前はいろいろな飲み会に顔を出したり、人と会う予定を結構入れたりしていました。でもやめました。その理由は、単に知り合いの数を増やしても意味がないことに気づいたからです」

理由は「浅い付き合いの人がいくら増えても、自分にメリットが全然ないから。自分が困っている時に助けてくれるわけでもないですよね。そもそも、自分も浅い付き合いしかない人を助けようとは思わないないですから。人付き合いを広げようとすると、当然お金も時間もかかります。すると、自分にとって本当に大事な人のために使うお金や時間が少なくなってしまうのです」

困っている時に親身になって助けてくれるのは、家族や友人など狭くて深い関係の人だという。「僕も過去にメンタルが病んだ時期がありましたが、身近な家族や友人に支えてもらいました。その時に痛感したのは『時間もお金も、身近な人のために使おう。狭くて深い関係を大事にしよう』ということ。いろいろな考えもあると思いますが、目的や理由もなく浅い知り合いを増やすくらいなら、少数精鋭にしてより深い関係性を築くべきだと僕は思います。お金も時間も節約できますし、捻出したお金や時間を大事な人のために使えるので、幸福度も高くなります」

節約するためにやめたこと(4)「現金を持ち歩くこと」

クレジットカードなら、こまごまとした買い物を節約できる

「これは、常に買い物できてしまう環境をなくすのが目的。以前は財布の中に1〜数万円くらいは入れてましたが、今では数百円ほどしか持ち歩きません。僕は財布にお金が入っているとついコンビニなどに寄って買い物をするクセがありました。そこで、持ち歩く現金の額を極端に少なくして、支払いをカード決済に統一。すると、無駄遣いが自然となくなりました」

カードの方がついお金を使ってしまうのでは、と感じる方もいるだろう。ただ「カードを使って買い物すること自体、実は現金よりも心理的ハードルが高いように感じます。カードを使ってまでコンビニでスイーツを買わなくてもいいか、という感じ。また、カードは請求額を知った時にビビるリスクがあるので、小心者の僕にはちょうどよかったんです」

また、現金払いでは家計簿をつけないと支出管理ができないのに対して、カード払いなら毎月の明細や家計簿アプリで簡単に支出を把握することができるのもポイント。「僕は家計簿がどうしても続かなった。カードに統一したら無駄遣いを減らせたうえ、家計管理の面でもメリットが大きかったですね」

節約するためにやめたこと(5)「セールでの買い物」

「僕は服が好きで、以前はセールでたくさんの買い物をしていました。ただ、セールで買った服の大半が、結局すぐに着なくなると気づいたのです。その理由は『欲しいから買ったのではなく、セールで安いという理由で買っていたから』」

セールはテンションが上がって、財布の紐が緩みがちになり、残りの点数が少ないと聞くと、今買わないと損だと考えがち。「冷静に考えたら、特に欲しくもないのに安いから買ったという経験がけっこうありました。最初から欲しいと思っていなかった物なので、結局着なくなり買ったことを後悔することが多かった。似たような経験はありませんか」

買う時だけ安く買えても、使わなかったら単なる無駄遣い。逆に値段が高いものでも、たくさん使えばコスパは良くなる。「例えば、2万円のシャツとセールで5000円のシャツがあったとします。一見、2万円のシャツはかなり高額ですが、100回着れば1回200円です。セールで5000円のシャツを手に入れても気に入らず5回しか着なかったら1回1000円もします。僕はこの着用1回あたりの値段を考えるようになり、安いという理由だけで買うのは実はコスパが悪いことだと気付きました。逆に、本当にほしいものは高くても定価で買うようになりましたね」。セールで買い物をする際には、値段だけではなく心からほしいと思えるものだけを買うようにしたい。

以上が、Kentaro.さんが節約するためにやめた5つのポイントだ。単純にケチケチと出費を削るのではなく、不必要な出費を見極めて削るという考えはためになるところが多いだろう。節約を頑張りたいけどなかなか続かない、貯金したいけどついお金を使ってしまう方は、ぜひ参考にしてほしい。

取材・文=斉藤育世(エディターズ・キャンプ)