ボヨヨ〜ンでお馴染みの夫婦漫才師「かつみ♡さゆり」のさゆりさん。夫のかつみさんが結婚前から多額の借金を背負っていた話が有名だが、その後も借金返済のために始めた事業に失敗!同棲・新婚時代は想像を超える極貧生活を送っていたそうで、この連載ではそんな生活の中で生まれたさゆりさん独自の節約レシピと、お金にまつわるちょっと笑えて、ちょっと泣けるエピソードもお届け。
第11回の今回は、なぜかファンの方がいつもくれる「じゃがりこ」を使ったお手軽メニューです。
いつも「じゃがりこ」をくれるファンから始まった、謎のお約束
こんな私にも生放送終わりに、局の前で待っていてくださるファンの方がいまして。その中にいつも「じゃがりこ」をくださる方がいらっしゃって、武藤さんとおっしゃるのですが、私は感謝を込めて“じゃがりこちゃん”と呼ばせていただいています。これがきっかけで、他の方からもいただくようになったんです。おそらく、もらった時に私が喜んで「めっちゃ助かる!」と言ったから、純粋に好きなんだろうと思われたんだと思いますが、実はお料理に使っていました。今回使った「じゃがりこ」も、そんなファンの方にいただいたものです(笑)。
「じゃがりこ」で作るコロッケのタネに、老舗の味をプラス!
お料理名は「じゃがりコロッケ」で、昔からそう呼んでいます。まず、「じゃがりこ」はあの容器のままお湯を入れてマッシュ状につぶしていくんですけど、こんな簡単なことなくないですか?この時、様子を見つつ、水分量を多めにするとコロッケがおいしくなります。一番使いやすいお味は定番のサラダ味ですけど、最近はいろいろな種類があるので、それによって具を変えると味も変わって面白いです。
天下のカルビーさんのお味なので、間違いなしの失敗なしです!プラス私はそこに、調味料を少々加えています。大阪にすっごくコロッケが有名な中村屋さんというお店があって、初めて食べた時はあまりのおいしさにびっくりしました。ちょっと甘くて、ソースを付けなくてもそのままでおいしいんですね。それで、その中村屋さんの甘みに近付けたいので、マッシュにしたタネにちょっとのお砂糖と顆粒のコンソメを入れるんです。かつみさんははっきりした味が好きなので、しっかり目の味付けになってます。
めんどくさいから生まれた、ヘルシーでお手軽な独自の“衣”
そして、ここからがポイントなんですけど、衣をつける工程ってめんどくさいじゃないですか。それと私は美容にもこだわっているので、油で揚げずにうすあげを使うんです。半分にカットして、いなり寿司の要領で中に「じゃがりこ」で作ったタネを入れるんですけど、この時にうすあげをクルッとひっくり返して、油の面を内側にするんです。
なんで、そうしたのかは昔すぎて自分でも覚えてないんですけど、もしかしたら、表バージョンもやってみて、結果的にこっちの方が好きだったから、裏表が定番になったのかもしれません。これを少量の油で焼くと中はジューシー、外はカリっとになるんですよ。端っこのところがカリカリになって、そこもおいしいですよ!
今回は、家に「塩とごま油味」と「たらこバター味」があったので2種類作ったんですけど、これは1個でもお腹にがっつり来るんです。で、2人分作ってもタネが残ったので、それはポテサラにしました。
ニンジンのグラッセを作った時のアレが、いつものポテサラの旨味を増大
今回、新たに編み出した技で作ったら、めちゃくちゃおいしかったので聞いてください!
まず、コロッケに添えたニンジンのグラッセ。これも作るのは簡単で、バンバンバーンと切ったニンジンを耐熱ガラスの容器に入れて、そこにマーガリンと砂糖を加えて4分レンジでチンするだけなんですけど、その時、耐熱ガラスにマーガリンと砂糖とニンジンの旨味が出たお汁が残るんですよね。そこにコロッケのタネの残りを入れて混ぜるとグラッセの甘い味が移って、よりおいしくなったんです。それにきゅうりとニンジンを切ったものを放り込んで、マヨネーズを入れたら、いつも以上においしいポテサラができました!
ポテサラこそ、「じゃがりこ」で作るべきですよね。絶対ラクですから!「じゃがりこ」で作ったポテサラの完成品を食卓に出すと、かつみさんは「じゃがりこ」製とは気付きません。安定の“かつみさんは分からない”シリーズの一つです。「今日のやつ、おいしいなー」って言ってましたけど、そりゃそうよ。元はカルビーさんのお味だもの(笑)。
「じゃがりコロッケ」を作りながら感じる、多くの方へのありがたみ
「じゃがりコロッケ」を作り始めたのは“じゃがりこちゃん”にもらうようになってからなので、2000年以降なのは間違いないですが、いつからかは正確に覚えてないです。あと、「じゃがりこ」って楽屋のケータリングにある率がすごく高いので、ある場合はいただいて帰るため、家に「じゃがりこ」があることが多いんですよ(笑)。
今回はこの場をお借りして感謝の言葉を…。いつも「じゃがりこ」をくださるファンの皆さま、そしてケータリングを用意してくださるスタッフの皆さま。私とかつみさんは、皆さまのおかげで生きています!私たちの食生活を支えていただき、本当にありがとうございます!お陰さまで、今はきゅうりやニンジンも入れられるようになりました。本当に幸せです〜!
この連載で料理の写真を撮るようになって、今はこんなに彩りを加えた食事ができるようになったことに気付き、「本当に感謝やな〜」とかつみさんと話しています。写真を撮るから、変化していることを実感できるんですよね。昔はお料理に色がないぶん、折り紙で鶴をつがいで作って食卓に置いてみたりしていたんですけど、今はお料理そのものに赤や緑などの食材が入れられる。借金を返済しながら安定した生活を送れているのは、皆さまのおかげです。ここまで来させてもらえて、本当に感謝、感謝です!
♡さゆりの節約レシピ/「じゃがりコロッケ」
私がお料理するときは、ぜ〜んぶ目分量!なので、お好みの味で仕上げてくださいね♡
1.じゃがりこにお湯を注いでつぶす
カップにそのままお湯を注いで、つぶします。コロッケの時は少しやわらかめがおすすめです♡
2.味付け
中村屋さんのコロッケを目指して、お砂糖とコンソメ顆粒を少々。
3.うすあげで包んで焼く
うすあげを半分に切って裏返します。じゃがりこを詰めたら爪楊枝で止めて、オリーブオイルで焼いたらできあがり♡
♡さゆりの節約レシピ/「ニンジンのグラッセ」
1.味付けしたニンジンをレンジでチン
切ったニンジンを耐熱ガラスの容器に入れます。そこにバターとお砂糖をかけて、電子レンジで4分チンしたら完成。楽々なのに、すっごくおいしいです♡
♡さゆりの節約レシピ/「じゃがりこポテサラ」
1.じゃがりコロッケのタネに野菜とマヨネーズを入れる
余ったじゃがりコロッケのタネに、きゅうり、ニンジン、マヨネーズを入れて混ぜるだけ!グラッセで使った耐熱容器を使うと、甘いお味が移っておいしいです。
取材・文=及川静