貯金系YouTuberが「まず100万円、次に500万円貯めると人生が変わる」と言い切る7つの根拠

2022年3月23日

こんにちは、貯金系YouTuberのKentaro.です。「20代から身につけたいお金の考え方」についてお話ししていますが、連載2回目の今回のテーマは「貯金が人生を変える可能性」です。貯金といっても、実際いくらに目標を設定すればいいのか。僕はまず100万円を目標に、それをクリアした方は次に500万円をぜひ目指してほしいと思います。今からその理由をお話しします。

貯金系YouTuberのKentaro.さん


100万円を貯められない人は、一生お金に困り続ける

突然ですが、貯金100万円と聞いてどんなイメージがありますか?少し時間をかけて頑張れば貯められる金額だと感じる人が多いと思います。

ですが、実は達成するのが非常に難しい。僕は今でこそ1000万円以上貯金できましたが、0から100万円が一番キツかったです。この壁を乗り越えるのは本当に大きな価値がある。お金持ちになるためのスタートラインに立てるからです。

実は、100万円を貯めたら、あなたは世の中で上位に入れます。金融広報中央委員会の令和2年「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、単身世帯で資産100万円以下の人の割合はこんな感じです。

20代 71.5% 平均113万円 中央値8万円
30代 51%  平均327万円 中央値70万円
40代 50.7% 平均666万円 中央値40万円
50代 51.4% 平均924万円 中央値30万円
60代 38.5% 平均1305万円 中央値300万円
全体 53.4% 平均653万円 中央値50万円

中央値は下から数えてちょうど真ん中の人の数値です。平均は極端に裕福な人に引っ張られて全体の数値が上がるので、実際は平均値よりも中央値の方がリアルな標準的資産額でしょう。20代から50代では、いずれも過半数の人が貯金100万円以下です。60代は貯金100万円以下の割合が下がっていますが、これは退職金のためだと思います。

このデータで重要なポイントがあります。資産100万円以下の割合が30代以降で変わっていない点です。

20代はまだ貯金額が少ないのも分かります。でも、30~50代になっても、貯金100万円以下の割合はほぼ一定。つまり、「年齢を重ねてもずっと貯金できない人」が一定数いるということ。でも、よく見ると貯金額の「平均値」は年齢につれて増えている。貯金ができない人を尻目に、資産をちゃんと増やしている人がいる証拠です。この格差はいったい何なのか?

単純に貯金習慣の差だと思います。貯める習慣がない人は「貯め方自体を知らない」ので、いつまで経っても資産が増えない。お金に困り続ける可能性が高いということです。

貯金は急にできるようにはなりません。ダイエットでも普段通りの生活で、いきなり5kg痩せるのはあり得ない。貯金も同じ。明日になれば貯金習慣が身についている、なんてことは絶対にあり得ない。

100万円という、小さいように見えて世の中の多くの人が越えられないハードルを若いうちにクリアできれば、将来的には資産がどんどん増えていく可能性が高いでしょう。逆に、今100万円を貯められなければ、一生貯め方を知らないまま過ごすかもしれません。100万円という数字は、人生を左右するほどのインパクトのある金額だと思っています。

では、100万円の貯金に一体どんなメリットがあるのか。理由を具体的に紹介します。

貯金100万円のメリット(1)お金の使い方のスキルが身に付く

理由は貯める過程にあります。大きな富を築いている「お金持ち」に共通するのは、収入が多いということ以上にお金の使い方がうまいことだと思います。無駄な物にはお金をかけず、必要な物や価値ある物にお金をかけます。物があふれる貧乏な人の家に比べ、お金持ちの人の部屋はすっきりしているものです。

貯金するには、無駄遣いをなくさないといけない。そのためには、自分にとって何が無駄かを一生懸命考える。無駄な出費が分かれば、逆に何が必要な出費か、いいお金の使い方なのかも自然と分かってきます。

100万円を貯める過程で、支出を抑える習慣が身につく


100万円貯金できるということは、余計なものにお金をかけない、必要な物・価値ある物にお金を使う、というお金持ちの人と同じ能力がある程度身に付いたということです。この能力は、将来的にもずっと使える最強スキルです。

0から100万円を苦労して貯めることができたら、貯め方を体感として理解しているので、そこから200万円・300万円は比較的楽に貯められるでしょう。そして気付いたときには、大きな資産を築くことができているはずです。

貯金100万円は、お金持ちになるための最初にして最大の壁。それを越えることでお金の使い方や貯めるスキルが自然と身に付くので、単なる数字以上の価値があると思います。

貯金100万円のメリット(2)ストレスが少なくなる

まとまった貯金があれば心に余裕ができるからです。僕は、ストレスや悩みの大きな要因としてお金が非常に大きいと思います。

給料日前はカツカツで余裕がない、毎月の支払いがしんどい。結婚式のご祝儀や税金などで急な支出でイライラするなど、お金がないことで辛い気持ちや嫌な気分になった経験はありませんか?僕も貯金がなかったころは、例えば友達の結婚式で本当はめでたいはずなのに、ご祝儀の3万円を出すのが嫌だなと感じていました。100万円貯金できれば、そんなストレスは本当に少なくなります。

また、心の余裕があればやりたいことにも挑戦できますし、結果も出やすい。実際に僕はYouTubeを始めるにあたってPC・カメラ・マイクなどで総額50万円ほどを使いました。これができたのは、僕がしっかり貯金していて、お金と心に余裕があったからです。

またYouTubeも最初は全く伸びず、5か月間は収益ゼロでしたが、貯金があったからこそ焦らずに続けられました。そして視聴者のみなさんのおかげで今は収益化でき、少しばかりのお金を得られるようになっています。しかし貯金がなければ初期費用で50万円も使えないばかりか、結果を焦って精神的に追い詰められていたと思います。

100万円の貯金があれば、心の余裕ができる上にやりたいことにも挑戦できるので、本当にストレスが減ります。ストレスが減れば、当然幸福度も上がります。

貯金100万円のメリット(3)資産形成のスタートラインに立てる

投資を始めることが現実的に可能になる、ということです。資産を増やしていく上では、貯金より投資の方が効力が大きい。銀行の金利は0.001%程度なので、預けていてもお金は増えませんが、一方で投資をすればお金を増やすことができます。

世界経済は長期的に見て成長しています。インデックス投資という、簡単に言うとアメリカ経済や世界経済全体への投資を行えば、短期的には変動があるものの、長期だと年利3〜7%は期待できると言われます。つまり、お金がお金を生むんです。

100万円を貯めれば、投資への道も開ける 


ただ、そんな投資を始めるには少なくとも100万円の貯金が必要です。失業や病気などで働けなくなった時のための生活防衛資金(生活費の半年〜2年分が目安)を確保しないといけないからです。

総務省の調査では、一人暮らしの生活費は平均月16万円ほど。個人差はありますが、貯金100万円あれば、1つの基準である生活費半年分の96万円はクリアしています。つまり最低限の生活防衛資金は確保したわけですから、投資も視野に入ってくるでしょう。

貯金100万円を達成した方は、貯め方が分かっている上に株式投資なども活用できるので、さらに大きく貯蓄できるということです。反対に、貯金が100万円ない方は、貯め方も分からなければ、投資もリスクが高くて無理。お金に悩み続けることになるでしょう。

どうやって100万円を貯めるのか

具体的な貯金の方法ですが、いきなり100万円貯めようとするのではなくて、細分化して考えるのが重要です。

例えば毎月3万円貯金すると考えたら年間36万円。約3年で貯金100万円を達成できます。同様に毎月5万円貯金できるなら年間60万円。2年弱で100万円を達成できます。月3万円・ボーナスから20万円貯金なら2年ほどで100万円貯金できます。

毎月の目標となる貯金額が決まれば、あとは自分の支出を重点的に見直して、貯金額と同じ分の支出を絞ればOKです。月3万円の貯金をするなら、3万円の支出を削りましょう。例えばスマホやサブスクなどの固定費を見直したり、コンビニや外食の頻度を下げることも大事です。継続することで100万円は自然と貯まります。

貯金500万円を貯められれば、可能性は劇的に広がる

まず100万円を貯めることがとても重要だということが理解いただけたでしょうか。後半ではさらに貯金500万円の可能性についてお話ししていきます。

100万円をクリアして可能性が広がった方には、さらに500万円という貯金額の達成を意識してほしいです。お金持ちへの分岐点となる可能性を秘めているからです。この重要性に気づけるかどうかが、人生に大きな差を生むと言っても過言ではないと僕は思っています。

まず前提として、世の中で貯金500万円以上の人はどれくらいいるのでしょうか。結論を言うと500万円を貯めることができれば、あなたは上位の少数派になることができます。冒頭で紹介した、金融広報中央委員会の令和2年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯における金融資産500万円以上の人の割合は20代で6.3%、30代21.2%、40代で28.0%、50代で31.1%、60代で42.7%。

500万円の資産があれば、どの年代においても上位層に入れます。とはいえ、該当者は単身世帯の4人に1人を占めるのだから特別お金持ちとは言えないのでは、という疑問がわく人もいると思います。にもかかわらず、なぜ先ほど「貯金500万円がお金持ちへの分岐点」と言ったのか。

お金持ちとは必ずしも大金を稼いでいる人ではなくて、お金の大事さ・価値を理解して、お金を残し、そして増やせる人だからです。無駄な支出をせずに資産を積み上げ、価値あるものだけにお金を使う人こそがお金持ちなのです。500万円という貯金額は、この条件をクリアできる可能性を秘めています。

今貯金を頑張っている方は、この「可能性」を具体的に知ることで、貯める原動力・モチベーションになるでしょう。大きく4つほど、紹介していきます。

貯金500万円による可能性(1)選択肢が広がる

貯金500万円があれば、嫌なことから逃げたり、リスクのあることに挑戦する選択肢が生まれます。これだけあれば十分に生活を守れるからです。先ほど単身世帯の生活費は月16万円強としましたが、500万円は生活費2年半分に相当するので、この期間は無収入でも生活できるわけです。

今の仕事が嫌ならとりあえず逃げる選択肢ができますし、やりたいことがあるならその分野に挑戦することもできる。人によっては、結婚・出産などの選択を取ることにもつながると思います。

僕は常々、貯金があれば「No」と言える、安心して挑戦できると言っています。経験上、その貯金のメリットを本格的に実感できるのが、500万円という金額だと思います。常に現状とは違った選択肢を持てるため、大きな余裕・安心感につながります。ぜひ貯めて欲しいです。

貯金500万円による可能性(2)無駄な支出がなくなる

保険は「貯金で削減できる固定費」ととらえる

大きな貯金ができれば、普通は払わないといけないお金を払わずに済みます。具体例が保険とローンの2つです。

まず保険について。500万円ほどの貯金があれば、医療保険等は基本的に不要になります。理由は単純に、貯蓄で全てまかなえてしまうからです。

生命保険文化センターが実施している令和元年度「生活保障に関する調査」によると、入院にかかるトータルの自己負担費用は、平均で20.8万円。正直、500万円の貯金があれば、医療保険はなくても余裕で対応できます。ちなみに僕は保険には入っていません。

また、一世帯が年間で払う保険料は、平均約38万円というデータがあります。生命保険などもデータの数字には含みますが、仮に保険の支払いを削れたら固定費が大きく浮きます。

さらに、貯金500万円があれば、ローンを組む必要がなくなります。理由は単純に、基本的に家以外のものは一括で買えるから。必然的に金利を払わなくて済み、支出が大幅に減ります。

例えば、300万円の車を買うとします。貯金がない人がローンを組み、金利5%として5年で返済していくと支払い合計は340万円になります。同じものを買っているのに、貯金の有無で数十万円も支出が変わってきます。ローン金利よりも自分で運用して得られる金利が大きい場合など、ローンが正当化される場合もあり得ますが、一般的には支出が大幅に増えると考えた方がいいでしょう。

お金持ちと言われる人たちは、無駄な支出を嫌います。なぜならお金の本当の価値を理解しているからです。今の10万円を年利5%で運用すれば、20年後に27万円になる、これがお金の価値です。逆に言えば、10万円の無駄な支出は20年後の27万円を失うと同じ意味です。

保険やローン金利などの多くの人が払っている支出を圧倒的に減らすことができれば、お金持ちに近づけるのは間違いありません。

貯金500万円による可能性(3)資産増加スピードが上がる

これが特に重要です。理由は2つ。まず1つ目は保険やローン金利への支出が減り、貯蓄へ回せるお金が増えるから。これは当然ですよね。2つ目の方が大事で、「貯金する必要がほとんどなくなるから」です。

貯金500万円という金額は、単なる貯金ではなく本格的な資産運用・投資ができる額です。先に述べたように世界経済が成長する恩恵を受けているため、貯金よりも投資の方が資産増加スピードが上がります。

投資には当然リスクもありますから、数年以内に使う予定があるお金は、現金で貯めておくのがセオリーです。ただし貯金が500万円あれば、近い将来で必要になる現金は十分カバーしている可能性が高いですよね。暴落が来ても投資を続けられるでしょう。投資は回せる金額が大きいほどより大きな利益を手にできます。

実際、全米株や全世界株に年利5%で20年間積立て投資をしたケースで考えると、積立額が月1万円なら20年後の積立総額は240万円。運用総額は約411万円。月3万円なら20年後の積立総額が720万円。運用総額は約1233万円。月5万円なら20年後の積立総額が1200万円。運用総額は約2055万円。月10万円なら20年後の積立総額が2400万円。運用総額が約4110万円…。

500万円貯めることができれば、それまで貯金に回していたお金の多くを資産運用・投資に回すことができます。要するにそれだけお金がどんどん増えていきやすくなるということです。

お金持ちの人はまずお金を残し、そして投資で増やしていきます。投資・資産運用は回せる金額が大きく時間が長いほど有利です。その意味で早いうちに500万円貯金して投資を本格的に始められるかが、お金持ちになれるどうかの分岐点だと思います。

貯金500万円による可能性(4)いいお金の使い方ができる

これは僕が実体験として、強く感じることです。昔の僕は、通帳の預金残高が増えていく快感に目覚めて貯金至上主義になり、お金を使うのは悪、貯めた方が気持ちいいと感じてしまっていました。

でも一方で、お金を使うことで大きな喜びを感じられるものも世の中にはたくさんあります。貯金至上主義になると、お金を使うことに抵抗を感じ、経験という大きな財産を失う可能性がでてきます。

でも500万円貯められれば、ある程度お金の不安が取り除かれて、余裕が出てきます。お金を使うことに対する抵抗感が、いい意味で少しずつなくなっていきます。

僕の場合、具体的には年に数回は高級レストランに行く、旅行に行ったらケチらずにお金を使う、親しい人は惜しまずプレゼントする、長く使うものにはお金をかける、などです。一方で節約スキルは十二分に身に付いているので、変な無駄遣いはほぼしません。

貯金があればケチらずに、旅行など「いいお金の使い方」ができる


お金を使う対象は値段以上の価値があるもの、自分が納得したものになるので、「貯める」「使う」がかなりいいバランスで両立できます。実際に僕も貯金500万円を超えたあたりから使う方にも目を向けるようになって、自分なりにメリハリのあるいいお金の使い方ができるようになってきたと思います。そうすれば、幸福度や人生の充実度が上がります。

貯金500万円は人生の分岐点になる

最後に僕の言いたいことですが、改めて「貯金500万円は人生の分岐点」になります。人生の選択肢が一気に広がり、保険料やローン金利への支出を減らすことができ、投資に大きなお金を回せるようになります。つまり余計な支出を省いて投資でお金を増やすという、お金持ちに共通するいいループに入ることができるのです。

おのずと500万円を貯められた人は、さらにどんどん資産を増やしていけるはずです。ちまたではよく、貯金1000万円が人生の分岐点と言われます。確かにその通りだと思いますが、個人的には500万円の方が実はインパクトが大きいと思っています。

ここまで紹介した500万円を貯める方法は、基本的に100万円貯めるまでに身につけた習慣を継続するだけです。見栄を張ることなく、淡々と積み上げていきましょう。そこからさらに「ふるさと納税」などのお得な制度を活用すると、支出が減ってより加速度的に貯金できるようになると思います。

ぜひ、皆さんにも500万円を貯めて欲しいし、これをここまで見るほど熱心なあなたなら必ず500万円が貯められるはずです。次回は、「お金を使わない生活をするメリット」についてお話しします。

取材・文=斉藤育世(エディターズ・キャンプ)

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