こんにちは、貯金系YouTuberのKentaro.です。連載の3回目となる今回は、節約生活が最強である理由についてお話ししていきます。僕は20代後半で1000万円以上の貯金を達成し、今では昔より収入が増えた上にYouTubeの収益もありますが、支出は昔と全然変わっていません。というのも「お金は使わない方がメリットが大きい」からです。逆にそれを知らないと、収入が増えたらその分だけ使ってしまい、結果的にお金に追われるつらい生活になります。
人生の悩みの大半は、お金を蓄えれば消えるという話
節約生活イコール「つらい」「みじめ」などのネガティブな印象を持っている方も多いと思います。でもそのイメージは完全に間違いです。節約は人生を豊かにして、生きる難易度を下げてくれます。
僕自身、ここ何年も家賃なども込みで月10万円程度で生活しています。今回は前提としてなぜ生活費を下げることが大事かという話をしたいと思います。結論を言うと「生活費を下げれば大半の悩みが消えるから」です。
これを読んでいる皆さんに聞きたいのですが、今どんな悩みを持っていますか?例えば、収入が増えないなどの仕事の悩み。やりたいことができないとか、仕事内容が嫌だとか。ほかには健康の悩み。病気になったらどうしよう、とか。人間関係の悩みもありますね。職場で合わない人がいるとか、付き合いが面倒くさいとか。あと、将来への不安も。老後資金をどうするか、貯金がなくて焦るなど。だいたいこの4つくらいに分けられると思います。
これを見て、「大半の不安や悩みは、お金に紐付いている」と思いませんか?仕事の悩み・将来への不安は直接的ですし、健康もお金である程度解決ができます。人間関係の悩みは一見微妙ですが、正直お金があれば自然と解消されます(詳しくは後で触れます)。
毎月使う生活費を下げれば、収入が変わらなくても普通に生きられるので、お金にも心にも余裕がでます。だから、大半の悩みがお金に紐付いているとしたら、生活費を下げることが悩み・不安の解決に最もつながるわけです。それだけにとどまらず、生活水準を下げることで人生の充実度は間違いなく上がります。これから生活費を下げるメリットを7つ紹介します。
生活費を下げるメリット(1)幸福を感じやすくなる
生活費を下げると、普段の何気ない瞬間の幸福度が爆上がりします。というのも人間が幸福を感じるのは「ギャップがある時」だからです。例えば僕は毎日自炊をしていますが、だからこそたまに食べる外食がめちゃくちゃおいしく感じます。
吉野家の牛丼もかなり旨いし、大戸屋なんて最高です。焼肉に行ったら、飛びます。些細なことで幸福を感じられるのは、生活水準を下げて毎日自炊をしているからです。だからこそたった300円程度の牛丼で十分な幸福感を得ることができます。一方で、普段から外食をしている人はたぶん、高級寿司などに行かないと幸福感は得られないはずです。
つまり日ごろの生活水準によって、幸福を感じる基準が大きく変わるということです。その理由は普段の生活とのギャップです。それなら生活水準が低い方がお得・コスパがいいと思いませんか?
もちろん質素な暮らしはいやで、たくさん贅沢がしたいと思う方もいると思います。ただ、人間は習慣の動物です。毎日贅沢していても慣れてしまえば、幸福度は薄れていきます。それなら日ごろの生活水準を低くして、たまの贅沢で最高の至福の時間を楽しんだ方がお得だと思います。
生活費を下げるメリット(2)自分にとって大事な物がわかる
使えるお金が減れば、無駄遣いをしている余裕がなくなるので、物でも人間関係でも1つ1つに対して本当に必要かを吟味しますよね。必然的に自分の中で無駄な物・余計な物がどんどん削ぎ落とされるので、自分にとって優先度の高い物、本当に価値がある物だけにお金を使うようになります。結果的に、自分にとって大事な物が分かるというわけです。
実際に僕も生活費を下げるにあたって、普段何気なく買っていた物やなんとなく参加していた飲み会を、自分にとって本当に必要かを考えるようになりました。じっくり吟味していくと、自分にとって絶対に必要なものはそこまで多くないことに気づきます。
物が増えないので、家賃の高い広い部屋も要りません。人付き合いの範囲も広げないので、余計な交際費もかからず、狭く深くの心地よい人間関係を築けています。生活費を下げることで自分にとって大事なものを知るのは、幸福度を上げるのにとても重要なことです。
生活費を下げるメリット(3)損をしなくなる
買い物で損はしたくないですよね。生活費を下げることで、買い物の際に本当に必要かどうかに加え、物が持つ価値を気にするようになります。ここで言う価値とは、自分が得られるメリット・満足感、そして「リセールバリュー」です。
ここで着目すべきは、リセールバリューです。これは、売った時の値段のこと。市場で人気・価値があると評価されるものは、売った時にも良い値段がつきます。例えばApple製品は状態次第で定価の半分以上の値段が付くこともあります。生活費を下げる中で、自然と物を見る目・調べる癖がどんどん養われるんです。
例えば、定価5万円の掃除機を購入する場合を想定します。この時にリセールバリューまで考えるとどうなるか。その掃除機が定価5万円と高額でも中古で3万円の値がついていれば、リセールバリューが高いので新品で買ってOKと判断できます。使わなくなっても売って回収ができるからです。
一方で、定価5万円でも中古市場では5000円まで値が下がるものなら、リセールバリューが低いので、中古で買うのが合理的です。リセールバリューまで考えれば、その物が持つ本当の価値を考えながら買物をするようになります。どうすれば自分が最も得か、損失がないかの判断ができるので、結果的に損をすることがなくなります。
生活費を下げるメリット(4)健康になる
生活費を下げると、間違いなく健康になります。体に悪いことが金銭的にできなくなるからです。体に悪い物といえば何を思い浮かべますか?パッと思い浮かぶのは、ジャンクフードやタバコ、酒などです。でも生活費を下げるとなったら、毎日自炊をするのでジャンクフードを食べることはなくなりますし、タバコを吸う余裕もなくなります。お酒も確実に減ります。
つまり、生活費を下げることで本当に必要な物以外の支出がなくなり、結果的に体に悪い物が生活から排除されるので、健康な体も手に入ります。実際に僕も生活水準を下げて、食事は自炊、タバコは吸わない、お酒は少々といった生活を何年も続けています。健康状態は良好で、体調を崩すこともほぼないです。
20代後半という年齢的に周りの友達は結構お腹が出てきていますが、僕はかなりスリムな体型をキープできています。もちろん個人差はあると思いますが、規則正しい生活やバランスのいい食事を続ければ、そこまで健康面を不安に感じる必要はないかと思います。生活費を下げて素朴な暮らしをすると、勝手に病気の予防にもなるので、健康面からもおすすめです。
生活費を下げるメリット(5)心に余裕ができる
これが生活費を下げる最大のメリットです。生活水準が低ければ貯金ができて、労働のプレッシャーからも解放されるからです。例えば同じ手取り20万円で、月の生活費が20万円の人と10万円の人がいると仮定します。
生活費20万円の人は、仕事を辞めたら生活ができないし収入=支出ですから貯金もゼロです。一方で、生活費が10万円の人は、かりに仕事を辞めても週に2、3日バイトすれば余裕で生活ができます。貯金も毎月10万円できるので、大きな資産を自然と築けているはず。収入が絶たれてもしばらくの間はまったく問題なく暮らせるでしょう。この2人を比べた時に、どちらがプレッシャーがあって、どちらが余裕なのかと言われたら一目瞭然ですよね。
ちなみに僕の場合は、生活費が月10万円程度でなおかつ貯金もあるので、仮に収入が途絶えても5〜10年は余裕で生きられる状態です。
やはり心にめちゃくちゃ余裕は出ますし、そのおかげで人間関係などでもまったくイライラしなくなりました。生活費を下げておけば、収入が絶えてもなんとかなるという楽観的な思考が手に入ります。この余裕が、幸福度の高い人生につながると個人的に実感しているところです。
生活費を下げるメリット(6)やりたいことができる
生活費を下げることで、やりたいことに挑戦するハードルが低くなる。貯金による心の余裕があるからです。やりたいことに挑戦するには、お金と時間を無駄にするリスクや収入が下がるリスクを負う必要があります。
例えば、YouTubeをやりたいと思った場合を考えても、機材にお金をかけて動画作成に時間を使ってもまったく稼げないリスクがあります。起業であれば、安定した収入がなくなるので、一時的に収入はゼロになりますし、事業に失敗する可能性もあります。もし生活費が高くて貯金がない状態だと、リスクを取ることができません。
単純にリスクをとって失敗したら、生活が破綻するからです。結果的に、やりたいことがあっても挑戦できない状態になります。一方で、生活費を下げて貯金がある状態を作っておけば、リスクのある選択ができます。仮にYouTubeで失敗してお金を無駄にしても生活へのダメージは非常に小さいですし、起業や独立で収入がゼロになっても貯金だけでしばらく生きていけるからです。
僕の経験からも言えますが、やりたいことに挑戦した方が絶対に人生はおもしろくなると思います。僕は総額50万円ほどかけてYouTubeを始めましたが、日々動画を作ったり分析したりして改善するのが、新鮮で楽しいです。このおもしろさも、貯金のおかげで「収益が出なくても大丈夫」という心の余裕があったからこそ、味わえているものです。
生活費を下げて貯金をすることで、心の余裕が生まれます。やりたかった仕事に転職したり、起業・副業に挑戦したりするハードルは確実に下がるので、人生の充実度に直結すると思います。
生活費を下げるメリット(7)不安がなくなる
先に、大半の悩みはお金に紐付いていると言いました。忘れてしまった方は戻ってみてください。ここまで話したことを答え合わせすると、生活費を下げればあらゆる不安が解消されることが分かると思います。
まず仕事の悩みですが、別に嫌な仕事で無理に稼ごうとする必要はないと思えるし、起業・転職・副業などやりたいことに挑戦できます。健康の悩みも、質素な暮らしをすれば病気の予防もできますし、病気になっても貯金があるので普通に治療ができます。人間関係の悩みも、貯金による心の余裕があれば人にも優しくなれるし、ストレスを感じなくなります。職場の人がどうしても合わない場合も、貯金があれば仕事を辞めて人間関係をリセットすることも可能です。老後や将来の不安も生活費が低ければ、老後に必要なお金も減ります。
老後に2000〜3000万円必要と言われて危機感を持っている人も多いと思いますが、実際に必要な金額は、老後の年数×生活費です。生活費を下げている人は、老後に必要な金額も2000〜3000万円より低くなりますし、貯金も自然にしっかりできるはずなので、貯蓄と年金で対応できます。大半の不安や悩みは、生活水準を下げれば解決できます。
使うときにはしっかりお金を使うことが大事
ここまで節約生活のメリットを話しましたが、念のために言っておくとお金を使うことを否定しているわけではまったくありません。お金を使わなすぎることにも弊害はあるからです。例えば、そのお金で得られるはずだった経験を失ったり、ストイックに節約しすぎると健康を害したりする可能性が考えられるでしょう。そこで大事になるのが、基本的には生活レベルを下げつつ、使うべき場面ではしっかりお金を使うことだと思います。
僕の場合は、家賃などの毎月の固定費となる部分の支出は抑えながらも、新しい経験や健康にかかわる出費は惜しまないようにしています。ピンポイントでお金を使うようにしたことで、お金を使わない生活のメリットを享受しながらも、日常の充実度が以前よりも増しました。
さらに自分が本当に欲しい物は買うべきだと思いますし、経験にお金を使う・自己投資するのも大事なお金の使い方です。何が言いたいかというと「いいお金の使い方をするのが大事」ということです。
普段からお金を使わない生活をしていれば、貯金も自然と増えるだけでなく、価値を判断する目や自分の中での軸が養われます。そうすれば、本当に欲しい物ができたときに思い切って買うことができたり、心からやりたいことに自信を持ってお金を使うことができたりするわけです。
お金を使わない生活というと、ケチケチしたつまらない暮らしを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は「幸せを感じやすい非常に合理的な生き方」だと断言できます。みなさんには、収入が上がっても調子に乗ることなく、お金を使わない生活を実践してほしいです。そうすれば、貯金がどんどん増えるのはもちろん、大事な時にしっかりお金を使えます。それが必ずや幸福度の高い暮らしにつながるはずです。
次回は「節約生活はつまらない」という誤解についてお話しします。
取材・文=斉藤育世(エディターズ・キャンプ)