貯金系YouTuberが語る「貯金についてのよくある勘違い4選」節約生活がつまらないというのは大きな誤解

2022年4月19日

こんにちは、貯金系YouTuberのKentaro.です。今回は「貯金にまつわる勘違い」というテーマでお話をします。みなさんの中には、自分は貯金ができないと悩んだり、貯金するのは損でお金を使った方がいい、など貯金に対してマイナスの印象を持っている方もいると思います。また、自分では貯金を頑張ろうと思っているのに、周囲やネット上で「貯金は悪」のように言われてモチベーションが下がっている方もいるでしょう。

でも貯金をすることを妨げるイメージは単なる思い込みで、間違ったものが多いと僕は感じています。貯金に関して勘違いしたままだとお金も貯まらないですし、何より人生がしんどくなります。

貯金系YouTuberのKentaro.さん


ここでは、節約や貯金へのありがちなイメージや、巷で言われていることの中から「これは違う、信じると危険では?」と感じたものを4つほど選んでみました。貯金へのネガティブな勘違いが解消されれば、お金を貯めるモチベーションが高まり、余裕のある楽しい生活ができるはずです。

貯金に対する勘違い(1)節約や貯金はつらい

貯金のために節約して支出を下げると聞くと、どうしても生活の満足度が下がる、つらくてしんどいイメージを持つ方もいると思います。でも、これは完全な間違いで、支出を下げても別につらくありません。節約とは値段に見合わないもの、不要なものを見直すことだからです。

分かりやすい具体例は固定費の見直しです。固定費とは、毎月決まってかかる費用のことです。今すぐできる固定費の見直しとして、スマホをキャリアから格安SIMに変更する、いらない保険を解約する、電力会社を乗り換える、などが挙げられます。このたぐいの固定費の見直しって、そもそも不要なものをやめたり、機能は同じでも安いものに替えているだけなので、別に自分の生活満足度は変わりません。

僕も固定費は削っていますが、単に支出が減ってその分貯金できているイメージです。たぶん節約がつらくて大変だと思っている方は、安いスーパーをはしごしたり、友達との外食を我慢するなどといったイメージがあるんだと思います。でも、それは節約じゃなくて単なるケチです。

僕は節約とケチは明確に違うと思っています。節約は不要なものを見直し、削ること。価値がある・必要なものにはお金を使います。対してケチとは、必要な支出まで減らそうとしたり、人に迷惑をかけたりする支出の削り方のことです。当然ケチな生活はつらくて嫌になると思いますが、そこまでしなくとも不要なものをなくすだけで支出は減らせます。

なので、節約がしんどいという認識は誤りです。むしろ、節約を実践すると「無駄な出費を減らせたな」とすがすがしい気持ちになるものです。すでに節約生活に成功している皆さんも、きっと似たような感覚じゃないでしょうか。

節約をしていない人は「支出の見直しって面倒だな」と感じると思いますが、まずは固定費の見直しなどを行うなどして、節約の気持ちよさを味わってもらえたらうれしいです。

貯金に対する勘違い(2)貯金する人生はつまらない

僕のYouTubeのコメントで、「貯金している人は人生の楽しさを犠牲にしている」「お前、人生つまらなさそうだな」とよく言われます。確かにお金は使うためにあるので、貯金に全振りしていると人生がつまらなくなるという意見はかなり納得できます。

でも僕は、貯金すると人生がつまらなくなるとはまったく思っていません。貯金がなかった20代前半のころと貯金がある今を比べたら、今の方が圧倒的に楽しいと感じています。貯金があることで余裕が生まれて、気持ちよくお金を使えるからです。

アメリカの調査結果でも、貯蓄額が増えていくほどに幸福度も上がっていくというデータがあります(ピークは1億円)。これはおそらく、貯金があるほどに自分の人生をコントロールできるからでしょう。貯金はつまらないものではなく、むしろ自分の心を自由にし、人生を豊かにしてくれるものだと考えられます。

あと、ちょっと考えていただきたいのですが、持っている貯金の額によって、お金を使うハードルが変わると思いませんか?例えば、貯金500万円の人と貯金10万円の人がいて、勉強したいことがあり、その教材が10万円するとします。この時、貯金500万円の人は教材を普通に買えると思いますが、貯金10万円の人は教材を買ったら全財産が消えるので、買う判断はほぼできないでしょう。でも、やりたいこと・学びたいことには挑戦した方が人生は楽しくなりますよね。

つまり貯金をして心に余裕があれば、気持ちよくお金を使って挑戦するという選択肢が生まれ、ひいては人生が楽しくなるということです。

結局大事なのは「貯める」「使う」のバランスであって、0か100かという極端な考えがよくないんだと思います。貯めることに全振りすると、経験が乏しくなって確かに人生がつまらなくなるでしょう。

ただ貯金して後悔したという人は少ない一方で、貯金しなくて後悔している人は多い印象です。なので個人的には、まずは貯めること重視で資産を築き、余裕が出てきた段階で少しずつ使う方向にシフトすると、堅実かつ楽しく人生を過ごせると思います。

「貯金・節約はつらい」という誤解はなぜ生まれてくるのか?


貯金に対する勘違い(3)貯金よりも自己投資して稼ぐべき

これもコメントでよく言われます。限られた収入の中で貯金してもたかが知れているんだから、自己投資して収入を増やすべきという意見です。これもすごく納得できるもので、非常に大事な観点だと思います。手取り20万円の人が月5万円貯金するのは結構大変だと思いますが、手取りが30万円になれば生活に余裕が出るので、月5万円の貯金もしやすくなるはずです。

貯金額は、収入と支出の差なので、収入を上げた方が貯金しやすいのは紛れもない事実です。僕自身も収入を上げる努力は本当に大事だと思っていますし、動画の中で収入アップを怠っていいと言ったことは一度もありません。

一方で、貯金よりも自己投資で稼ぐべきと考えるのは少し違うと思っています。まずは支出を減らすのが大事だからです。理由は2点あって、「自己投資ではなく浪費になる場合があるから」「節約の方が簡単かつお得だから」です。

まず1点目「自己投資が浪費になる場合」についてです。その自己投資は「本当に投資になっているのか」という話です。自己投資はあくまで「投資」ですから、かけたお金以上の金銭的なリターンがないと意味がありません。例えばお金を稼ぐ時間を作ろうと思って、自己投資としてドラム式洗濯機を買ったり、ウーバーイーツにお金を使ったとします。そこでせっかく時間を作ってもダラダラ過ごしてしまったら当然収入も増えない、つまり金銭的なリターンがないので、それは自己投資ではなく浪費(消費)になります。

2点目の「節約の方が簡単かつお得」についてです。例えば、3万円収入を上げるのと3万円支出を下げるのは、どっちが簡単だと思いますか?後者の3万円節約の方が圧倒的に簡単だと思います。3万円収入を上げるのって、昇給にせよ副業で稼ぐにせよかなり大変だと思います。でも3万円の節約ならスマホ代や保険料の見直しなどで、一発で達成できますよね。また、収入が上がると税金も増えますが、節約はもちろん関係ないので、同じ金額を貯める上でもお得です。

以上のことから言えるのは、自己投資で収入を上げる視点も非常に大事ではあるのですが、まずは節約で支出を抑える方が優先だということです。その後に自分でよく考えながら、本当の意味で自己投資になるものにお金を使うとバランスが取れると思います。

貯金に対する勘違い(4)いずれ収入が増えれば貯金できるようになる

自分が貯金できないのは収入が少ないからだとか、給料が上がれば貯金も増えるだろうと思う方も多いはずです。先ほども言ったように、収入が上がった方が貯金はしやくなります。でも収入が増えたからと言って、必ずしも貯金できるようになるわけではありません。理由としては、一般に収入が増えると支出も増えるからです。

「パーキンソンの法則」って知っていますか?簡単に言えば、支出の額は収入の額に達するまで膨張するという行動経済学・心理的な法則のことです。例えば、年収300万円で300万円を使い切る生活をしている人は、年収が500万円に上がったら同時に生活レベルも上げてしまい、結局500万円を使い切ってしまうという話です。

もっと身近な例で言うと、「1万円昇給したら、支出も1万円増えてしまった」なんて経験がある方もいるのではないでしょうか?元の給料が手取り20万円の場合、仮に1万円給料が増えて21万円になっても昇給幅は5%です。であれば本来は、自分のお小遣いも5%アップにとどめるのが適切なはず。でも人間はどうしても「給料が増えた分、使えるお金も増えた」と考えてしまい、結果的に増えた分をすべて使ってしまいがちになるのかと思います。

当たり前ですが、支出が収入に比例して増えていたら、いくら給料が上がっても貯金はできません。つまり、収入が増えたら自然と貯金もできるだろうと考えるのは「単なる思い込み」です。貯金をする上では、収入に関係なく節約をして、収入の一定額を貯蓄に回す習慣が大事。逆に言えば、支出を抑える習慣を身につけておけば、収入が上がった時に最強になれるということです。

まとめると、貯金する上で最も大事なのは「収入に関係なく」節約して支出を減らすことです。貯金できないのは今給料が少ないからだと思うのではなく、できる部分から支出を見直して少しずつ貯金していきましょう。

情報を鵜呑みにせず、自分で調べれば勘違いは防げる

最後になりますが、どうして節約はつらい、貯金すると人生がつまらなくなるなどといった勘違いに陥ってしまうのでしょうか。僕は、物事をイメージだけで判断したり、よくある意見を鵜呑みにしたりすることが原因だと思っています。

対策としては、どんな考えや意見であれ、本当にそうなのか、すべて当てはまることなのかを自分で主体的に調べることが大事だと思います。フラットな目線で自ら調べたり、いろいろと経験すれば、勘違いに陥らずにあなたの中での最適解にたどりつけるはずです。

ちなみに、僕の場合は「すべてはバランスだ」という結論に至りました。全部貯金、全部使う、全部投資、など極端なことをするのではなく、自分なりに抑えるところ・使うところのメリハリをつけたり、バランスを意識して貯金と投資を両方行ったりすることで、楽しく暮らしながら堅実に貯蓄できるなと思っています。次回は、ぜひ身に付けたい実践的な貯金習慣についてお話しします。

取材・文=斉藤育世(エディターズ・キャンプ)

ウォーカープラス編集部 Twitter