2026年3月7日(土)にオープンする新アトラクション「オフロードツーリング RINDO BIKE」と「KIDS BIKE Field」のお披露目イベントが、モビリティリゾートもてぎで3月3日に開催された。
あいにくの雨模様だが、会場の空気は不思議と温かい。栃木が誇るお笑いコンビ、U字工事の2人が持ち前の明るさで雨雲を吹き飛ばすような笑いを届けてくれた、イベントの模様と新アトラクションの魅力をお届けする。
青春時代を共に駆け抜けた相棒
「雨の中、来ていただきまして、ごめんねごめんねー!」
お決まりのフレーズで場を和ませると、「新アトラクションお披露目のうれし涙でございますね」と続けた、U字工事。2013年にオープンしたメガジップライン「つばさ」でも“最初の体験者”として空を飛んだという彼らは、モビリティリゾートもてぎとは縁の深い2人。バイクへの思い入れも、やはり格別らしい。
高校時代、旧黒羽町から大田原までの約17キロを原付で通学していたという益子さん。本人いわく、真冬には指の感覚がなくなるほどの寒さを経験してきたからこそ、「今日の雨なんか全然へっちゃら」と胸を張る。福田さんもまた、下積み時代には原付が唯一の移動手段であり、ネタ合わせに向かうときなど、生活の一部としてバイクに乗っていたそう。2人にとってバイクは、青春の記憶と結びついた大切な相棒なのだろう。
子どもたちの冒険心をくすぐるフィールド
イベントの冒頭、モビリティリゾートもてぎの稲葉光臣総支配人は「人と自然とモビリティをつなぐことで、社会にどんな貢献ができるか。それが私たちのコンセプトです」と挨拶。今回のアトラクションには、もてぎの素晴らしい里山の自然とバイクをつなげ、子どもたちにモビリティを通じた「チャレンジ精神」を伝えたいという思いが込められているという。
そんな温かい思いの詰まった2つのアトラクションを、バイクを愛する2人もさっそく体験した。どちらのアトラクションも、排気ガスを排出せず環境に優しいマシンを採用。リチウムイオン電池で動く電動バイクを使用しており、「右手がアクセルで進む、左手がブレーキで止まる」というシンプルな操作は共通だ。ブーンというエンジン音もなく、非常に静かでスマートに乗れる点も同じだが、対象年齢や走る環境に合わせて、車体の作りには大きな違いがある。
ひとつは、3歳から小学生までを対象にした「KIDS BIKE Field」。補助輪なしの自転車に乗れる子どもたちが、安心して初めてのバイクに挑戦できる場所だ。こちらの車体は比較的スリムで、より自転車に近い軽快な形状をしている。ここで上手に乗れるようになった小学1年生には、もてぎオリジナルの「ライセンスカード」が発行される。
そして、そのライセンスを手にした子どもたちが、少しだけ背伸びをして挑むのが、もう一つの「オフロードツーリング RINDO BIKE」だ。こちらは小学1年生以上の経験者向けのアトラクション。デコボコ道や急なヘアピンカーブ、下り坂やぬかるみといった本格的なオフロードコースを走るため、悪路に耐えられる太い専用タイヤを装着している。
大人も本気で楽しめる、静かで本格的な林道体験
「寒さを感じないくらいおもしろかった!」
準備されたコースを2周した2人は、すっかり少年のように目を輝かせていた。起伏のある林道は、ただ走るだけではない冒険心をくすぐる造り。大きなデコボコ道があり、最後のヘアピンカーブは大人でも気を抜けないほどの急角度。「あそこをうまく回れたらすごくおもしろい」と福田さんもすっかり夢中な様子だった。
試乗した2人から「軽すぎず、ある程度どっしりとした重みがあり安定している」「ストライダーとは違う」という感想が出たように、車体は大人が乗っても余裕で扱えるほどのしっかりとした安心感がある。そして何より、大きなエンジン音に驚くことなくスマートに乗りこなせる静かさと、右手で進み左手で止まるというわかりやすい操作性が、挑戦する子どもたちの背中をそっと押してくれる。
モビリティリゾートもてぎの豊かな里山には、およそ5800種類もの動植物が息づいている。コースの途中には鳥の巣箱がひっそりと置かれ、晴れた日には木々の間から鳥のさえずりが聞こえてくるという。今回はあいにくの雨音で聞き逃してしまった2人だったが、大自然の懐に抱かれながら走る感覚はしっかりと味わえたようだ。
「風を浴びるっていうのは、すごく大事な経験だと思う。ぜひ体験してほしいですね、大自然の中で」と益子さんは語る。最近は自転車に乗らない子どもも増えているというが、乗り物を自分の手で操り、風を切って進む楽しさは、何にも代えがたいものがある。お父さん、お母さんにもぜひ連れてきてほしい、2人はそう口をそろえていた。
雨というコンディションすら「オフロードなら望むところ」と笑い飛ばし、本気で楽しんだU字工事の2人。彼らが体感した土の匂いや、風、そして前に進むワクワク感は、これからこの場所を訪れる多くの子どもたちへと受け継がれていく。自らの手でハンドルを握り、小さな勇気を出して森を駆け抜ける。その誇らしげな笑顔が、今から目に浮かぶようだ。
取材・文=北村康行 撮影=阿部昌也