山梨で育った食材から生まれる至高のフレンチを、緑に輝くブドウ畑に囲まれた一軒家レストランでぜいたくに味わう

2024年8月30日

ブドウ畑の中の一軒家レストラン「キュイエット」

陽光を受け輝くブドウ畑の中、佇む石造りの建物。フランス・シャンパーニュ地方を思わせるその外観はどこか懐かしく、温かい。地元韮崎の人たちだけでなく県外からの客もたえない、ここは予約必須の人気フレンチレストラン「フランス料理キュイエット」だ。フランスで研鑽を積んだ山田シェフによる地場産の食材をふんだんに使った一皿を、ブドウ畑に囲まれ遠く富士山を眺めながらいただく。最高の食体験をぜひ、韮崎で。

赤い屋根が目印

木をベースにした内装。フランスの田舎の一軒家をイメージしている


山梨の味へのこだわり

果物や放牧豚など地元穂坂の食材、八ヶ岳の野菜やきのこ、肉類や川魚、ジビエなど、この土地で生まれ育った食材から「キュイエット」の一皿は生まれる。山梨の契約農家から直接仕入れる旬の食材は、山田シェフの手で華麗なフレンチの一品に姿を変える。また、モモやブドウ、リンゴなど果実栽培がさかんな穂坂のフルーツを使ったメニューも多い。「食材とその生産者への感謝とリスペクトを忘れずに、食材と料理に強く愛情を持つこと」を心がけているという山田シェフの、食材に対するこだわりは強い。


最高のロケーション

「キュイエット」は眺望もまた素晴らしい。茅ヶ岳山麓に広がる穂坂丘陵は南西に向かって傾斜しているため、その中ほどに位置する「キュイエット」からはちょうど正面に韮崎市街地や富士山を望むことができる。絶景を眺めながら楽しむ一皿は格別だ。また、周囲を一面に囲むブドウ畑が眺望に緑のアクセントを加えている。フランス語で果物の収穫を意味する「キュイエット」、その店名にふさわしいロケーションだ。実際にこのブドウ畑で穫れるブドウがメニューを彩ることもあるそう。

店内席からもテラス席からも眺めることができる、素晴らしい眺望

開放感あふれるテラス席

窓の外に広がる絶景。遠くには富士山の姿も


確かな技術から生まれる味

オーナーシェフの山田真治さんは東京での修行の後、フランスのパリとシャンパーニュの星付きレストランで本場のフランス料理を学んだ。帰国後、山梨県内のフレンチレストランでさらに腕を磨き、2003年に韮崎市穂坂町に「キュイエット」を開店。シャンパーニュの光景と重なるこの土地で、20年の歴史を持つ「キュイエット」は山田シェフとともにいまなお、進化し続けている。

オーナーシェフの山田真治さん



山梨の食材にこだわった「キュイエット」のメニュー

「キュイエット」では旬の食材を中心に、およそ2カ月ごとにメニューが変わる。「キュイエット」の一皿はその時期に山梨で仕入れることができる食材から生まれているのだ。今回は夏におすすめしたい2品を紹介する。

ぜひ味わってほしいのは「桃の冷製スープ」

山田シェフのおすすめは「キュイエット」を代表するメニューのひとつでもある「 桃の冷製スープ 」。こちらはデザートではなく、あくまでスープとして提供される。手を加えないモモの自然な甘みに、効かせた塩のアクセントが旨みを引き出す。すっきりとして夏にぴったりのメニューだ。素材となるモモは地元穂坂や山梨市の農家から直接仕入れている。開店当初から20年続くメニューであり、毎年スープの登場する時期を楽しみにしているファンも多い。

「キュイエット」を代表するメニューのひとつ「 桃の冷製スープ 」


実はモモには品種と収穫時期があることをご存知だろうか。山梨のモモの収穫時期は6月下旬から9月上旬だが、なかでも7月20日頃から収穫される「白鳳(はくほう)」と、8月上旬から収穫される「川中島白桃」、この2つの品種から「キュイエット」の冷製スープは生まれる。「白鳳」は酸味が少なくジューシーで柔らか、一方「川中島白桃」は大きく果肉は少し硬めなのが特徴。山田シェフによるとそれぞれの品種の違いから、スープの味にも若干の違いがあるとのこと。「白鳳」は7月中旬から、「川中島白桃」は8月上旬からメニューに登場するので、機会があればどちらも味わってみてほしい。

7月20日頃から収穫される「白鳳(はくほう)」は酸味が少なくジューシーで柔らか

8月上旬から収穫される「川中島白桃」は大きく果肉は少し硬めなのが特徴


やわらかく脂に甘みのある放牧豚を使ったメインの料理

また、メインに登場することが多い 穂坂の放牧豚 にも注目してほしい。近隣の「ぶぅふぅうぅ農園」から仕入れる放牧豚を使ったメインは、「キュイエット」自慢のメニューのひとつ。バラ肉はパンチェッタに、さらにそのパンチェッタでヒレ肉を巻いて低温でローストし、甘酸っぱいはちみつのソースをあわせていただく。こちらも夏にぴったりの一品だ。

放牧豚を使ったメインは、「キュイエット」自慢のメニュー


この「ぶぅふぅうぅ農園」の放牧豚は生後10日から全期間放牧というこだわりの豚だ。自由にストレスなく育てる、動物に負担のかからないやさしい飼育方法が特徴。また、予防的な抗生物質の投与は行わず、8割近くを自給の餌で育てている。放牧豚はかたいイメージがあるが、「ぶぅふぅうぅ農園」の放牧豚はとても柔らかく、脂に甘味と旨味が凝縮されている。山田シェフ一押しの豚だ。その出会いもとてもおもしろい。放牧のため、逃げてしまった豚を山中で見かけたことが「ぶぅふぅうぅ農園」の放牧豚を知るきっかけだったそう。こちらもふるさと納税の返礼品としてお取り寄せすることができる。生産量が少ないためとても貴重なのだとか。

自由にストレスなく育つことで脂に甘味が増す



テロワールによる最高の相性「マルス穂坂ワイナリー」のワイン

ワインには「テロワール」という考え方がある。その土地の土壌や気候など作物の生育環境によって育まれる作物の特徴を意味するが、同じ土地で生産されたワインと食材は相性がいいと言われている。地元の食材を使うことにこだわりを持つ「キュイエット」のメニューも同様に、穂坂の土地で生まれ育ったワインとの相性がとてもいい。車でおよそ5分ほどの距離にある「本坊酒造株式会社 マルス穂坂ワイナリー」のワインを食事と一緒に楽しむことができる。同じ穂坂、同じ山梨の土地で育った食材と「マルス穂坂ワイナリー」のワインの相性は最高だ。

「キュイエット」から車でおよそ5分の距離にある「マルス穂坂ワイナリー」


ふるさと納税ではこの「マルス穂坂ワイナリー」の見学と「キュイエット」での食事がセットになったコースも用意している。食事の前、または後に「マルス穂坂ワイナリー」を見学することができる。見学ツアーはおよそ20分ほど、スタッフが説明しながら醸造棟を案内してくれる。特に7月下旬から10月中旬のブドウの仕込み期間は実際の作業を見学するチャンス。「除梗破砕(じょこうはさい)」といって、ブドウのヘタ、茎の部分を取り除いた粒を潰す作業や、ブドウを絞るところなどを見ることができるそう。ワイン造りの作業は平日行われているため、平日の見学がおすすめ。なお、休日でも醸造棟を見学することはできる。見学のあとは、マルス穂坂ワイナリーのワインを試飲をしよう。「キュイエット」からワイナリーへ無料の送迎があるのもうれしい。

マルス穂坂ワイナリーのワインをテイスティングしよう


日々進化し続ける日本ワイン。海外のワインと比べてその独自性がおもしろく、ここ数年で特に注目されるようになった。「世界に通じるワインを造る」ことを目指して2017年に新設された「マルス穂坂ワイナリー」を訪れ、日本ワインが生まれる現場を見学して、そのおもしろさ、おいしさを実際に体感してほしい。




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撮影=吉澤咲子