山梨県韮崎市では、高校生たちが市のPRに一役買っている。韮崎市高校生連携事業企画として、市内の2つの高校が市や地元企業とコラボし、さまざまな活動を通して韮崎市の魅力を全国に発信している。そんな韮崎の高校生たちの取り組みについて紹介する。
高校生たちの社会に触れるきっかけに、そしてもっと韮崎を好きになってほしい
この企画で高校生たちは、ふるさと納税返礼品に同梱するアイテムを作成したり、返礼品を提供する事業者を訪問したり、税金の使い道をレポートしたりといった活動を行っている。学業や部活動、資格取得で学んだことの実践や、スキルアップの場として活用することができる点がひとつ。
また、生徒たちにとって、市内の多様な事業者と交流することは一般社会との接点にもなる。大学へ進学したあと、その先の将来のビジョンがなかなか見えにくいなか、身近な社会に触れることが少しでも生徒たちのプラスになれば。それもまた、この企画の狙いのひとつだ。
生徒たちに韮崎のことをもっと知ってもらい、愛着を感じてほしいという思いもあると、市の担当者は言う。市内の2つの県立高校は、市外から通う生徒が意外にも多いのだとか。地元の出身ではなく、通学のためだけに韮崎へ通う生徒たちにとって、学校の周辺以外の韮崎はあまり馴染みがない。企画に参加することが「韮崎にはこういう会社があるんだ」「こういう人たちが働いているんだ」といった、普段は直接関わる機会のない韮崎市を知るきっかけになる。生徒たちがいずれ卒業し、県外へ進学したとしても、またいつか戻りたいと思えるような韮崎での思い出をつくってほしいと、韮崎市では高校生連携事業企画を進めている。
韮崎の魅力を高校生の力で全国へ
企画には、山梨県立韮崎高等学校と山梨県立韮崎工業高等学校の2つの高校が参加している。
韮崎高校の写真部はカメラを持って返礼品を提供する事業者を訪問したり、税金が実際にどう使われているのかレポートしたりしている。生徒たちが撮影した写真は韮崎市のnoteで見ることができる。
韮崎高校の美術部・イラスト部、書道部では、ふるさと納税の返礼品の外箱や、同梱するお礼メッセージをデザインしている。
韮崎工業高校の生徒たちはふるさと納税を紹介するSNSへリンクするバナーを作成。また、同校の太鼓部はふるさと納税のPR動画に出演もしている。
韮崎工業高校太鼓部は第48回全国高等学校総合文化祭(清流の国ぎふ総文2024)に出場、創部24年の伝統ある部だ。数々の大会に出場し、また受賞歴も多い。
高校生が17万円で「やりたいこと」を実現する⁉︎
また、2024年から「高校生アイデアコンテスト SPARK」がスタート。企業版ふるさと納税を活用した新しい取り組みで、17万円あったら実現したいプロジェクトを高校生がプレゼンし、見事選ばれた10組に活動資金として17万円が提供されるというもの。じぶんの「可能性を拡げる」アイデア、いまを最高に「楽しむ」アイデア、あの人を「喜ばせる」アイデアの3つのテーマからどれか1つを選び、企画書を作り、プレゼンを行う。
現在は選考が終了した段階で、17万円を手にした高校生たちがこれから思い思いに夢を実現していく。生徒の自主性だけでなく、アイデア力、プレゼン力、また17万円という高校生にとっては大金を運用していく力まで、ビジネスに必要なスキルを身につけることができる企画だ。
中高生が放課後を過ごす場、青少年育成プラザ「Miacis」
「高校生アイデアコンテスト SPARK」の最終審査会場となったのが青少年育成プラザ「Miacis(ミアキス)」だ。JR韮崎駅を出てすぐ目の前に建つ、誰でも自由に利用できる憩いの場「韮崎市民交流センターニコリ」。夕方になるとこのニコリの地下、通称「韮地下」に中高生たちがぞくぞくと集まってくる。
「Miacis」は「中高生にとっての家でも学校でもない第3の居場所をつくろう」というコンセプトのもと2016年に開設された、中学生と高校生が自由に過ごすことのできる施設だ。
宿題をする生徒、卓球をする生徒、ピアノを弾く生徒、ゲームをする生徒、キッチンで料理やお菓子作りをする生徒、集まってきた生徒たちは放課後をそれぞれ好きなように過ごす。「Miacis」では文化祭やお化け屋敷、まちづくりワークショップなどイベントも数多く企画している。
子どもたちを見守り、そして育む韮崎
韮崎市高校生連携事業企画について、市の担当者に今後の展望を聞いた。「地域資源と教育を結びつけることで、「社会参画力の養成」と「ふるさと愛の醸成」を培ってもらい、さまざまな部活動や多くの学生と連携を続けていきたい」とのこと。韮崎はこれからも、いろいろなことにチャレンジしていく。