1973年の創業以来、山梨県韮崎市に構えた工場で、羽毛布団の製造・リフォームを行っている「川村羽毛」。現在代表を務める川村進さんの父の代に始まり、今にいたるまで親子3代で綿布団・羽毛布団の製造技術を受けつなぎ、快眠へ導く寝具を多くの人へ届けてきた。50年以上にわたり、最高の寝心地を追求する川村羽毛の布団工場を訪問。こだわりの羽毛布団がどのようにして生産されているのかをレポートする。
安心の国内製造!川村羽毛の工場内部を紹介
川村羽毛の工場は、韮崎市上ノ山(うえのやま)にある。周囲に桜の木々やぶどう畑が隣接し、晴れているときは外を望めば美しい富士山を眺めることができる自然豊かな場所だ。扱う羽毛はポーランド産やブルガリア産などが中心で、経験豊かなベテランの職人たちの手によって、川村羽毛の羽毛布団は一枚一枚丁寧に作られていく。
布団の側生地の縫製
「日本製」をうたっていても、実は側生地は中国など海外製であるものも多いなか、川村羽毛では裁断から縫製まで自社で行っている。中の羽毛が偏らず暖かい空気を逃さないようにするために、表生地と裏生地を“マチ”でつなぎ縫い合わせてマス目を作る立体キルト製法を採用していて、縫い目から暖かい空気を逃がしにくく、冷気の侵入を防いでくれる。
パワーアップ加工
海外から輸入移送する際に圧縮された羽毛を、羽毛本来の品質を復元させるために行う工程。温度や湿度を見ながら乾燥させることで、ふっくらとかさ高のある羽毛に仕上げていく。このとき、羽毛に含まれた細かいチリや埃を取り除くことで、羽毛がより清潔な状態になる。
羽毛の充填
パワーアップ加工によってふんわりと仕上がった羽毛を、側生地のひとマスごとに丁寧に吹き込んでいく。布団1枚に使われる羽毛の量が決められていて、職人の技術で1つの羽毛も残さずバランスよく布団全体に詰めていく。仕上がった羽毛布団は驚くほど軽く、体への負担も少ない最高の寝心地が実現している。
安全性の検査
羽毛の吹き込み口を縫製したあとは、金属探知機で異物の混入がないかどうかをチェック。合格した安全な布団だけが、職人の目視による最終確認へ進む。完成した羽毛布団は、品質を記した保証書付きでお客様のもとへ。
ふるさと納税でも人気!川村羽毛の布団が選ばれる理由とは?
大手企業の協力工場としてこれまで10万枚以上の羽毛布団を世の中に送り出してきた川村羽毛。韮崎市のふるさと納税返礼品としても川村羽毛の羽毛布団は人気だ。なかでもイチ押しなのが、ポーランド産マザーホワイトグースダウンを95%使用している掛け布団。暖かさの指標となるダウンパワーは440dp以上の最高級品だ。(※日本で販売されている羽毛布団の一般的なダウンパワーは300dp以上、400dp以上で高級品、さらに440dp以上は最高級品となる)
使用されているのは、広大なポーランドの農地というストレスレスな環境で育てられたマザーグース(親鳥)のダウンで、ひと粒ひと粒がとても大きく、保温性・かさ高・耐久性すべてにおいて文句なし。しかも驚くほど軽く体への負荷がほとんどないため、まさに天然のエアコンをまとっているような快適さで、最高の眠りへと導いてくれるのだ。
リーズナブルなラインでは、上質なホワイトダックダウン85%を使用した掛け布団もおすすめ。前出のマザーグースダウンに比べると、ダウンの大きさは小さいダックダウンだが、川村羽毛では自慢のパワーアップ加工を施すことで羽毛本来のボリュームを引き出し、お手ごろ価格ながら上質な寝心地が楽しめる一品に仕立てている。
川村羽毛の羽毛布団がどれほどよいものか、品質への信頼は、実際に川村羽毛の商品を返礼品に選んだ寄付者のコメントにも表れている。
「使用した感想は、『あったかい』のひと言につきます!」
「ふわふわなのにしっかりとした造りで、ダウンのニオイも全く気になりません」
「もう綿布団には戻れません!来年は家族の分もリピート注文しようかな」
「とにかくあったかい。朝起きたときに、ぐっすり眠れたという満足感がありました!」
羽毛布団のリフォームもふるさと納税でオーダー可能
韮崎市のふるさと納税では、川村羽毛の新品羽毛布団だけでなく、羽毛布団のリフォームも取り扱っている。“羽毛布団のリフォーム”というのは、長年使ってきた羽毛布団を新品同様に仕立て直すこと。長く愛用している羽毛布団は、側生地の汚れはもちろん、内部に湿気がたまり、皮脂や埃などによって羽毛が劣化して布団全体がしぼんでしまう原因に。そんな羽毛布団を回収して、個別管理のもと解体、羽毛を取り出し徹底洗浄、新しいダウンを補充してパワーアップ加工し、きれいな側生地に詰めることで新品のようにふかふかな羽毛布団に生まれ変わらせることができるのだ。リフォームはもちろん他社製品もOKなので、長年愛用している布団があればメーカーは気にせず仕立て直してもらおう。
「足した羽毛の量などもきちんと管理・記録されていて、丁寧に取り扱っていただいたと思います。お布団もフカフカで臭いもスッキリしました」
「羽毛もたくさん足していただき、大満足です」
という寄付者の声からもわかるように、リフォームもとても好評のよう。
実際に商品を手に取り使用した方の感想コメントのほかにも、
「梱包なども含め、一つひとつの仕事にとても丁寧さを感じます」
「足した羽毛の量などもきちんと管理・記録されていて、リフォームのためにこちらから送った布団を丁寧に取り扱っていただけたことが感じられました」
など、働くスタッフの仕事ぶりに関するコメントも目立つ。
実は川村羽毛で働く人の多くが、韮崎市や甲斐市などに住む地元の女性たちだ。勤務時間も9~15時(繁忙期は~17時)と、プライベートと両立しやすいためとても働きやすいのだとか。
20年近く川村羽毛で働くスタッフの青木さんに話を伺うと「子どもの授業参観や運動会などの行事にはきちんとお休みをいただけたり、一度休職しても再雇用してもらえたり、本当によくしていただいています」とのこと。普段からスタッフ同士のコミュニケーションもしっかりとれているそうで「改善したほうがいいことなども、人間関係がよいから遠慮なく伝え合えるし話し合える。それが商品の出来栄えにつながり、お客様に喜ばれるのはうれしいですね。20年も働けているのですから、ずばり“よい職場!”ということに尽きるのではないでしょうか」と笑顔で話してくれた。
「中が見えないからこそ信頼に値するものを届けたい」川村羽毛社長インタビュー
――まず、川村羽毛の歴史について教えてください。
【川村進】 創業は1973年ですね。父が布団職人をしていたんですが、私が後を継いでから、ここ韮崎の上ノ山に綿布団の工場を建てました。その後、綿布団の需要の減少と羽毛布団の需要が高まってきたこともあって、1996年に羽毛布団に切り替えて布団のリフォームを中心に営んできました。
――布団のリフォームを始めたのはなぜですか?
【川村進】羽毛布団のリフォームを専門にやっている企業さんから声がかかり、やってみることにしたんです。当時、羽毛布団のリフォームは全然メジャーではなく、羽毛布団は「新品じゃないと売れない」なんて言われていた時代でしたが、誰もまだやっていないことだからこそやってみようと。
――川村羽毛ではどのようなことにこだわって羽毛布団を製造していますか?
【川村進】基本的なことかもしれませんが、「よい品質のものをお手ごろ価格で提供すること」ですね。仕入れ先から羽毛のサンプルを送ってもらい、羽毛一つひとつの粘りやコシ、ダウンパワー(羽毛のふくらみを体積で示した値)など、自分の目で見て、触ってこれならいけると納得できた羽毛しか扱っていません。近年、羽毛の高騰などもあって充填量の減った羽毛布団が増えてきているようですが、羽毛布団ってお客様に中が見えないじゃないですか。だからこそ、中身に使う羽毛は誰に見せても自信のあるものをたっぷり充填しています。
――今後の川村羽毛について、展望はありますか?
【川村 進】羽毛布団のリフォームについては今後も継続しつつ、新品の販路を拡大したいですね。ふるさと納税への出品を始めて今年で4年目ですが、かつて年に数枚程度、近隣住民への販売のみだった新品の羽毛布団が、昨年のふるさと納税では1000枚の注文が入ったんです!しかも山梨県だけでなく、日本の全国各地へうちの布団が届くなんて、こんなにうれしいことはないですね。
健康を維持するためにも、睡眠の質には誰もがこだわりたいもの。質の高い睡眠は布団による寝心地から生み出されるとすれば、熟練の職人たちの手によって作られる川村羽毛の羽毛布団を選ばない理由はない。新品購入後、リフォームというアフターケアも万全な川村羽毛で、一生モノの羽毛布団を手に入れよう。
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取材・文=水島彩恵
撮影=吉澤咲子