日本酒「福寿」を醸造する株式会社神戸酒心館は、酒造りの工程で発生する二酸化炭素(CO₂)が実質ゼロの「福寿 純米酒 エコゼロ」を2022年10月20日(木)に発売する。さらに、2030年までに使用電力の再生可能エネルギー100%化を目指し、すべての銘柄においてリサイクル可能(ビン)、再利用可能(酒粕)、FSC認証パッケージングなどサステナブルな製法での醸造法へと移行する。
地球環境に負担をかけないナチュラルな味わいを追求
「福寿 純米酒 エコゼロ」は極めてナチュラルな味わいを追求した純米酒。醸造工程で使用するエネルギーを水力由来の100%再生可能エネルギーの電力やカーボンニュートラルな都市ガスによるエネルギーに転換。さらに、精米歩合を70%から80%に変更し、米の磨きを抑えることで精米工程におけるエネルギーを削減し、環境負荷を低減。「きょうかい乾燥酵母」(901号)を使用することで酒母工程が省略され、醸造日数を短縮しエネルギー使用量を軽減しつつ、米を低温でゆっくりと発酵させることで、米の豊かな味わいと爽やかな後味を存分に楽しめるように仕上げている。
「福寿」ブランドを守りつつ、環境にやさしいデザイン
シンプルな見た目もサステナブルな酒造りの表れ。商品名を直接ビンに印刷することによりラベルレス化を実現。印刷に使用するインクも有鉛から無鉛に変更し、プリント瓶も透明瓶に静電塗装を施したものにするなど、エネルギー面以外の環境負荷軽減に努めている。
「福寿 純米酒 エコゼロ」商品概要
醸造工程の脱炭素化後初の商品となる「福寿 純米酒 エコゼロ」は、10月20日(木)より全国のスーパーや酒店などで販売がスタートする。
原材料:米(兵庫県産)、米こうじ(兵庫県産米)
精米歩合:80%
アルコール度数:15度
容量・価格:720ミリリットル/1650円
宝暦元年(1751年)に創業以来、神戸・御影の地で手造りにこだわる「神戸酒心館」。国内外で開催される日本酒品評会でも多くの賞を受賞し、ノーベル賞公式行事において醸造する純米吟醸酒が提供されるなど海外での評価も高い。そんな「神戸酒心館」の担当者に今回の商品について聞いてみた。
「(商品の狙いは?)当社は『環境負荷をかけないで、おいしい日本酒をつくること』を理念に、2030年に向けたグリーン・イニシアティブ「Sustainability Journey(サステナビリティへの旅)」を策定しています。多くの課題を抱える地球社会において、脱炭素社会は重要な課題。環境に配慮をした商品がお客様にとっての商品選択肢の一つになると考え、酒造りの工程でカーボンゼロを達成した環境に配慮をした日本酒の開発に取り組みました」
「(開発に苦労した点は?)電力、ガスともにカーボンゼロのエネルギーを使うことは、コストアップとなります。そこで当社では商品を値上げせずに生産の効率化を図るため、以前から省エネに取り組み、コストアップを吸収できる経営環境を整えてきました。そのため今回、カーボンゼロを達成することでき、フードサプライチェーンにおける脱炭素(カーボンニュートラル)に貢献する世界初の日本酒を販売することができるようになりました」
「(ユーザーへのメッセージは?)環境に配慮をした商品ですが、『環境負荷をかけずに、おいしい日本酒を造る』のが当社の目指すところ。味わいにもこだわっている新しい日本酒です。福寿ブランドとしてのおいしさや品質感と共に、作り手の“エコな心”を感じながらぜひご堪能ください!」
酒造りと地球環境に真摯に向き合う日本酒メーカーの新たな挑戦となったサステナブルな「福寿 純米酒 エコゼロ」。自然の豊かな恵みを感じる秋に、おいしい旬の食材と共に試してみてほしい。
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