策略家・戦略家として知られる毛利元就。苦難に満ちた幼少期から中国地方を制覇するまでが簡単にわかるYouTubeの歴史漫画が人気を集めている。
【※注意】漫画の大筋は史実通りですが、創作あり、諸説あり、の内容となっています。
日本史や世界史のさまざまなエピソードを漫画化し、YouTubeに投稿している徳永サトシさん(@tokunaga0621)。興味深いエピソードとわかりやすい解説が注目を集め、動画投稿を初めて3年ほどで登録者数は10万人を超える人気の漫画家だ。
本作、「毛利元就の生涯を簡単解説～乞食若殿から中国地方の覇者へ～」は「謀神」として称される毛利元就の人生を描いたYouTube漫画で、再生数は12万回を超える人気動画(9月17日現在)。大内氏と尼子氏の狭間で揺れ動く中国地方に生まれた毛利元就。幼くして実母、そして実父を失い、城を追い出されるという波乱の幼少期から話を始まる。
しかし、その後当主代理として指揮をとった初陣で、倍以上の兵力差をものともせず勝利。当主になってからは、中国地方に領土を拡大していく。厳島の戦いでは兵力差10倍もある陶晴賢から勝利。山内氏、尼子氏の領土も手中に収め、中国地方の覇者となっていく。
漫画を見たユーザーからは「毛利元就大好きなので、待ってました！」「地元の武将を取り上げてくれて嬉しいです」という喜びの声や、「次は吉川広家お願いします!!」「小早川家もみてみたいです！」とリクエストの声も多数寄せられている。
ウォーカープラスでは今回、作者の徳永サトシさん(@tokunaga0621)にインタビューをし、YouTubeで漫画を公開するようになったきっかけや、歴史漫画への思いなどを聞いた。
はじめは間違いの指摘も……調べるうちに歴史上の人物が実在していたという実感も
――YouTubeで漫画を公開するようになった経緯を教えてください。
【徳永サトシ】WEBサイトで連載していた漫画が終了し、仕事が無くなった時に知り合いからYouTubeで漫画を投稿する方法があると教えてもらったのが最初のきっかけです。漫画が自由に描ける上に、上手くいけば収入にも繋がると知って、渡りに船だと思って始めました。
――YouTuberとして活動するうえで、最初の壁は何でしたか？
【徳永サトシ】「収益化」の壁です。YouTubeで広告収入を得るためには、「チャンネル登録者1000人以上、総再生時間4000時間以上(直近12カ月間)」というハードルを超えなければなりません。YouTubeで収益を得ている人のほとんどがこの壁にぶつかると思うのですが、自分にとっても大きな壁でした。
――その壁をどうやって突破しましたか？
【徳永サトシ】視聴者に需要のある内容を探りながら、動画投稿を続けました。最初は世界史の人物を紹介していたのですが、あまり再生されませんでした。そこで、試しに日本史の戦国武将を紹介したら再生数が伸びたので、そこから戦国武将に特化したチャンネルに方向転換しました。それからしばらくしたら収益化のハードルを超えていました。
――YouTube動画で、まず最初に手ごたえを感じた作品は？
【徳永サトシ】「明智光秀の生涯を簡単解説！Ver2.0」という動画です。はじめて動画で紹介した戦国武将で、世界史を紹介していた頃と比べてかなり多く再生されたので手ごたえを感じました。ただ、調べがかなり甘かったことで「間違っている」というコメントを多々いただいた動画でもあります。この動画をきっかけに内容を慎重に調べるようになりました。そういう意味でも自分にとって大事な動画です。今でもコメントで指摘をいただくこともあるので、これからもより一層気を付けて動画を作りたいと思っています。
――毛利元就の動画を作るうえで、人物についてどんな「気づき」がありましたか？
【徳永サトシ】歴史上の人物も数百年前には生きていて、その地で実在していたんだという実感が強くなりました。私の地元は広島県なのですが、実家の近くに毛利元就が厳島合戦に向かったと伝わる「火立岩跡」という史跡があります。地元にいた頃、何度も繰り返し通っていた道ですが、当時は全く気に留めていませんでした。歴史上の人物はどこか遠い存在で、実在した人という実感も希薄でしたが、毛利元就の生涯を調べ、火立岩跡を知ったことで、毛利元就が自分の地元に存在していたんだと強く実感しました。
――歴史漫画を描くうえで、どのような勉強・資料集めをしていますか？
【徳永サトシ】書籍、歴史雑誌、WEBサイトなどで勉強しています。一介の歴史好きとして、まずは自分が楽しんで理解できるような資料を集めています。
――今度、YouTubeでどんな作品を描いてみたいですか？
【徳永サトシ】特定の地域に注目した漫画を描いてみたいです。毛利元就を調べた時に、自分の地元と密接に関わっていることを実感して、より歴史が好きになったという経験から、そう思うようになりました。手始めに地元・広島や今住んでいる地域など自分に関係している土地の歴史を調べて漫画にしてみたいです。
取材協力：徳永サトシ(@tokunaga0621)
