NHK大河ドラマ『どうする家康』が序盤から話題になっている。「桶狭間の戦い」を迎えた初回を経て、第2回では重要人物かと思われた今川義元が“ナレ死”。その後も徳川家康が“人生の選択”のたびにドタバタ足掻く模様は必見だ。今作の主演は徳川家康を演じる松本潤、織田信長役は岡田准一、武田信玄役は阿部寛と、著名な武将を演じる俳優陣の顔ぶれも豪華で、こちらも見どころのひとつ。
そこで本記事では、戦国武将の描かれ方がどう変遷してきたのかを、歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』シリーズを手がけているコーエーテクモゲームスの協力を得てフィーチャー。2022年7月21日に発売された最新作、シブサワ・コウ40周年記念作品『信長の野望・新生』の武将グラフィックと、1980年代に発売された初期作(PC版)のドット絵を見比べれば、40年の変化は一目瞭然!気になった方は大河ドラマと『信長の野望』シリーズを同時に楽しみ、武将たちの魅力を存分に堪能してみてはいかがだろう。
今回特集するのはもちろん、『どうする家康』の主役である徳川家康。どちらかというと「関ヶ原の戦い」以降、老齢の域に差し掛かった姿をイメージされることが多い家康だが、『信長の野望』シリーズではどのタイトルでも、活力に満ちた壮年期の姿で描かれているのが特徴。容姿に関しては大きく分けて4つのパターンがあり、1990年発売の第4作『信長の野望・武将風雲録』までは、月代に銀杏髷を結ったビジュアルになっている(髭が描かれるようになったのも本作から)。
続いて発売された『信長の野望・覇王伝』(92年)、『信長の野望・天翔記』(94年)では、萎烏帽子(なええぼし)を被ったグラフィックになるものの、こちらの姿で描かれたのは2作品のみで、1997年発売の第7作『信長の野望・将星録』からは甲冑姿のビジュアルで描かれるように。
こちらのバージョンは『将星録』から、2013年発売の『信長の野望・創造』まで、8タイトル続けての採用となったが、この期間にはゲーム自体の表現技術も大きく向上しており、後年の作品では顔だけでなく、甲冑の細かい装飾や背景なども描かれている。『信長の野望・天道』(09年)と『創造』では、鎧の上の陣羽織が描かれているのも特徴的なポイントだ。
そして4つ目のパターンとなるのが、『信長の野望・大志』(17年)および、最新作『新生』で描かれている、金陀美具足(きんだみぐそく)姿のグラフィック。金箔押しや金漆塗りで仕上げられた、ひと際目を引く出で立ちで、現在、ドラマで松潤が着用しているのもこちらの甲冑になる。
劇中での家康の活躍に応じて、『信長の野望』でも家康にクローズアップしたエピソードや、新たなグラフィックが追加されるかも(!?)しれないので、そうした点にも注目しながら『どうする家康』を視聴するのもおもしろそうだ。
取材・文/ソムタム田井