1983年にシリーズ1作目が発売されて以来、40年にわたり多くのゲームファンから愛され続けてきた「信長の野望」シリーズ。その最新作であり、40周年記念作品としても注目されるスマホゲーム「信長の野望 出陣」の完成発表会が、8月24日に神田明神ホール(東京・千代田区)で行われた。ウォーカープラス編集部からは編集長の有賀俊澄が参加。その模様をリポート形式でお届けする。
「信長の野望」は、戦国時代をテーマにした歴史シミュレーションゲームのシリーズ作品で、日本のゲーム市場に同ジャンルを確立した金字塔的なタイトルとしても広く知られている。プレイヤーは戦国時代の大名となり、内政で自国を富ませて軍事力を強化。そうして他の勢力に攻め込み、領地を拡大していき、最終的に全国を統一することが目標となる。
新作が発表されるたびに、ゲームプレイを盛り上げるさまざまな新要素が導入される点もファンから支持されているポイントで、このたびリリースされた「信長の野望 出陣」は、シリーズ初の“位置情報ゲーム”という点でも多方面から注目されている。
開発プロデューサーが「信長の野望 出陣」の魅力を解説
ここからは、完成発表イベントの模様を紹介していこう。オープニングムービーが放映された後、まずはコーエーテクモゲームス代表取締役社長・鯉沼久史氏が登壇。以下のように話し、作品が完成を迎えた喜びを語った。
「『信長の野望』は、1983年の第1作発売以来、累計出荷本数1000万本を突破している人気シリーズになります。その後、さまざまな進化を遂げながら、今年で40周年目の節目を迎えることができました。そして本作は、同シリーズとしては初であり、当社としても初の試みである位置情報ゲームとして、特に力を入れて開発を進めて参りました。
歴史シミュレーションを楽しむような臨場感を誰もが感じ、その時代に入ったかのような没入感を押し上げるため、工夫や苦労を日々重ねて参りました。3月に発表、4月にクローズドβテストを実施し、ありがたいことに多くのユーザーの皆様からご期待の声もいただいております。本日こうして完成発表会を迎えることができ、新しい情報をお届けできることをたいへんうれしく思います」
続いてステージには、「信長の野望 出陣」開発プロデューサー・菊地啓介氏が登壇。同作のプレゼンテーションが行われた。
ゲーム概要1:歩いて領地を拡大
フィールドには城や拠点といった建築物のほかにも、武将、農民、商人などが登場。実際に街を歩くことで、戦国の世を歩いているような感覚を味わうことができる。
ゲームの中では、日本全国が区画という単位で区切られている。各区画には拠点があり、軍団を指揮してそれらを攻略すると、その区画が自身の領地になる。また、自分の代わりに配下の武将を遠征させて、遠方の拠点を攻略することも可能。そうすることでさらに領地を広げることができる。
ゲーム概要2:武将を集めて、育て、合戦で力を発揮
本作ではさまざまな方法で武将を集めたり、育てたりすることができる。ガチャによる“登用”だけでなく、フィールド上で武将と交流して、自分の配下にすることも可能。
武将にも地域性があり、関東地方なら里見義堯、九州地方なら大友宗麟が登場するなど、地域によって出会える武将は異なるため、そうした武将との交流を目的に旅行のプランを考える…といった楽しみ方もできる。
また、地図上にある実際のカフェや飲食店の位置には“茶室”が出現。こちらを訪れると、本来なら遠征しないと出会えない、各地域のご当地武将と出会える可能性がある。他にもゲーム内では、期間限定イベントが続々開催され、それらのクリアー報酬としても、特別な武将を仲間に加えられるという。
ゲーム概要3:内政で国を豊かに
自国の領地には、水田や訓練所といった内政施設が用意されている。それらのレベルを上げれば、得られる兵糧が増えたり、合戦に赴く部隊が強化されるなどして、国全体がさらに強くなっていく。
また、各施設には武将を配置することもでき、能力の高い武将を配置すると効果が上がるという。誰をどこに配置するか考えるのも、本作ならではのお楽しみ要素になっている。
そしてもう1点、国を豊かにするには、民の忠誠度を示した“民忠”も重要なポイントとなる。歩いて領地を見回ったり、施設に武将を配置することで、プレイヤーの元にはさまざまな具申が届く。それらを聞き入れて実行することで、民の忠誠度は上昇し、それに応じて国力も徐々に高まっていく…という仕組みになっている。(国力が高まると、フィールドの見栄えもよくなるため、視覚的にも領地が発展していることが確認できる)
ゲーム概要4:激動の戦国を体感できるイベント
期間限定で、特定の戦いにフォーカスした“列伝イベント”を用意。条件をクリアーしてストーリーを進めたり、育てた軍で強敵と戦ったりできる。リリース時には「桶狭間の戦い」が実装されるので、たくさん歩いて部隊を強化して、今川義元に挑戦しよう。
また、こうしたイベントでは、歴史の豆知識も学べるようになっている。「桶狭間の戦い」では、織田信長の刀や松平元康の旗印の由来などを学べるので、プレイするほどに歴史が好きになり、知的好奇心も満たされるはず。
サービス開始後にはアップデートで、ユーザー間で城を取り合うイベントも実装される予定なので、こちらも乞うご期待!
ゲーム概要5:旅行や外出のお供に
歴史や地理を楽しめる、お出かけ要素も充実している。
「名城図鑑」
:日本100名城の城を訪れると、名城コレクションとして図鑑にデータが記録される。また、上田城には真田幸村、熊本城には加藤清正…といった形で、一部の城には名城武将という武将たちが登場。それらの城を巡ることで配下に加えることができる。
「歴史紀行」
:実際に歩いた歩数をカウントして、東海道を日本橋から三条大橋まで移動する要素。宿場町に着くたびに、その地域の情報を得られるようになっている。
「名所訪問」
:日本全国にある、2000件以上の歴史に関係する名所を実装。それらのある区画を自身の領地にすると、名所録に情報が記録される。
シブサワ・コウ×市川團十郎のトークショーも開催
そうして発表イベントの後半には、同シリーズの生みの親である、ゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウ氏が登壇。リリース日および事前登録開始の告知と併せて、以下のように「信長の野望 出陣」に対する思いを語った。
「『信長の野望』第1作目を開発してから40年、これまでお客様のご要望や、その当時の最新技術を取り入れて、多くのゲームファンに楽しんでいただけるよう、シリーズ展開をして参りました。『信長の野望 出陣』は実際の地図の上を歩きながら、さまざまな名所を巡ったり、武将に出会えたりする“位置情報ゲーム”ならではの要素と、“歴史シミュレーションゲーム”としての『信長の野望』らしい要素がうまく融合した作品として、私自身も非常に楽しみにしております。戦国時代の世界観を感じながら、ご自身の野望も重ねて、このゲームの魅力を思う存分堪能していただきたいです」
さらにその後には、これまで多数の作品で織田信長を演じてきた、十三代目 市川團十郎 白猿氏がゲストとして駆けつけ、シブサワ氏と“信長の魅力”について語り合うトークショーも実施。
それぞれの信長に対して持つイメージや、「信長の野望」シリーズの思い出など、さまざまなお題でトークが盛り上がる中、シブサワ氏は「なぜ、数ある武将のなかから織田信長を選び、タイトルに冠したのか?」という質問にも回答。
「史実では、織田信長は本能寺で非業の最期を遂げたわけですが、ゲームであれば、そうはならない“歴史のif”を実現できるんじゃないか…と思ったのが、そもそものきっかけになります。戦国三英傑のなかで、豊臣秀吉と徳川家康は大願成就していますが、信長だけはしていないんですよ。だったらせめて、ゲームのなかでは彼の夢、野望を叶えてあげよう…という思いを込めて、『信長の野望』というタイトルにしたんです」
…とのことで、これを受けて團十郎氏も「信長の野望を皆で叶えてあげようという意味だったんですね。たしか、本能寺の変が起きた時点では、信長の領地は日本の約1/3だったはずだから、これじゃあまだまだ死ねないですね」と返し、会場を沸かせた。
発表会の終了後、同ホールのホワイエでは「信長の野望 出陣」のタッチ&トライコーナーが展開。ウォーカープラス編集部ももちろん、こちらをプレイしてみることに。残念ながら、実際に領地を歩くことはできなかったものの、大部隊同士がぶつかり合う白熱の合戦シーンは体験することができた。
散歩がてらに気軽に遊べて、歴史に対する知識も身につくスマートフォンゲーム「信長の野望 出陣」は好評配信中。気になる人はさっそくダウンロードして、キャッチフレーズにもある“戦国に出かける”感覚を堪能してみてはいかがだろう。
『信長の野望 出陣』PV
『信長の野望 出陣』ゲーム紹介映像
取材・文=ソムタム田井
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