新型特急車両「スペーシア X」(N100系)の運行が2023年7月15日よりスタートした。旅行の移動時間は、シートが狭くて疲れたり、子供が飽きて騒いでしまい困ったり…という経験がある人も多いはず。「スペーシア X」は、そんなイメージをくつがえす車内空間のため、東京から栃木までの2時間を快適に過ごすことができる。
そこで、その乗り心地を確かめるため長谷川さんファミリーがさっそく乗車体験!「スペーシア X」の魅力を隅々までお伝えする。さらに、鬼怒川を満喫できる1泊2日の旅行プランも紹介するので、家族でおでかけする際の参考にしてみて。
<1日目>
【11時】東京スカイツリー(R)展望台
“タワー世界第1位”の高さを体験!展望台からの絶景を堪能しよう
世界一高い自立式電波塔・東京スカイツリーは、2012年にオープンし、昨年で開業10周年を迎えた。東京スカイツリータウン(R)はとうきょうスカイツリー駅と直結しているため、アクセスも抜群。まずは、東京スカイツリーをバックに記念撮影することに。
高さ634メートルの東京スカイツリーには、地上350メートルの天望デッキと地上450メートルに位置する天望回廊があり、驚くほどの高さから東京を一望することができる。天望デッキ フロア340にはガラス床があり、足元から真下に広がる眺望はこの場所でしか体験できない迫力と興奮の演出となっている。
東京スカイツリーの足元にある東京ソラマチ(R)は、300以上の店舗を有し、ショッピングやグルメを楽しむことができる。さらに、東京ソラマチ・イーストヤード5階にあるプレイグラウンド「ちきゅうのにわ」や、約260種7000点のいきものに出会える「すみだ水族館」も、ファミリーで訪れたいスポットだ。
■東京スカイツリー
住所:東京都墨田区押上1-1-2
時間:10時~21時(最終入場は20時)
休み:なし
電話:0570-55-0634/東京スカイツリーコールセンター(11時~18時)
料金:セット券(天望回廊+天望デッキ)2700円、天望デッキ1800円(前売り券/平日・大人)、セット券(天望回廊+天望デッキ)3100円、天望デッキ2100円(当日WEB券/平日・大人)
駐車場:1000台 (350円/30分)
アクセス:【電車】東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅からすぐ。東武スカイツリーライン・東京メトロ半蔵門線・都営浅草線・京成押上線押上(スカイツリー前)駅からすぐ
【12時30分】カービィカフェ TOKYO
人気ゲームシリーズ「星のカービィ」がテーマ!写真映えグルメに気分が上がる
東京ソラマチのショップや施設を見てまわったら、イーストヤード4階にある「カービィカフェ TOKYO」でお腹を満たそう。
2023年9月18日(祝)までは、レモンをテーマにした“Summer限定メニュー”が登場している。カービィの世界をモチーフにしたキュートなビジュアルなので、苦手な食べ物がある子供も頑張って食べてくれるかも。
限定メニュー以外にも、カービィやキャラクターをイメージしたグルメが多数ラインナップしているので、どれにするか迷ってしまいそう!親子で写真を撮りながら食事を楽しんで。
■カービィカフェ TOKYO
住所:東京都墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ イーストヤード4階9番地
時間:10時~22時(ラストオーダー21時)
休み:施設に準ずる
電話:03-3622-5577
席数:60席【禁煙】
駐車場:東京スカイツリータウンの駐車場を利用
アクセス:【電車】東武スカイツリーラインとうきょうスカイツリー駅からすぐ。東武スカイツリーライン・東京メトロ半蔵門線・都営浅草線・京成押上線押上(スカイツリー前)駅からすぐ
<カービィカフェ TOKYOから徒歩移動約5分→「スペーシア X」で鬼怒川温泉駅へ>
【14時】とうきょうスカイツリー駅
私鉄特急最大級の個室も!「スペーシア X」の乗り心地をレポート
14時03分発の「スペーシア X」でいよいよ鬼怒川温泉駅に出発!ボディカラーや内装に、江戸文化や日光に関連したイメージを取り入れ、モダンなデザインが施されている。ファミリーで心置きなく旅を楽しむべく、6両編成の6号車にある「コックピットスイート」を利用させてもらった。
足を踏み入れた長谷川さん親子が「わぁ、すごい!」と思わず声をこぼした「コックピットスイート」は、まるでホテルのスイートルーム。高級感あふれる広々とした空間になっている。その広さは11平米で、私鉄特急最大級の個室なのだそう!「窓が大きくて開放感がすごい!まるでホテルにいるみたいなので、動いているのが不思議な感覚になりますね(笑)」と、ママはずっとテンション高め。
パパも、「子供連れでのおでかけは、どうしたって周りの目が気になるもの。『コックピットスイート』は完全な個室なので、自由に家族だけの時間を楽しめますね。プライベートジェットをイメージした“走るスイートルーム”と聞いていましたが、本当にその通りでびっくりしました。3世代での旅行にもぴったりですね!」と感想を語ってくれた。
また、1号車の「コックピットラウンジ」では、カフェカウンター「GOEN CAFE SPACIA X(ゴエンカフェ スペーシアエックス)」で日光のクラフトビールやコーヒーをオーダーできる。ここで提供されるメニューは、1号車の座席指定券を持っている人に優先販売され、ほかの車両に乗車の時には、空き枠がある場合に限りオンラインで整理券を取得してから注文が可能だ。オンライン整理券は数量が限られているため、カフェを利用する場合は1号車がおすすめ。
そのほか、特徴的な座席として、2号車のプレミアムシートにも注目したい。体を包み込んでくれるような丸みのある座席は、電動リクライニング、ネックサポート付可動式枕付き。シートの可動域をカバーするバックシェル構造によって、後部座席を気にせずリクライニングできるのも魅力だ。
2席2列のゆとりある造りのスタンダードシートが3〜5号車、さらに5号車には、向かい合う2シートずつをパーティションで区切った半個室のボックスシートも併設されている。
東武沿線のプレミアムな食材を使用した「スペーシア Xスペシャル弁当」(3300円)や、和スイーツの「天空の湖」(1500円)を、車内でゆっくりいただくのもアリ。日光への旅を彩るプレミアムなお弁当とスイーツは、食べ合わせのバランスはもちろん、細部の彩色に至るまでこだわって作られている。
<鬼怒川温泉駅から徒歩移動約5分>
【16時10分】日光きぬ川ホテル三日月
景観抜群!リニューアルしたばかりの客室と癒やしの温泉でゆったり
鬼怒川温泉駅の改札を出て少し歩くと、そこは温泉街。今回は、「ゆったり、たっぷり、の~んびり」でおなじみの「日光きぬ川ホテル三日月」に宿泊する。240室もある客室の中から今回選んだのは、2023年3月にリニューアルしたばかりのリバーサイドフロアのお部屋。
テラスから鬼怒川を望むことができるリバーサイドフロアの客室は、400年の歴史をもつ栃木県の伝統工芸品「鹿沼組子」のベッドボードを取り入れるなど、洗練された造りになっている。文化や歴史を感じられる小粋な室内で、特別な時間を過ごすことができるはず。
「温泉大回廊」と銘打たれた大浴場は3つのエリアに分かれ、団体貸切専用の「夢見の湯」を除いても、男女入れ替え制の「きぬの湯」と「渓谷の湯」で20種類以上の湯めぐりができる。泉質は疲労回復や美肌効果も期待できるアルカリ性単純温泉。明日に備えて、疲れを洗い流そう!
■日光きぬ川ホテル三日月
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉大原1400
休み:なし
電話:0288-77-2611
駐車場:200台(宿泊者無料)
アクセス:【電車】東武鉄道鬼怒川線鬼怒川温泉駅から徒歩3分 【車】日光宇都宮道路今市ICから約25分。東北自動車道矢板ICから約40分
<2日目/10時にホテルをチェックアウト>
【11時】ギャラリーカフェ PaintoE
広々と過ごせるカフェへ!栃木のブランド豚で作るチャーシューは必食
周辺を散策するなら、午前中の比較的涼しい時間帯がベター。「日光きぬ川ホテル三日月」から徒歩10分ほどの距離に鬼怒楯岩大吊橋や楯岩展望台、楯岩鬼怒姫神社といった観光スポットもあるので、10時にチェックアウトしたらランチタイムまで鬼怒川で自然を感じよう。
そろそろランチを…という気分になったら、大通りから小道を少し入ったところにある「ギャラリーカフェ PaintoE」へ。飾られた絵画を見ながら食事ができる同店は、空間が広く取られた居心地のいい店内なので、子供連れでも過ごしやすい。
旅行をするときには、その土地のものを食べたいと思うもの。そこで、豊かな自然の中で育った栃木のブランド豚「日光HIMITSU豚」を使ったメニューから、自家製チャーシューとレタス、白髪ネギで中華風に仕上げた「HIMITSU豚のチャーシューサンド」(1300円)をオーダーした。ホロホロと柔らかく煮込まれた絶品チャーシューを味わえるのは、このほかに「HIMITSU豚ご飯」(1300円)も。
また、自家製クロワッサンやクロワッサンラスクも販売しているので、帰宅してからも同店の味を楽しんで。
■ギャラリーカフェ PaintoE
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉大原1407-8
時間:8時30分~17時(ラストオーダー16時30分)※年末年始は変動あり
休み:水曜日(お盆、お正月は営業)
電話:0288-25-7445
席数:24席【店内禁煙】
駐車場:4〜5台
アクセス:【電車】東武鉄道鬼怒川線鬼怒川温泉駅から徒歩約4分
<ギャラリーカフェから徒歩+電車移動約10分>
【13時20分】東武ワールドスクウェア
すべてが25分の1サイズ!日本&世界の名所を一挙に楽しもう
25分の1サイズになった世界の有名建築物102点が一堂に会する「東武ワールドスクウェア」。「現代日本ゾーン」「アメリカゾーン」「エジプトゾーン」「ヨーロッパゾーン」「アジアゾーン」「日本ゾーン」の6つのゾーンに分かれ、48ある世界遺産も展示されている。
建物の周りには、身長7センチの人形が配置されていて、現地の雰囲気がリアルに伝わってくる。この人形の総数は14万体にもなるのだとか。映画のワンシーンを再現していたり、有名人をかたどった人形がいたりと、見つけたら思わず「あっ!」とうれしくなるサプライズも用意されている。すみずみまで目を凝らしてみて。
ガイドツアー(現代日本ゾーン~エジプトゾーン11時30分から約30分、ヨーロッパゾーン14時から約30分)も実施しているので、歴史に自信がないパパ・ママも安心!行ったことがある場所や行ってみたい国などについて話してみれば、子供の興味を引き出すきっかけにもなりそう。
■東武ワールドスクウェア
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉大原209-1
時間:夏期(3月20日~11月30日)9時~17時、冬期(12月1日~3月19日)9時30分~16時
休み:なし
電話:0288-77-1000
料金:当日券/大人(中学生以上)2800円、小人(4歳~小学生)1400円、前売券/大人(中学生以上)2500円、小人(4歳~小学生)1200円
駐車場:1000台(普通車・マイクロバス800円/1日、大型バス1500円/1日)
アクセス:【電車】東武鬼怒川線東武ワールドスクウェア駅から徒歩約1分 【車】日光宇都宮道路今市ICから約20分
<東武ワールドスクウェアから徒歩約5分>
【15時】東武ワールドスクウェア駅
子供も大人も興奮間違いなし!大迫力の「SL大樹」に乗車
小さな世界旅行を満喫したあとは、15時10分発の「SL大樹」で下今市駅へ。2017年から運行している「SL大樹」は、蒸気機関車とディーゼル機関車が3両の客車を引っ張る定員約200席の列車。汽笛を鳴らして煙を上げながら自然の中を走る大迫力のSLの姿を見ることができるのは、子供だけでなく大人にとっても日常ではなかなかできない貴重な経験だ。
「大樹」という名前は「力強く大きく育ってほしい」との思いを込めてつけられたというから、子供の健やかな成長を願って乗れば、より思い出深い時間になるはず。
<下今市駅から「スペーシア X」で浅草駅へ>
【15時44分】下今市駅
家族だけのプライベート空間で過ごせる「コンパートメント」
下今市駅に到着したら、15時51分発の「スペーシア X」で浅草駅へ向かおう。帰りの移動には6号車の「コンパートメント」をチョイス。手触りのいいソファーが付いた上質な個室は、ドアを閉めると完全プライベート空間に!子供がまだまだ元気にはしゃぎたくても、疲れて眠ってしまっても、周りを気にせずリラックスして過ごすことができるのがうれしい。
17時35分浅草駅へ到着!
自由に振る舞う子供との旅行は、大人だけの移動と比べるとどうしても苦労が多くなってしまいがちだが、個室が利用できて贅沢な気分で過ごせる「スペーシア X」を選べば、移動時間も旅の楽しみの一部に!快適な日光・鬼怒川の旅を、ぜひ体験してみて。なお、「スペーシア X」は浅草から東武日光・鬼怒川温泉駅間を、月曜から水曜は2往復、木曜から日曜および祝日は4往復している。詳しくは公式サイトにて。【ウォーカープラス/PR】
「スペーシア X」座席と料金
※特別座席の利用には、利用人数分の運賃・スタンダードシート特急料金が必要
・1号車/「コックピットラウンジ」
1人、2人、4人掛けの各種ソファーを用意。カフェラウンジのように、ドリンクやスナックを楽しみながら旅行プランや旅の思い出を語り合える。※特別座席料金1人用200円、2人用400円、4人用800円
・2号車/「プレミアムシート」
座席は2列タイプと1列タイプの2種類。東武鉄道初となる電動リクライニングやネックサポート式可動式枕、後部座席を気にすることなくリクライニングできるバックシェル構造を採用。
・3、4、5号車/「スタンダードシート」
前方座席の背面に設置したテーブルと肘掛け脇の小テーブルがあり、用途に応じて使い分け可能。小テーブルにも、鹿沼組子の意匠である六角形が隠されている。
・5号車/「ボックスシート」
向かい合う2シートによる半個室で、パーティションにより周囲を遮ったボックスシート。横幅約80センチのゆとりあるシートなので、小さな子供との移動にぴったり。※特別座席料金400円
・6号車/「コックピットスイート」
「スペーシア X」の中で最上級のシートで、前方および側面の窓からの展望を広く見渡しながら、贅沢な旅のひと時を楽しめる。※特別座席料金1万2180円
・6号車/「コンパートメント」
伝統的なスペーシアの個室をアップデート。ソファーをコの字型に配置して居住性を高め、テーブルは折りたたみ式にしてワイドに。※特別座席料金6040円
取材・文=大谷和美
撮影=島本絵梨佳
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