福島中央テレビの情報番組「ゴジてれ Chu！」で、放送されていた人気ミニコーナー「にゃん旅鉄道」。現在は「ふにゃ〜り日和」へリニューアルして毎週火曜日に放送されている。「ねこが働く駅」として知られる福島県の会津鉄道・芦ノ牧温泉駅を舞台に、働くねこたちの様子を紹介している。約1分間の短いコーナーながらTVerでは、総再生数170万回を突破し、なんと映画も公開された。
今回ウォーカープラスで紹介する「にゃん旅鉄道～さくらの物語～」は、そんな「にゃん旅鉄道」をモチーフにした創作漫画。妹ねこの「さくら」を主人公に、働くねこたちの日常はもちろん、芦ノ牧温泉駅にやって来る人々との実話をもとにしたエピソードや四季折々の風景を、イラストレーターで漫画家のゆきよみさん(
@yukiyomi333
)が丁寧に描く。
「早くお兄ちゃんに追いつきたい！」妹さくらと兄らぶの兄妹愛にほっこり
兄と妹の個性が際立つ今回の漫画。作者のゆきよみさんに本作のテーマを訊いてみると「早くお兄ちゃんに追いつきたいさくら」だそう。兄弟姉妹がいる人ならば、共感を覚える場面が多いかもしれない。
作者は、春の生き物や匂いに誘われて思わず「おサボり」してしまうさくらの姿を表現したとのことだ。読者に季節の移ろいを感じさせられるよう工夫したそう。春と戯れるさくらの気持ちよさそうな表情にも注目してほしいと語ってくれた。
また、今回の作品で特にお気に入りの場面として、さくらの兄・らぶの優しさが垣間見えるシーンを挙げてくれた。さくらが仕事をサボっている場面で、らぶがたんぽぽの綿毛を飛ばすシーンである。怒ることなく、注意することもない、優しい兄の姿を描くことでお兄ちゃんらしさを表現している。
兄妹でありながら、性格が異なるらぶとさくら。このキャラクターたちは、芦ノ牧温泉駅の駅員から聞いた話を基に作られているが、さらに深掘りするために「らぶならどう言うか？」「さくらならどんな仕草をするか？」といった細部まで考え抜いているというゆきよみさん。
さくらのリアルな「妹感」は、作者自身の幼少期の経験にも重なるところがあるそう。末っ子として兄を持つ彼女は、兄が自分よりも何でも先にできることに幼い頃から悔しさを覚えていたようで、こうした経験が、さくらの「なんでまだ『見習い』にゃの？」というセリフに自然と反映されているのかもしれない。
この作品は兄弟姉妹の絆や成長の喜び、そして会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の美しい風景を感じさせる物語として、多くの人々に共感と温かさを届けている。興味のある人はぜひ読んでみてほしい。
取材協力：ゆきよみ
