全国の私鉄73社が加盟する日本民営鉄道協会は12月19日、2019年度の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を発表。アンケートの結果、鉄道を利用する場合に迷惑と感じる行為1位に挙がったのは「座席の座り方」だった。
このランキングは、日本民営鉄道協会が10月から11月までの2か月間、同協会のホームページ上で行った「駅と電車内のマナーに関するアンケート」の結果によるもの。2676人の回答のうち、41.3%が座り方のマナー違反を迷惑に感じていることが分かった。昨年は「荷物の持ち方・置き方」、「騒々しい会話・はしゃぎまわり」に続く3位と、同アンケートが開始して以来常に上位に挙がり続けている行為だが、1位となったのは2008年度以来だ。
また、座席の座り方のうち、最も迷惑に感じる行為の回答上位は「座席を詰めて座らない(間を広く取る、荷物を置く、足を広げる等)」で、61.2%の人が迷惑と感じていると回答した。
それ以降の順位は、2位に「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」(昨年4位)が続き、昨年1位の「荷物の持ち方・置き方」は3位となり、回答割合も昨年の37.3%から32.0%に減少した。また、4位の「スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)」は31.1%の人が迷惑に感じていると回答しており、昨年(6位)の21.5%から割合が大きく増加した。
この結果について、日本民営鉄道協会の日高氏は、昨年は電車内での背負いリュックなど荷物の持ち方がクローズアップされ、事業者・利用者ともに意識の変化が生まれたことで相対的に順位が下がったのではないかと話す。
「昨年1位になった荷物の持ち方・置き方については、鉄道各社が注意をうながし、利用者の側も肩掛けかばんを手に持ちかえるなどの意識が強まった結果、やや改善された結果になったと考えられます」(日高氏)
一方、座席の座り方は長年迷惑行為の上位に挙がっていることもあり、そうしたマナー違反が改めて注目される形になったと思われる。
日高氏は「このアンケートをきっかけに、座り方をはじめ駅や車内での振る舞いについて考えていただけると幸いです」と呼びかける。日々多くの人が利用する鉄道でのマナーを、この機会に改めて見直してみてほしい。
国分洋平