「人生、山あり谷あり」とはよくいわれるが、険しい道の先には何が待っているのだろう。そのヒントになるのは、南九州を走る特急列車「いさぶろう・しんぺい」かもしれない。山道を進む特急「いさぶろう・しんぺい」は、後退や遠回りを重ねながら、少しずつ山を登っていく。するとその先には、日本三大車窓と呼ばれる絶景「矢岳越え」が…。力強く走る列車に乗って、険しい道の先に待つ絶景と出会う列車の旅へ出かけよう。
明治時代にタイムスリップ!?レトロな列車に乗って旅が始まる
特急「いさぶろう・しんぺい」は、熊本から人吉を通って鹿児島県・吉松へ走るJR九州の列車。ユニークな列車の名前は、路線の建設や整備に貢献した明治時代の偉人「山縣伊三郎」(やまがたいさぶろう)と「後藤新平」(ごとうしんぺい)が由来だ。古代漆色と称される深紅の車体に乗り込むと、シックなトーンで統一された内装と天井のレトロな照明が、明治時代にタイムスリップしたかのような懐かしい雰囲気を演出している。
山道を力強く登る列車は、アトラクションに乗ってるみたい!
険しい道を行く特急「いさぶろう・しんぺい」は、スイッチバック運転が特徴。スイッチバックとは、急な勾配を登るために、列車が一旦下がって助走をつけてから、勢いよく山道を登っていく運転のことだ。特にスイッチバック運転で山をぐるっと一周しながら登っていくループ線は日本でも珍しい。列車がじわじわと坂を登る振動が伝わり、ジェットコースターの頂上を目指すようなドキドキが体感できる。
停車駅もイベント満載!観光スポット気分で散策しよう
特急「いさぶろう・しんぺい」は途中の停車駅も個性豊か。名刺がびっしり貼られた大畑駅や、SL「D51」が展示されている矢岳駅、幸せの鐘や絵馬が飾られた真幸駅などが一時停車中に楽しめる。オンリーワン体験ぞくぞくの列車旅は、満足度が高いこと間違いなし!
日本三大車窓「矢岳越え」に、感動も最高潮!
列車旅のクライマックスは、矢岳第一トンネルの先にある絶景「矢岳越え」だ。韓国岳をはじめとする霧島連山を一望できる展望は、国内屈指の雄大な車窓の眺めといわれ、「日本一の動く展望台」といわれるほど。大自然と歴史が織りなす重厚な物語を五感で味わい、あなただけのフォトジェニックな一枚を切り取ってみては。
[特急「いさぶろう・しんぺい」]熊本~吉松間・人吉~吉松間 / 1日2往復(熊本~人吉間は1日1往復) / 熊本~吉松間(約2時間50分)・人吉~吉松間(約1時間25分) / 大人片道4,010円、子ども2,010円(片道の普通運賃+指定席特急料金の合計額) / 092-482-1489 / 10:00~19:00、土日祝10:00~18:00【九州ウォーカー編集部/PR】
白石文子