元ゲーム会社所属デザイナーで、現在はストーリー漫画をメインに執筆している吉良いと(@kilightit)さん。個人で作品を公開・販売するほか、商業誌にも作品を掲載するなど、精力的に活動している漫画家だ。代表作「ようこそ亡霊葬儀屋さん」は、「このお話ほんとに好きです」「1度見たことあるはずなのに泣いてしまった」など、多くの読者に感動をもたらしている。
今回は、「迷い猫専門の不思議なペット探偵(迷猫探偵)」をお届け。逃げ出した飼い猫の捜索・捕獲・引き渡しを行う“迷猫(まよいねこ)探偵”のトラは、玉木という女性から「大福」の捜索依頼を受けていた。今回も無事に見つけ出し、玉木のもとに連れて帰ることができたのだが、大福は少し気が立っている様子。
大福が逃げ出してしまったことを反省する玉木に、トラがペットと飼い主の関係のあり方を説くと、玉木はトラたちに大福との出会いは保護猫の譲渡会だったことを語り始める。幸せにすると決めて引き取ったにもかかわらず、不安を感じさせてしまった…。再び自分を責める玉木に、トラはそっと手を差し出す。「駄目かどうかは大福の気持ちになってみないと。俺が『見せて』あげます」。言われるがまま、玉木がトラの手を握ると…。
前の飼い主との出会い、安心する香り、幸せな日々、そして別れ。深い悲しみの感情を経て、大福は玉木と出会った…。大福の思い出を追体験することで、大福の本心に気づくことができた玉木。すると大福は何かを察したのか、玉木のもとに近づき、玉木の指先の匂いを嗅ぎ出す…。別れ際、先ほどの不思議な体験について玉木から聞かれたトラは、「企業秘密です」とはぐらかす。「『次』の依頼がないことを願っていますよ。それでは」。
作者に話を聞いてみた。
吉良いと「もし大切なペットが逃げ出してしまったら...という思いでペット探偵をテーマに描きました。飼い主が知らない、ペットの思いを伝えてくれる探偵さんがいたらとても素敵だと思います!」
飼い主とペットの関係性について、大切なことを気づかせてくれるこの物語。X(旧Twitter)に投稿されると、「優しい作品をありがとうございます」「控えめに言って最高です」「涙腺崩壊しまくりで、どーしてくれるんですか」など、読者からたくさんの感想が寄せられている。
画像提供:吉良いと(@kilightit)