おうちで簡単!愛犬と一緒にフィットネスして運動不足を解消しよう

2024年1月23日

寒い冬は「外に出たくない…!」という人も多く、自然とおうち時間が長くなりがち。よくないな…と思いながらもコタツでゴロゴロしてるうちにあっという間に時間が過ぎていた、なんて経験をした人もいるのでは?年末年始に食べ過ぎてしまった、運動不足だなと感じる人必見!今回は、愛犬と一緒におうちで簡単にできるフィットネスを紹介。ひとりだとなかなかやる気が起きない人も、愛犬と一緒ならがんばれるはず!

おうちで愛犬と一緒にできる簡単なフィットネスを紹介


それに、実は犬も人間と同じように、年齢を重ねると体力や筋力が落ちてくる。筋肉量が減ると関節を支えることが難しくなり足に痛みが出てしまうため、そうなると歩くことを嫌がるようになり、ますます体力や筋力が落ちてしまう要因に…。特に犬は、後ろ足の筋肉を弱らせないことが大切なのだそう。まずはできるところからでOKなので、自分はもちろん愛犬の健康のためにも生活に取り入れてみて!

今回フィットネスを教えてくれたのはドッグフィットネストレーナーなどの資格を持ち、自宅でできるフィットネスを指導する教室を主宰している、わんこはうす ハーティス代表の中嶋千晶さん。愛犬のももちゃんと一緒に実践しながら、ポイントを教えてくれたので一緒にチェックしていこう。

わんこはうす ハーティス代表・中嶋千晶さん&ももちゃん


シニアになっても自分の足で歩ける、健康な体づくりを

「犬は年齢とともに後ろ足から衰えていきます。そのまま対策を取らずにいると、シニアになって後ろ足は支えるだけで使わなくなり、寝たきりになるリスクが出てきます」と中嶋千晶さん。

毎日の暮らしに遊び感覚で少しプラスするだけで、バランス感覚や柔軟性が備わりケガの予防に


「うちは毎日お散歩に行っているから大丈夫」という方は多いと思いますが、実はお散歩だけでは体幹が鍛えられないため筋肉が落ちやすく、シニアになると身体機能の維持が難しくなります。また、犬は前足に7割の体重がかかっているため、後ろ足をきちんと意識させないと、徐々に使わなくなっていきます。

背中が丸まってきたり、お尻が小さくなってきたり、足が細くなってきたら要注意です。また、若いわんちゃんでも後ろ足のももの内側に適度な弾力があればよいのですが、ふわふわと柔らかいようなら筋肉量が不十分です。年齢にかかわらず、健康的な体づくりに役立つ運動を毎日の生活に取り入れましょう」

「毎日の暮らしに遊び感覚で少しプラスするだけで、筋肉がつきます。バランス感覚や柔軟性が備わるとケガの予防にもなります。わんちゃんを直接指導するのではなく、飼い主さんにやり方を教えているのは、自宅でわんちゃんと楽しみながら続けてほしいから。フィットネスは長く継続することで、健康維持と増進につながります。フィットネスジムに通うのは大変な部分もありますが、自宅なら習慣化しやすいと思います」

愛犬とのフィットネスタイムは、コミュニケーションを深める時間にも。安全に配慮しながら、今日からフィットネスタイムをスタートしよう!

愛犬とのフィットネスタイムは、コミュニケーションを深める時間に


愛犬の年齢は?

成年期からしっかりケアしておくことが大切!

小型犬、中型犬、大型犬それぞれ多少違いはあるが、生後6カ月ごろまでは幼年期、1歳ごろまでが成長期、2歳~5、6歳が成年期。成年期ごろまでは健康面で特に問題なく元気なことが多いが、このころからしっかりケアすると長く健康でいられる傾向にあるそう。壮年期は老化が進行していく時期なので、後ろ足の筋肉の状態をチェックして、日々の運動に取り組もう。

フィットネスを行うときの注意

滑らないように配慮
フローリングの床の上で行うのは滑りやすいのでNG。滑りにくいカーペットなどを敷いた場所で運動するか、ヨガマットを敷いておこう。

1回15分以内に
犬が集中できるのは、15分程度。長く続けても疲れてしまうだけなので、楽しく運動できる15分以内に収めよう。紹介する運動をすべて行わなくてもいいので、できるところからひとつずつやってみよう。

疾患がある場合はかかりつけ医に相談を
何らかの疾患があり獣医師にかかっている場合は、医師に相談して、どの運動ならOKかなどを聞いてから行うようにしよう。

うまくできなくても諦めない
今回紹介している運動は簡単なように見えて、犬にとってはやや難しいものも。最初からうまくできなくても諦めずに続けて、上手にできたらほめてあげよう。練習をするだけでも十分な効果が期待できるそう。

おやつを使ってもOK
おやつなしで運動するのがベストだが、難しいようならおやつを使ってもOK。今回の記事内ではおやつを使った誘導の仕方を紹介する。ただし、あげすぎは禁物なので、少量を効果的に使うようにしよう。

おやつをあげてもOK


道具なしでもできる!「シットtoスタンド」

「お座り→立って」の動きで、お尻から後ろ足の筋肉を鍛えることができるスクワット。膝の運動にもなるので、膝蓋骨脱臼(パテラ)のわんちゃんにも効果的だ。

「お座り→立って」が3回できたら、一呼吸くらい休み、3セット行う。慣れたら、回数とセット数をそれぞれ5回まで増やしてもOK。

1. 愛犬の横に座り、おやつを手に持って犬の鼻先から耳の間に持っていくように誘導する。犬の頭が上を向き、自然にお尻を床につけて座れたら「立って」に移る。

シットtoスタンド1


2. 犬が座っている状態で、おやつを鼻先からまっすぐ上にゆっくり動かす。腰から立ち上がれたら「よし」と言っておやつをあげる。

シットtoスタンド2


道具なしでもできる!「伏せ&立って」

「伏せ→立って」の動きで、四肢を中心に鍛えることができるスクワット。バランスをとって立つ練習になるので体幹を鍛えることもでき、膝関節の動きをスムーズにする効果もある。

「伏せ→立って」が3回できたら、一呼吸くらい休み、3セット行う。慣れたら、回数とセット数をそれぞれ5回まで増やしてもOK。

1. 愛犬の横に座り、おやつを手に持って犬の鼻先から斜め前に床を滑らせるように動かして誘導。おなかが床にペタっとついたら、「立って」に移る。

伏せ&立って1


2. 犬が伏せている状態で、おやつを鼻先からまっすぐに上にゆっくり動かす。四肢でしっかり立ち上がれたら、「よし」と言っておやつをあげる。人が一緒に立つような動きをすると、犬も立ち上がりやすくなる。

伏せ&立って2


伏せができないときは…
飼い主さんが立てた膝の下をくぐる練習をして、おなかを床につけることを教えていこう。この練習でも、四肢や背中の筋肉を鍛えることができる。特に、背中の筋肉が落ちてきた犬には効果あり。伏せができるようになったら「伏せ&立って」の練習を!

1. 左膝を立て、右手におやつを持つ。膝の内側から右手を入れて、犬が外側から内側に膝の下をくぐるように誘導する。

伏せができないとき1


2. 犬の体が半分程度くぐったら、膝をゆっくり下げて、伏せの姿勢に誘導する。伏せることができたら、「よし」と言って持っているおやつをあげる。

伏せができないとき2


道具なしでもできる!「アラウンド」

飼い主さんの周りを回って、柔軟性を高める運動。体の側面の筋肉の柔軟性を鍛えるので、ケガの予防にもなる。

左右1周ずつを1回として3回行い、一呼吸くらい休み、3セット行う。慣れたら、回数とセット数をそれぞれ5回まで増やしてもOK。

1. おやつを両手に持って犬と向かい合ってまっすぐ立つ。まず右手を、鼻先から床面に平行に動かして後ろに誘導する。

アラウンド1


2. 後ろに誘導したら、誘導する手を左手に変えて、正面に戻れたら「よし」と言っておやつをあげる。できたら同様に左回りも行う。

アラウンド2


家にあるものを使おう!「簡単ウィーブ」

ペットボトルを2本立て、8の字に回らせる。体の側面の筋肉に働きかけて柔軟性を鍛える効果があり、ケガの予防にもなり、バランス感覚を養うこともできる。

左右順に回る8の字歩きが3回できたら、一呼吸くらい休み、3セット行う。慣れたら、回数とセット数をそれぞれ5回まで増やしてもOK。

1. おやつを手に持って、鼻先から床面に平行にゆっくりと動かし、2本のペットボトルの間を通るように誘導する。

簡単ウィーブ1


2. ペットボトルに沿ってターンし、8の字に歩くように誘導。最初の位置まで戻れたら、「よし」と言っておやつをあげる。

簡単ウィーブ2


\STEP UP!/
ペットボトルの間隔を広げると持久力を高める走る運動ができる。1~2分程度から始めて、徐々に時間を延ばしていこう。呼吸が荒くならないよう、見極めてストップして。

家にあるものを使おう!「キャバレッティ」

ごく小さな段差を作り、足をしっかり上げてまたぎ、関節の可動域を広げる運動。特に後ろ足が上がりにくくなってくるのを防ぐ。

越える段差は3~5個くらい。越えられたら一呼吸くらい休み、3セット行う。慣れたら、段差の数を少し増やし、セット数を5回まで増やしてもOK。

1. 段差を作り、ゆっくり前に歩かせ、段差をピョンと飛び越えないように練習する。リードを付けてまっすぐ歩くように誘導しよう。

キャバレッティ1


2. 上手に歩けたら「よし」と言っておやつをあげる。同じ高さの段差をスムーズに歩いて越えられるようになったら、少し段差に差を付けてみよう。

キャバレッティ2


\STEP UP!/
いつもの段差を軽く越えられるようになったら、段差を少し高くしてもOK。

記事内ではフラフープや、フラフープを分解したものを並べているが、家で行う場合は愛犬の体格に合わせて、突っ張り棒やラップやホイルの芯など、いろいろなもので代用可能なので工夫してみて。少し大きい犬なら、タオルや荷造り用の緩衝材をきつめに巻いたものなどを使用しても。

道具を使えばちょっと本格的に!「バランスディスクを使う」

犬用のバランスディスクを使うと、体幹をしっかりさせ、四肢のバランス力や筋肉を鍛えることができる。ディスクに乗せた足はバランス強化、床にある足は筋力強化の効果が期待できる。前足と後ろ足の両方できるようにしよう。後ろ足を乗せられないときは、後ろ足の肉球を刺激して意識させることから始めてみて。

5秒静止できたら横方向に誘導してディスクから降ろし、小休止してから3セット行う。

1. 飼い主の前にバランスディスクを置く(犬用の坂道型の場合は、飼い主側を高い方に)。おやつを手に持ち、一度ディスクから離すようにしてから、まっすぐディスクに乗れるように誘導する。前足がディスクの中央に乗ったら、おやつをなめさせるようにして静止させ、5秒維持できたら「よし」と言っておやつをあげる。

バランスディスクを使う1


2. 飼い主の前にバランスディスクを置く(犬用の坂道型の場合は、飼い主側を低い方に)。おやつを手に持ち、一度ディスクから離すようにしてから、まっすぐディスクに乗れるよう誘導する。前足がディスクを通り過ぎ、後ろ足が中央に乗ったら、おやつをなめさせるようにして静止させ、5秒維持できたら「よし」と言っておやつをあげる。

バランスディスクを使う2


注意点

静止時間と小休止を守る
・ディスクに乗れるようになるとうれしくなって長く乗せたくなるが、負荷が大きいので、最初は5秒から始めよう。徐々に、10秒から最大30秒まで延ばして。

・小休止は5秒から1分程度。若くて活発なら短くてもいいが、シニアの場合は長めに休憩しよう。

ディスク型がおすすめ
ピーナツ型のバランスボールもあるが、正しい立位をとるのが難しいので、低めのディスク型で始めるのがおすすめ。

正しい立位で乗る
・「正しい立位」=リラックスして立っているときの状態。首が上がらない、背中が丸まらない、巻き尾の場合は尾が下がらないなどが目安となる。

・正しい立位で乗らないと、偏った強化になってしまい、十分な効果が得られないので注意しよう。

・横からこまめにチェックを。ほかの人に確認してもらうとよりわかりやすい。

小型犬の場合は人間用のバランスディスクでも代用できる



愛犬と一緒にフィットネスして、自分も愛犬も運動不足を解消して健康に過ごそう!


※この記事で紹介しているフィットネスの回数とセット数は目安です。

※本記事はわんにゃんWalker2022年12月・2023年1月号の記事を元に再編集したものです。

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