アジアを旅する最中、立ち寄った串焼き店で出合ったキュートな“串焼き泥棒”を描いたエッセイ漫画「海外の食べれなくなるめし。」に、X上で1.1万件を超えるいいねが集まっている。
作者は、海外で体験した出来事を描く漫画家の五箇野人(
@gokayajin
)さん。ゲッサン(小学館)で連載中の「海外 縁にまかせて歩くだけ。」(単行本第1巻は2023年10月12日発売)や、「つかれたときに読む海外旅日記」(単行本第4巻は2023年10月12日発売)などの商業作品のかたわら、SNSやブログでも作品を発表しており、同作は2024年1月に公開されたものだ。
海外の串焼き店で店主から「全部は食べられないかも」と不穏な予告をされた五箇野人さん。けれど、出された料理は見た目も量も問題なさそう。「全然ヨユー…」と箸を伸ばした五箇野人さんだったが、その腕をペロリとなめる闖入者が現れる。くんくんと鼻を鳴らすのは、お店の近くに暮らす犬。串焼きを全部食べられないのは、そのかわいさにお客がついつい分けてしまうからだった……、というエピソード。
ブログには実際の犬の写真も掲載され、作品や写真に現れるその人懐っこい姿に、読者からは「こんなのズルいよ」「これは全部食べられませんわ」「かわいい常習犯」と反響が寄せられた。ウォーカープラスでは作者の五箇野人さんにエピソードのこぼれ話を取材した。
あらがえないかわいさの“串焼き泥棒” 海外ならではの動物との距離
――かわいらしい“常習犯”にほっこりするエピソードです。この犬はお店の方が飼っているのでしょうか?
【五箇野人】基本的には野良犬なんですが、寝泊まりできる家が何件かあるそうです。この周辺のみなさんで面倒を見ている感じでした。
――漫画やブログの様子から、大人しくて人懐っこい子なのやお店の和やかな雰囲気が伝わってきます。五箇野人さんの感想を教えてください。
【五箇野人】お店は飾らずローカルな感じで居心地よかったです。犬は上目遣いも上手で「自分のかわいさを分かってるな」と思えるほど人のことを理解して慣れている感じがあって、それも全部含めて愛らしかったです。
――五箇野人さんはこのエピソードをはじめ、海外での動物をきっかけにした交流もこれまでに何度も描かれています。海外での動物を通して感じる文化の違いや、海外ならではの楽しみはありますか?
【五箇野人】野良犬や野良猫の数は日本と比べ物にならないほど居るという国が多いと感じます。ただ、日本のように「餌付けはNG」というところはまだ見たことがなく、同じ土地に住んでいる同じ住民としてみんながエサをやったりしている光景や、そのおかげで野良でもとても健康的だったりするのは見ていて素敵だなと感じます。
取材協力:五箇野人(@gokayajin)