【野良猫vs元組長のバトル】「わざとだな?」大切な盆栽を壊した野良猫!「今日こそは」撃退しようと画策!!【作者に聞く】

2024年2月7日

伝説の極道は、猫に背後を取られてしまい!?画像提供:(C)片倉頼/小学館

元極道と野良猫――。「仲がいいのか悪いのかわからないけど、ほっこりする」「猫の無表情がたまらなくかわいい」一度読んだ人は、ハマって抜け出せなくなる片倉頼(@kata_yoli)さんの「オヤジとにゃん吉」を紹介しよう。どちらも世知辛い世の中を生き抜いてきた強者同士の戦いがおもしろい。


まんまるフォルムが憎めない!!あざといにゃん吉にほだされていく元組長

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(5)画像提供:(C)片倉頼/小学館

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(8)画像提供:(C)片倉頼/小学館

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(9)画像提供:(C)片倉頼/小学館

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(10)画像提供:(C)片倉頼/小学館

『オヤジとにゃん吉』 初戦「出会い」(11)画像提供:(C)片倉頼/小学館

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(12)画像提供:(C)片倉頼/小学館

鬼門組四代目組長・松方久秀は、組同士の抗争を取りまとめた伝説の男。今は代を譲り、1人寂しく余生を過ごしていた。そこに、まんまるフォルムの野良猫がふらりと庭を訪ねてくる。野良猫は三代目から引き継いだ盆栽の棚に座り込むと、ちょいちょいと手で盆栽を落とす。大切な盆栽を壊された元組長は「己の庭でデカイ顔をされて、黙っているほど老いぼれちゃいねぇ!」と立ち上がった。引退したとはいえ、いまだ迫力の残る松方の怒声に、しかし野良猫はまったく我関せずといった風態。ほうきを持って、野良猫を追いかけ回すが――。

実は猫アレルギーで飼えない!?「オヤジとにゃん吉」には、叶えられない夢を詰め込んだ

伝説と言われた元組長が、たかが野良猫一匹に翻弄されるドタバタコメディ。今回は、本作が生まれたきっかけや制作の裏側について、片倉さんに話を聞いた。

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(13)画像提供:(C)片倉頼/小学館

――まずは、本作を描いたきっかけを教えてください。

数人の漫画家で「ヤクザと猫」というお題で描く企画があり、それが始まりでした。猫のとてつもない魅力とそれによって激変する人間を見て衝撃を受けたことがあったので、それを描きたくて詰め込みました。

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(14)画像提供:(C)片倉頼/小学館

――無表情のにゃん吉はかなりの曲者ですね。にゃん吉が今のまんまるフォルムになった経緯を教えてください。

これはもう、完全に私の趣味です(笑)。自分が思う一番かわいいフォルムを目指しました!

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(15)画像提供:(C)片倉頼/小学館

――にゃん吉は野良猫ですが、顔をみるとシャム猫っぽくもあるのですが、種類は決まっていますか?にゃん吉の生まれた背景が決まっていたら教えてください。

野良猫のなかにも脱走したり、捨てられたりしたシャムの遺伝子を持った猫たちがいるそうです。にゃん吉は元々「マンチカンとたぬきのハーフ」という謎の設定から始まっているのですが、今となっては「雑種」なんだと思っています。

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(16)画像提供:(C)片倉頼/小学館

――本作を読んでいるととても猫愛を感じますが、猫を飼っているんですか?

ありがとうございます!実は私の元に猫がいたことはありません。長く一緒に過ごすと目や手が赤く腫れたり痒くなってしまうので、猫との生活は叶わぬ夢なんです。「オヤジとにゃん吉」には叶えられない夢を詰め込んでます。

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(17)画像提供:(C)片倉頼/小学館

――毎回、オヤジとにゃん吉が繰り広げるドタバタコメディに笑ってしまいます!描くうえで気をつけていることはありますか?

にゃん吉は猫であって、彼が思っていることは我々人間には知ることはできないということです。見てる人間が勝手に解釈して、一喜一憂する。そこがおもしろいし、愛おしいと思ってます。

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(18)画像提供:(C)片倉頼/小学館

――オヤジとにゃん吉の今後の展開を言える範囲で教えてください!

ふふっと笑えるオヤジとにゃん吉をいっぱい描く予定です。まだまだお見せできていない彼等の側面がありますので、楽しみにして頂けたらと思います!

『オヤジとにゃん吉』初戦「出会い」(19)画像提供:(C)片倉頼/小学館

――読者の皆さんにメッセージをお願いします。

いつも『オヤジとにゃん吉』を応援して下さってありがとうございます!読んで下さる人がいるからこそ、オヤジとにゃん吉を描き続けることができています。楽しんで頂けるよう精進していきますので、これからも1人と1匹を見守って頂けたらうれしいです!


なかには「ボスなんてのは、結局1人だな」誰にも話すことのない元組長の本音がホロリと溢れる瞬間、野良猫と心が通じ合ったような空気感が描かれるなど、シリアスな場面も。しかし、決して交わることのない人間と野良猫の世界線がおもしろさに拍車をかける。

取材協力:片倉頼(@kata_yoli)