「愛猫」が死んだのは私のせい…助けられなかったこと「恨んでる?」後悔を救う「それは間違ってるかも」飼い主との絆を描く【作者に聞く】

2024年2月12日

子どものころに飼っていた愛猫グレは、突然発作を起こして死んでしまった。共働きで両親がいないなか、突然のグレの発作に優は怖くて逃げ出してしまう。「あの時、病院に連れて行っていれば…」後悔の念が消えないペットロスを描いた、めぐお(@8MEGUO8)さんの「死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話」を紹介しよう。本作は、ペットが亡くなってしまった後悔を抱く飼い主たちから「同じ経験をして、今も後悔している」「救われた」「涙が止まらない」などの声が届いている。

子どものころに飼っていた愛猫が、突然見えるようになったのはなぜ?

【漫画】死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話1画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

ある日、優のそばに昔飼っていた愛猫・グレが現れた。自分の近くにいるが、ほかの人には見えない様子。グレは、一体何のために現れたのか?

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話2画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

思い出すのは、グレが苦しんでいた姿ばかり。共働きで両親がいないなか、突然グレが発作を起こした。小学生だった優は、怖くなって逃げ出した。「あの時、病院に連れて行っていれば…」今でも後悔の念が残っている。きっとグレも助けてくれなかったことを恨んでいるに違いない。

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話6画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

なぜならグレが現れてから、どこからか視線を感じたり、物がなくなったりすることが増えたからだ。決定打となったのは、カーテンがビリビリに破れていたのを見たとき――。「グレは復讐の機会を狙っている」

小学生のころに拾って、18才の時に亡くなった子がモデル

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話15画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

本作には、愛猫が旅立った悲しみや後悔を抱く人たちから「救われた」「こうやって見守ってくれてる」など、勇気づけられたという声が届く。今回は、めぐおさんに制作秘話や作品に込めた想いについて話を聞いた。

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話16画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

――まずは、めぐおさんが漫画を描くようになったきっかけを教えてください。

元々二次創作が好きで、オリジナルでも何か描いてみたいと思ったことがきっかけです。

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話17画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

――「死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話」を思いついたきっかけを教えてください。

当時ついてくれていた担当編集さんと賞に応募する作品をいくつか制作していて、創作漫画の内容が思いつかず「自身の体験に近いエピソードなら描けるかも…」と思ったことがきっかけです。そのままネームが通ったので、思い通り制作しました。

作品内では伏せていますが、「人に話せないような後悔を抱えている人がいるかもしれない」と思い執筆に至りました。こうであってほしいというエゴでもある、願望的な作品です。

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話18画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

――ペットロスで後悔している方の心情を救い上げるのようなお話ですが、本作は体験エピソードも含められているのでしょうか?

そうですね。幼いころから保護した猫たちと暮らしていたので、いろんな子たちへの思いを凝縮して描きました。グレという子も小学生のころに拾って、18才の時に亡くなった子がモデルです。頭がとてもよくて自分が落ち込んでると、ずっとそばにいてくれるような心優しい子でした。

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話19画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

――ラストの伏線回収まででこだわったポイントがあれば教えてください。

「大好きな猫が自分を恨んでいるかも…」というのは「間違ってるかもしれないよ」ということを伝えたかったので、主人公の罪悪感がラストで報われるよう、話の流れにこだわりました。

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話3画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

――「涙腺崩壊」「感動した」などのコメントが多く届いていますね。感想はいかがですか?

とてもうれしかったです。とくに似たような経験をした方が「報われた」と仰ってくださったときに「描いてよかった〜」と思いました。

死んだ飼い猫と再会した後ろ暗い飼い主の話4画像提供:めぐお(@8MEGUO8)

――そのほかにどのような漫画を描いていますか?

現在は、コミカライズのお仕事を頂いており、あまり創作漫画は描けていませんが、またオリジナルで何か描きたいと思っています。創作漫画に目を留めていただけて、とてもうれしいです!ありがとうございました!!

何十年経過しても、飼い主は抱えていた思いを捨てることはできない。そんな人がたくさんいることに気づかされる。口には出せない愛猫への想いが昇華されていくようだ。

取材協力:めぐお(@8MEGUO8)