母の四十九日に運命的な出会いを果たした子猫を育てる中で、主人公が亡き母へのわだかまりを氷解させていく様子を描いたかっく(
@cak221
)さんの創作漫画「猫と子と母」。切なくも温かな物語に、読者からは感動の声が相次いだ。今回、本作を手掛けたかっくさんにインタビューを敢行。本作に込めた思いなどを伺った。
主人公と猫の関係は「自分の中で込めたかった救いのような祝福です」
本作を制作したきっかけについて、かっくさんは「
『母と娘』というのは、難しい関係性のご家庭が多いのではないかと私は思っていて、でも『庇護される存在である方の”娘”が、庇護すべきものを持つとどういう感情を持つのだろう?』しかもそれが『母の生まれ変わりだったら…?』『自分が愛されていたことに気付いてしまったら…?』と、思ったのがきっかけでした
」と語る。
難しいテーマを描く上でこだわった点を尋ねると、「
こういうお話だと『主人公がまた娘を生んで、死んだ母の気持ちを思う』がセオリーかなとは思うのですが、仮にこの親子がどういう事情であっても例えば義理の親子でも、こういう感情や関係性は人間だから発生するものだと思ったので『血が繋がっているから』という理由だけで終わらせたくありませんでした。
そこに猫の日がちょうど重なったのもあって、『言葉が通じない方が、気持ちが通じることもある』と思うので、お母さんには猫として娘とまた一緒に暮らして『関係性のやり直し』をしてもらえれば…という点は、自分の中で込めたかった救いのような祝福です
」とコメント。漫画ならではの表現で親子関係の修復を描いたからこそ、多くの読者の心に刺さったのかもしれない。
自身も保護猫と同居しているというかっくさん。本作の主人公同様、その存在に日々救われているそうで、「
元々は自分がいつ死ぬか分からないので、タイミングも丁度良かったし、ずっと飼いたいと思っていた猫を今飼おう!と思い切って一緒に暮らし始めた次第ですが、今となってはこの子を養うためには、この子を残して死ねない!!となっています。むしろ生きる力を与えてもらっていますね…。救いです
」と、自身にとって大切な存在となったことを明かしてくれた。
取材協力:かっく(@cak221)