X(旧Twitter) を中心に漫画を公開しているあみだむく
(@higemoku
)さんは、2024年2月に「愛犬の老いに直面する話」を投稿すると8.2万超えのいいねを獲得。主人公の青年が愛犬の老いに向き合う心情などがリアルに描かれている。ペットを飼っている人なら、誰もが一度は経験する出来事ではないだろうか。本作の誕生秘話や実体験などについて、あみだむく(@higemoku)さんにインタビューした。
――あみだむくさんが漫画を描くようになったきっかけを教えてください。
小学生のときに友達と遊びながら描いていたのが始まりだと思います。しばらく鉛筆で完成しない中途半端な漫画ばかり描いていましたが、大学卒業後も漫画家になるつもりではいたので、短期間の専門学校に通って初めて漫画を仕上げました。
――本作が誕生したきっかけについて、お聞かせください。
14歳半ば頃から急激に老いて行く愛犬を見て、いつか終わる日を意識し不安を感じたのでそれを少しでも前向きなものにしたかったのと、そのときの気持ちや犬との他愛ない出来事を覚えておくために漫画にしました。
――本作は実話でしょうか?
飼っていた愛犬との日々で私が感じたことをもとに描いているので、実話に近いです。
――本作を読むと、老犬の介護の大変さが伝わっていきます。この時期になると、飼い主はペットの最期を想像してしまうのでしょうか?
人によってさまざまかとは思いますが、私は想像してしまいました。人間よりもさらに早く老いて行くのでたった1カ月や1週間でも別の犬のように変化してしまいます。これから本格的な介護が始まるだろうと思った矢先に、もともと患っていた腎臓病が急激に悪化して愛犬は亡くなってしまったので、私はそこまで長く本格的な介護をしたわけではないのですが、その老いの速さを目の当たりにしていると気持ちが追いつかず、焦りが出てきて不安を感じていました。
――今後はどんな作品を描く予定ですか?
まだ特に考えていませんが、これまでバラバラなジャンルで漫画を描いているので今後もさまざまなジャンルで描いていきたいと思っています。歳を重ねるごとに描きたい題材も変化してきたと感じているので、その時々に思ったことや感じたことを上手く漫画に描き出せたらいいなと思います。
最近ではペットを飼う人も増えているが、最期まで世話をする責任がある。あみだむくさんは2024年2月に「ラプソディ・イン・レッド」第3巻を発売している。不器用で孤独な高校生がピアノとの出合いをきっかけに、音楽の世界で活躍する作品だ。興味がある人はぜひ読んでみて!
取材協力:あみだむく(@higemoku)