いつの頃からか、猫の特徴を表す言葉として使われるようになったフレーズ「猫は液体」。その体のやわらかさでどんなところにも滑り込む姿はまさしく液体のようだが、文字通り「液体の猫」が存在したら…?
林場琉賀
(@hayashiba8848)
さんの創作漫画
「自販機で水を買ったら猫が出てきた話」
は、女の子が自動販売機でペットボトルを買ったら、その中身が液体状の猫だったというところからはじまるシリーズ作品だ。やわらかいを通り越して不定形に体を変化させるその姿に、友人からは「絶対猫じゃないと思うんだけど」とツッコまれる謎だらけの「水猫」。けれど、主人公の女の子は「猫だよ~」と喜び、不思議な猫を飼い始めてからの日常を描いている。
猫好きにはたまらない!?不思議な「液体の猫」と過ごす日常が尊すぎる!
作者の林場さんに作品のアイデアが生まれたきっかけについて話を聞いてみると、まず林場さんの頭にあったのは「猫は液体」という言葉だそう。この言葉を聞いたとき、「本当に液体の猫がいたら面白いのではないか?」と思ったのが、すべての始まりだという。水猫はそのアイデアを元に、猫と液体の境界を曖昧にしたキャラクターとして誕生した。この作品での水猫は猫なのか液体なのかあえて定めなかったと林場さんは語る。
水猫の見た目には、林場さんの好きなマンチカンが影響しているとのことだ。ぷくぷくした顔や短い足が特徴で、「餅みたいなフォルムの猫が多いんです」と彼は笑う。実は、以前に描いた「恐怖?呪いのマスコット人形」にも、このマスコット的な要素があったんだとか。水猫は、その雰囲気を受け継いでいる。
林場さんのお気に入りのシーンを聞いてみると、水猫があり得ないほど伸びるシーンを挙げてくれた。「液体だからこのくらい伸びるか」や「伸び過ぎ」とか「うちの猫はこのくらい伸びることがある」とかいろいろな感想があることを予想しながら描いたという。作品内では誇張した表現も出てくるが、たまに誇張を超えた猫の写真をSNS上で見かけると、「やっぱり猫は液体だな」と思うこともあるそう。
現在は他の作品と並行して制作を進めているためすぐには難しいが、続編を描きたいという気持ちを強く持っている作者。まだまだ描けるネタがいっぱいあるので、ファンには気長に待っていてほしいと願っている。林場さんのユーモアと温かさが詰まった本作品は、これからも多くの人を楽しませてくれるに違いない。水猫に癒やされたい人はぜひ読んでみてほしい。
取材協力:林場琉賀(@hayashiba8848)