取材後、いてもたってもいられなくなりストIIをプレイ!
筆者は物心ついた頃、最初にプレイしたゲームがストIIだった。そして今回の取材後、聞いた話を体感したくなり「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」(以下、30th アニバーサリー)に収録されているストIIを十数年ぶりにプレイしてみることに。オープニングやキャラクター選択時の際に流れるBGMは、初めてプレイした時のことを鮮明に思い出させてくれる。
筆者は主人公のリュウを選択。そして1戦目は「ヨガファイヤー」でお馴染みのダルシムで始まり、春麗、ザンギエフと、今やシリーズの看板であるキャラクターたちが次々に登場。シリーズ初登場ながら、すでに完成されているビジュアルに改めて驚かされた。
勝ち抜くために必須となる必殺技、波動拳や昇龍拳、竜巻旋風脚のコマンドは、スライドするように操作しなければいけないため、摩擦で手にタコができてしまった人も多いかもしれない。筆者もその1人で、今回はスーパーファミコンではなくPS4でプレイしているのだが、親指の関節あたりが痛痒くなり、それすらも懐かしい。
クリア目前と思いきや、シャドルー四天王に悪戦苦闘!
多少苦戦しながらも勝ち抜いていくと、ラスボスのベガが率いる「シャドルー四天王」(以下、四天王)が立ち塞がる。これまでの敵とは桁違いの強さを誇るため、ここで挫折しそうになったプレイヤーも少なくないだろう。さらにストIIでは終盤になって初めてその正体が明らかになるため、より強敵感が増すのだ...。
まず1番手はボクサーのバイソン。ラスベガスの煌びやかなステージは戦闘そっちのけで観察したいほどに作り込まれている。しかしここでは昇龍拳や波動拳、竜巻旋風脚による押しの一手がほぼ通用しなくなるので、より戦略的に応戦しなければいけない。バイソンがダメージを受けて操作不能になる、いわゆる“ピヨり状態”になった隙を突いてなんとか勝利!
2番手はスペインニンジュツという、独自の格闘スタイルを駆使するバルログ。忍者らしく素早い動きが特徴でただでさえ攻撃を当てにくいのだが、ステージ内に設置されている金網に張り付くと攻撃が当たらなくなるだけでなく、その直後に発動する必殺技「フライングバルセロナアタック」は、ガードをしていても体力ゲージがそこそこ削られてしまうという、とても厄介な奴なのだ。最後は判定勝ちで辛勝。
3番手はムエタイ使いのサガット。大柄のため手足のリーチが長く、攻撃を当てようとして、逆に反撃されてしまうこともしばしば。また、遠距離で攻撃しようとしても必殺技「タイガーショット」が牙を剥くので、八方塞がりになってしまうのだ。そんな強敵と対峙するなかで、滅多に起きないダブルKOがなんと2回も起こるというミラクルが発生!しかしこの場合、勝利としてカウントされないため、クリアを目指す人にとっては骨折り損になってしまうのだ。そしてなんとか勝利するも、筆者の体力ゲージも相当削れてきた...。
ついにラスボスのベガが登場!以降の作品と比べて体つきが少々スリムな印象だが、強さはこの頃から健在で、瞬く間にKO負けしてしまった。ここに辿り着くまでにも、相当な回数のコンティニューをしているので指はすでに限界。最後の力を振り絞り間髪入れずに技を叩き込んで、ようやくまぐれ勝ち!動かしていたのは手だけのはずなのに、なぜか肩で息をしていることに気がついた。どれだけゲームに没頭していたのかがうかがえる。
やっぱりストIIは神ゲーだった
リュウのボコボコになった顔を何回見たのか分からなくなるほど敗北したが、ついにゲームクリア。熾烈を極めた戦いのあとに流れるエンディングで、リュウがさらなる強敵を求め夕日に向かって歩いていく姿は、BGMも相まってとても哀愁が漂う演出になっている。そしてそれに呼応するかのように、筆者は早速ストIIロスに見舞われた。
やはりストIIは、今プレイしても当たり前のように熱中できるゲームだった。キャラクターやグラフィック、BGMなど、どれをとっても30年前に発売されたとは思えない圧倒的なクオリティで、懐かしさは感じるものの古さを全く感じない、まさに「神ゲー」と呼ぶにふさわしい作品だということを肌で感じた。
これを機にファンはもちろん、かつてストIIを楽しんだ人も久々にプレイしてみてはいかがだろうか。最新作の発売前にシリーズの原点を振り返ってみるのも一興かもしれない。
取材・文=西脇章太(にげば企画)