海風が吹く夏にぴったりの「尾道」へ!
サイコロを振って切符を購入できるようになるまで、最大で約10日かかる。待っていると登録したメールアドレスに「サイコロきっぷ購入のご案内」という内容のメールが届くので、それが来ると交通機関の予約ができるようになる。
サイコロきっぷでは行き先によって特急や新幹線など、普段なら追加料金を払わないといけない車両に乗れるのも楽しみの1つ。日程は最長3日間、時間や席なども自由に選べるので、日帰りから2泊3日まで予定を組むことができる。
新幹線の予約を済ませたらあとは出発当日を待つだけ。なお、切符はみどりの窓口にて直接の受け取りが必要。旅の前日までに受け取りに行くか、時間の余裕をもって駅に着いておくかのどちらかがベター。時間の変更は切符の発行前なら何度でも、発行後なら一度だけ可能だ。
今回は2泊3日で行くことに。新大阪〜福山の往復の新幹線を予約し、前日にみどりの窓口で切符を受け取って準備完了だ。当日は新大阪から新幹線に乗車し、福山までおよそ1時間の移動。車内販売のめちゃくちゃ固いアイスを食べていたらあっという間に到着した。そこからは普通電車でのんびり向かい、およそ20分で尾道に。新幹線を使っていることもあり、目的地までスムーズに向かうことができた。
尾道は爽やかな海風が吹いていて、夏特有のじめっとした感じも少なくてとても過ごしやすい。到着してからは尾道ラーメンで腹ごしらえをしてから街をぶらぶらし、千光寺山ロープウェイに乗って瀬戸内海の風景を楽しんだ。尾道市立美術館に行って「ピングー展」を鑑賞したり、銭湯を巡ってみたりと尾道を思う存分満喫。
2日目は溜まっていた仕事を片付けようと、ホテルのロビーや街の喫茶店などで1日中作業に没頭。大阪市内から気軽に出発できるため、旅行だけでなくワーケーションにもおすすめだ。「都会の喧騒から逃れたい」「環境を変えて仕事をしたい」という人は、仕事の気分転換に使ってみるのもいいかもしれない。
3日目はホテルをチェックアウトし、少し街を歩いてから新幹線に乗るために福山へ。そして新幹線に乗って大阪に帰宅。2泊3日の旅もあっという間だ。交通費が圧倒的に安かったためホテルやご飯を贅沢にでき、少し豪華な小旅行を満喫することができた。
サイコロきっぷの利用期間は7月29日〜10月31日(月)の連続する3日間。1人につき2回までエントリー可能で、2回とも同じ目が出ると博多も目的地に選ぶこともできる。破格の値段で旅行ができるまたとない機会。どこに行くかわからないドキドキ旅を楽しんでみよう。
担当者に聞く!「サイコロきっぷ」の狙いとは?
サイコロきっぷはSNSでもたちまち話題になり、「狙っていた博多が出た」「行ったことがない場所に行ける」など好評の声であふれている。そんな今回のサービスの狙いを、JR西日本の担当者に聞いた。
「夏休みにご友人やご家族と一緒に、これまでコロナ禍などでなかなか楽しむことができなかった旅を、気軽に多くの方に楽しんでいただきたいという思いを込めて企画を行いました」
JR西日本は現在、10代後半をはじめとする若年層の旅行を応援する公式サイト「アオタビ」を立ち上げ、西日本エリアの魅力発信に取り組んでいる。サイコロきっぷも若者向けのサービスとして若手社員が中心に取り組んだサービスなんだそう。
今回選ばれた7カ所は、どこも大阪市内から行きやすい場所。普段は乗る機会の少ない在来線特急や新幹線に乗車できる場所を選んだのも、お得に「旅」という非日常を感じてほしいという思いからだった。
「JR西日本としても初めての取り組みなので、今年の夏と秋はぜひサイコロきっぷで偶然から始まる運命的な旅に出かけ、西日本エリアを全力で楽しんでください!」
旅行といえば目的地を1番最初に決めるが、目的地が最後に決まるからこそ「どんな場所なのかな」と調べたり、実際に足を運んでみて予想外の出会いや発見があるのが、このサービスの1番の魅力だと感じた。今年の夏から秋にかけて、サイコロと運に身を任せ、思いがけない旅を楽しんでみてはいかがだろうか?
取材・文=越前与
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。